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act.19突撃開始!

 まだ続きます……

 あ、PVも一万ヒットを記録しました! ありがとうございます!

act.19突撃開始!

「さて……そろそろか?」

今回、テュポンに託された(と思われる)パラシュートはスクエア型だった。いつもはラウンド型(所謂円形のパラシュート)だったが……時代の流れか?

「で、テュポン。何故に今回スクエア型? いやまあありがたいけど」

「いや、流石に風強いからな。扱いやすいだろう、そっちの方が?」

「ああ。ラウンドは風に流されやすいからなぁ……で、こっからどの方向にどれくらいいどうすればいい?」

「そっから南南西……五時半の方向に10m程だ。ただ追い風だ、気をつけろよ」

「了解」

 そう言うと、俺は上空にいる第一隊と第二隊に身振りで指示を出す。


 今回着地するのは崖のすぐ近く。ていうか崖。故にはじめてダイブする彼らには多少荷が重いが……それを背負う俺もまた荷が重い。はぁ……

 いつもより低い高度でパラシュートを開く。ラウンドと違いスクエアは操作性、開傘速度も速く低高度で開いても大丈夫だ……ったと思う。

 俺自身は何なく着地する。後に続く彼らの為、念のため風を纏う。崖に墜ちた時に助けに行く為だ。

「うぉ……おぉっ!」

 アクトだ。流石国王直属部隊隊長、初めてのHALO降下を難なくこなすとは。

 その後もレム達やアクトの部下が続き、全員が何とか着地した。何かつまらん。

「よし……じゃ、行くぞ? 具合が悪い者などはいるか?」

「俺の隊は大丈夫だ」

「私の隊もです」

「よし優秀。じゃ……こっから東に数百mのところが目的地だ。行くぞ!」




 デルビ・アリエ管轄研究所。正式名称「D-106」、通称「断壁の研究所要塞」である。断崖絶壁の地は他を寄せ付けず、正面の湖も警戒の視界を遮るものが無い程広大だ。故に空からの襲撃にさえ気を配れば奇襲はほとんど心配ない恐ろしい自然要塞。

「そういや、この武具研究所の正式名称ってあるじゃない。あれって何か法則性があるの?」

「勿論です。『D』というのは魔王軍の物というものを示します。逆に王国軍は『K』を用います。

 ハイフンの後にある三桁の数字はその施設を判別する数字を使います。最初の数字は施設の種類です。『1』は武具、『2』は捕虜収容所、『3』は食料関係、その他『7』まであります。

 そしてその後の数字は施設の位置です。連動する地図にエリア分けされていて、ここは丁度ゼロ区という訳です。

 最後の数字は施設ができたと確認されている順番です。ここは六番目に出来たという訳です」

 レムがもの凄い丁寧に説明してくれた。その間も走っていた(ここで持久走のありがたみが分かったらしい)為、もうその「D-106」に到着してしまった。

「さて……このカムフラージュか分からんが真緑の建物……どーやってぶっ壊そう?」

「アクト、一応念を刺しておくが爆弾で爆破するだけでは許可せんぞ」

「では、所長副所長を捉え、それ以外は別の場所に縛っておき、二人を王国に連行。その時に研究所を爆破するのは?」

「よし、それで行こう。じゃ、レム、アクト。お前らの隊に気絶用弾丸や気絶用魔法がフルで使えるか確認しておいてくれ。俺は進入経路その他の確保をしておく」




 高い木の上から研究所を見ると、なるほど確かに進入するには難易度が高い。しかし今回は潜入の必要性は無い。

「よし、あそこの湖が正面か。なら……」

「どうだ、決まったか?」

 いきなりアクトに下から声をかけられ、一瞬びっくりとしたが……すぐに気を取り直す。

「ああ。正面の門に敵がたくさんいる。裏門から奇襲をかけるぞ。その為には……かなり行動に迅速性を求められる。だから……作戦をよく覚えてくれよ?」



 俺が説明した作戦に則り、裏門前に集結する俺達。裏門は警備兵が内側にしかおらず、サーチライト的な何か(アクト曰くあれは魔力を収束させたもので、他の魔力を感知すると使用者に感覚が伝わり、バレてしまう。サーチライトと違い魔力が必要だが、視認しなくても良い為索敵力は上)の配備数も正門より一、二機多い位。

