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act.1始まりは唐突に

act.1 始まりは唐突に



 うん、あー、えっと……今俺、幻覚でも見ているんだろうか。


 唐突ですまないな。俺は市川 拓海。読み方はわかるだろうから省くぞ。今俺は15歳、高校生活真っただ中……のはずなんだが。花粉症でやられたのか俺の部屋にいるはずなのに俺は家族や知人以外と対面している。結構な強面ではあるが、さっき名前を呼ばれた時の声は爽やかで優しい感じだった。


「おーい、聞いてるか―?」

「ごめんちょっと現実逃避してた」

 声をかけられ、我に帰る。というか俺には妄想癖はないぞ。厨二でもないし。クラス内では専ら「常識人」という認識であるし、自覚もある。ついでにいうと女にも興味はない。決して男好きでもない。単に色恋沙汰は興味が無いだけだ。

「うん、で、俺自己紹介したっけ?」

「アンタの? いや聞いてない」

 目の前の男、いわばダンディな雰囲気がプンプンする、という訳でもなく、容姿に合わずフレンドリーなようだ。

「俺、テュポンっつうんだけど」

「は!? テュポンてあのテュポン!?」

 思わず素っ頓狂な声が出た。ちなみに今午前3時。俺間違いなく危ないヤツ認定食らうわ。主に家族に。

「そ、ギリシャ神話に出てくるらしいね、現じゃ」

 そうだ。テュポンっていうと、ギリシャ神話に風の神、っつか怪物として出てくるヤツだ。怪物じゃねえじゃん、目の前の。

「で、お前さんに頼みがあんのよ」

「……断るっ!」

「うんそれ無理」

 即答した俺に更に即答を重ねやがった第三者がいやがるな。と、思ってたらまた新しいの出てきた。何これ吉本新喜劇? 全然笑えないよ?

「俺、ゼウス。よろしく!」

―――自称―――テュポンを上回るフレンドリーな金髪の兄ちゃんだった。ってちょっとまて。

「ゼ、ゼウス!?」

「うんそう。で、お前もう断れねーんだ。ゴメ」

 えらく最近の流行語を使いこなすな、神よ。いや神だからか。

「お前さんの存在自体、既にない事になってるんだわ。いや俺らじゃなくてもっと上の神な、実行犯」

 上司を実行犯言っちゃったよこのゼウスとかいうヤツ。っていうかゼウス以上の神? ああ、きっと奥さんのヘラだ。頭上がらんらしいし。


「で、お前への頼み事は至って簡潔」

「俺らが能力貸してやるからある世界救ってこい」

「はぁぁぁぁぁ!?」

 なにその「お前勇者やれ」発言。認めん。断じて認めん!

「大丈夫大丈夫。死にはしないよ。多分ね」

 いやそーゆーことじゃないっしょ。

「だってさー雷と風自由に使えんだぜ?」

 何!?

「俺は風、ゼウスは雷の力を貸すんだよ。あと向こうの世界でも少しはフォローすっから。結構楽しいんじゃね?」

「オーケィ行こうじゃねえか」

 俺TUEEEEEEEEE! できんなら悪かない。やってやろうじゃないの面白そうだし。ていうか存在抹消されてるし、こっちでは。


「よかったぁ……ヘラ怒らすと怖いからさぁ」

 うんテュポン、君死んだね。

「とりあえず能力だけじゃ心細かろう。これを持っていけ」

「何これ?」

 テュポンから渡されたのはなんか見覚えあるハンドガンとナイフ。これまさか……

「ウンゴメン、最近MG○はまっちゃってね」

 やっぱりか! やっぱりMG○3に出てきたMk22ハッシュパピーとCQC用ナイフじゃねーか!!

「テュポン……お前そんなもんやってたの? まあいいや、とりあえずヘラの命令であと一つ武器を授けろってことになってる。何が良い?」

 ゼウス……命令ってあーた最高神じゃなかったのかよ。

 まあいいや。とりあえず俺日本人だし。

「じゃ日本刀は?」

「いいよ、別に。ちょっとアレンジとか加えるとこあれば言ってくれるか?」

「んじゃあ……切れ味は一瞬の切れ味より耐久性重視ね。それと鞘は金属製で黒塗り。それと柄もね」

「こんなんでおk?」

 まて神、なぜネット語(ていうか2ch語)を使う。

 とまあさておき、ゼウスは俺の要求通り、かつサイズが俺の身長(175cm)に合わせてある一振りの日本刀を渡してきた。

「おうサンクス。で、その世界に行くとやらはどうすりゃいいの?」

「俺が転移する。一通だけどな。あ、言葉は通じる筈だから。俺の力で」

 なるほど、流石神。

「じゃ、いくよー」

「えっちょっ待っ!」

 ヒュンッ!!