 俺は右手に蒼鬼を持ち、左手を上げ、ゴーサインを出す。裏門は高さ3mちょっと、幅2mを下回る、比較的小さい門だ。しかしカムフラージュなどをしていることからかなり頻繁に利用される、ということはあるまい。


「で、だ……あそことあそこの兵士をお前らは片付けろ。俺はあそこのテラスまで飛んで片付ける」

「了解だ。で、その後は俺達は通信室だな」

「私達は食料保存庫ですね」

「ああ。頼んだぞ!」

 散開しそれぞれの持ち場に行く為に駆けだす。最初の奇襲は流石に隠密である為に足音を忍ばせる。


「ねむりなぁ!」

 蒼鬼を振りかぶり力を極限まで溜めた。そしてそれを開放すると共にキメ台詞。三日月兜な人の得意技の一つ、「TE○TAMENT」である。

 風切り音が轟き、数名が吹き飛んだ。流石ワンキル技。といっても気絶してるだけだけどな。

「さ……ちょーいとキツイかもしれんが我慢しろよ~?」

 聞こえていないだろうが断りを入れ、縄で縛っていく。ガラスのような板の向こうには数名の兵士。こちらには気付いていない。

 ガラスもどきをぶち破りその数名の敵兵に向かい電撃を放つ。少し拡散した電撃ではあるが気絶させるには充分だった。

「さ、て……と。ここから東か」

 俺が目指すのはここから東にある武具を生産する場所。占領したついでにちょいと武器を拝借(強奪)する手筈だ。

「おうお前らぁ! ちょっとこっち向けぇい!」

 声をかけ気を向けた瞬間強力な電撃。手を止めた上にいきなりなので、素早い電撃はかわせない。

 難なく全員が気絶し、その中からほとんどの武具を借用(強奪)……はできないのでここでアクトやレム達を待つ。




「あ、もう占領してある」

「流石……というか何というか……」

「先生……やっぱ隊長達すらまとめるだけある……」

「信じられない……」

「なんか傷つくぞオイィ!? 電撃一発で気絶するような奴らだ、大したことねえよ!?」

 そういったら余計引かれた……何故? Why?

「と、とにかくあとは……この施設の敵を殲滅して局長室を襲撃。そのまま副局長局長両名を確保。良いな?」

「了解だ」

「了解です」



 で、とりあえず数十分後。俺達は拝借(強奪)した魔法具で片っぱしから敵を気絶させ、数名に回収を任せる。というか撃ってるのは隊長二人と俺のみ、後(部下達)は回収班。

「よし……こんなもんだろうな。後はいそうなところあるか?」

「一応全ての部屋はまわったぞ」

「後残すは局長室だけ……行きましょう!」




 で、「D-106」局長室前の部屋。資料室らしく様々な書類が保管されている。整理されたその部屋の奥にはまたドア。あれが目的地。

「さ、行くぞ」

「おう」

「はい……ってあれ!?」

 耳の良いエルフ種(とはいえど人間より多少高い程度)のレムが何か異常を感じ取ったらしい。

「どうした?」

「誰かが近づいてきます……それもかなりの数です」

「何!?」

「敵か!?」

「恐らく……ただ今まで捜索していなかった場所は無い筈……」

「まさか……地下か!」

「そうか……カムフラージュされれば見つからんなぁ……よし、とりあえずここで迎え撃と―――」

「いや、アクト、レム。お前達は部下も連れて早く行け。俺がここで殲滅する!」

 風を体に纏わせ、掌に圧縮した風を作る。

「……行くぞ、アクト!」

「了解した。ま、ここを守るのが守るのだからな……安心だ」

「ククク、そりゃそーかい。ま、とっとといきな」

 俺は笑みを浮かべ、彼らを送りだした。これから来るであろう幾人もの敵兵の襲撃に備えつつ……

 はい、まだ続きます……もうちょっとだけお付き合いを。

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