「ん…………」

 ここは……? なんか鉄っぽい色に四方囲まれてますが。

 あーそっか。異世界か。ゼウスのヤローいきなり転移しやがって。


「お、目が覚めたか拓海」

「おう、テュポンか? なにこれ念話?」

「そそ。俺らはそっちの世界に直接行くならさっきみたいに幻影使うしかないからね。普段ならこの念話で充分」

 適当な。で、俺こっからどうすりゃいいべ?

「で、早速なんだけど君、左側見てくれる?」

「おう」

「今から鳥になってもらうから」

 待て。今何て言った?

「左腕の高度計が500フィート位になったらパラシュート開いてね」

「500フィートか。スカイダイビング経験者の俺には……って500フィートてお前……低すぎね?」

「そりゃそうだよHALO降下だもん」

「必要性の説明を求める」

「敵たくさんいるかもしんないじゃん。隠密行動は基本よ?」

「待て待て待て。まあいいか。理由はどうせ……」

「あ、分かった?」

 適当な。

「じゃ、お決まりのセリフ言っとこうか」

 左側にあった壁が開く。うん結構高いね。今一万フィート指してるよ高度計。

「鳥になってこいっ!」

「こんッ……チクショー!!」

 半ばヤケになって飛びだす。凍傷に注意しなきゃならんのだっけか。

 2、3回空中で回転し、ヘッドダウンの要領で降下していく。あ、まさかパラシュートには……

 やっぱりな。500フィートに達し、開かれたパラシュートには見事にFOXと書かれている。コンチクショウ。

 ほう、着地地点は草原か。俺はパラシュートから頃合いを見て体を切り離し、見事に着地した。ヘルメットその他を容赦なくむしり取って外していく。


 あれ? ここからどうすりゃ? とか思ってると、左の胸上部。これまた見覚えある無線機が。

 無線機から呼び出し音が鳴る。一応、近くの岩かげに隠れてしゃがみつつ応答した。律儀な俺。


「や、拓海。無事着陸したようだね?」

「ああ。で、こっからどうすんの?」

「バックパックあるでしょ、そん中に地図とかいろいろ入ってるから。後ヨロシク」

 プツッ。そう言って切りやがったテュポンの野郎。絶対いつか復讐してやる。


 と、とりあえずバックパックを漁る。すると、一枚のメモが入ってる。

『地図にあるデルビ・アリエっつうとこに敵さんの本拠地があるからそこ叩いてくれる? 君の刀、斬鉄剣並みの切れ味だからね。きっと頼もしい武器だと思うよ。あと殺人なんてしたことないだろうから、切りたくない物を切れなくする力もあるから。上手く使いたまえ。もちろん風や雷を付加することもできっから。

 風と雷は自由に使えるからよろしくね。試しに今の内に少し使ってみたらいいかもね。

 で、今疑問に思うのは何故そんなとこに下ろしたかかな? それは至って単純敵の索敵力は人間以上だから。じゃ、気をつけてね。


 あ、そうそうこの世界では人間なんて君ぐらいだから。うん。科学と魔法が入れ替わった世界でもあるからそう覚えといて。つまり敵さん魔法使うよ。君と違って有限だけどね。この世界での君の行動は敵の討伐以外は自由だから。

 幸運を祈る! Good lukc!」


 うんゼウス君、君英語はダメなのかな? cとkが逆だよ。とりあえず目的地はデルビ・アリエか。地図見る限り……ここからずっと西だな。おもむろに立ち上がり、辺りを見回す。コンパスとか支給されんってどういうことよ。とりあえず腕時計使って方位確かめてみた。この世界の常識は知らんがとりあえず進む。とりあえずが多いな俺。まあこの戦い終わったらどうしようかな。とか考えながら俺は西を目指した。あー、いい天気だ。

 はじめましてこんにちは、ジョン.ドゥですフザケタ名前でゴメンナサイ。

 以後、メタルギアネタその他多くなってくるかもです。どうぞお付き合い下さいませ。

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