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花束と笑顔を皇子達に。  作者: はつい
第Ⅲ章:黒の皇子は世界を見る。
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Eager! 皇子は意外に気に入られる。【前】

毎年、エイプリルフールは嘘を何つこうと考えているうちに終わります。

これはこれで平和なんでしょうか?

 ミリィはオリエの入浴に付き合う為にすぐさま部屋を出て行った・・・と。

「で、何故、君もいるの?」

 予定外がもう一つ。

例の決闘女がオレの部屋にいる。

「二人用の部屋を二部屋と聞いたもので。」

 ・・・つまり、何だ?

もしかしなくても、一緒に泊まる気か?

「却下。出て行け。」

「女性にお優しいのか、冷たいのか、不思議なお方ですわね。」

「面倒が嫌いなだけ。」

 大体、何で一人でいたんだ?

「そういえば、従者はどうした?君"も"行くんだろ?」

 恐らく、彼女の目的地はオレと同じだ。

「やはり、トウマさんも行かれるんですね?」

 そんなにやんわりと微笑まれてもな。

「あぁ、だから、悪いがあまり君に関わりたくない。従者達の所へ帰れ。」

 冷静に、冷静に。

「何故ですの?」

 彼女、本当にあの武器を振り回そうとしていた人間と同一人物?

「貴族のお嬢様が、平民出身のオレと一緒にいるとね、問題があるの。」

 今回のオレの設定だ。

オレは貴族に仕えるようになったばかりの従者級に近い平民。

だから、皇族名もない。

一応、完全な平民だと怪しまれるので、貴族名はあるにはあるが。

「問題ですか?」

「問題だね。貴族達にも平民出の者達にも目をつけられる。目立つのは困るんでね。」

 目立ったら、捻じ伏せてやるとかいう発想はない。

労力も使うしな。

動き易い状態でいたいし。

「オレはね、目的があるんだ。」

 ちょっと傷ついたような表情をされたので、仕方なく言い方を変える事にする。

「君たちとは違った目的。貴族として決められた将来の目標とかではなく、絶対に、何をしてでも成し遂げなきゃいけない目的。」

 それしか持ってないからとも言うが。

「手段は選んでられないと?」

 さっきの決闘に割り込んだ時の話をしているのだろうか?

「そうだね。選ぶ余裕が無いというのが正しいかな、今回のは。」

 いてもたってもいられなくて、よりによって兄上の提案なんかに乗っちゃったんだもんなぁ・・・。

「・・・なら、私を、私の貴族としての地位を利用なさって下さって構いません。」

「断ル。」

 即答。

「まず一つは、君にそこまで言われる筋合いが無い。もう一つは、そんな利用の仕方はお断りだ。」

 彼女は完全なる他人で、そして恐らく善人だ。

いくらなんでも、オレにだって良心はある。

「矛盾してらっしゃいませんか?」

「オレは正直、善人とは言えないし強くもない。だから、そこまでの責任を他人にまで持てないだけだ。」

 本当、常に初めてだらけでいっぱいいっぱいなんだから。

「そうですの・・・。」

「・・・まぁ、目的地が一緒なら、今晩くらいはいて構わないよ。」

「本当ですか?!」

 オレ、やっぱり甘いのかなぁ。

「問題は、どう部屋を割るか・・・。」

 信用度をかんがみるに、オレとお嬢様が同部屋が一番いいんだが・・・年頃を考えると、オレとオリエか。

「それは後で決めるか。」

 寝台に適当に座ると、買ってきた二振りの剣を取る。

剣を鞘から抜いて、自分の腕が水平になるように片手で持ち、そのままの姿勢で止まる。

今度は、それを逆の手で。

「何をなさってますの?」

「重さに慣れる作業と、どっちの腕を主体に剣を振るうかを考え中。どっちも今日買ったばかりだから。」

 身体に覚えさせて、考えて修正しなきゃ。

細身の方の剣が少し軽いな、当然か。

それでも細身の方の剣は、ディーンの剣と大差ない重量だ。

御老体の見る目はやっぱり凄かったと、改めて感謝だ。

細い剣は突きを主体に盾との併用を考えるのが有効だろう。

もう一方は、リッヒニドスで使ってた下取りに出した剣と同じくらいの重量。

でも、少し反りがあるから斬撃はこっちだな。

二振りの重さの誤差は少ない。

「流石。」

 剣を鞘に納め、今度は剣帯の点検をする。

「よし、これで大丈夫かな。」

「細かく確認なさるのね。」

 不思議そうな目でオレを見る。

そんなに不思議か?

「君の得物と違って、距離が取れたり速度を帳消しに出来たりしないから。」

 重くないし。

「斬撃の角度まで気にする?相手と刃の入射角度とか。」

「・・・しませんわね。」

 だよね。

ぶっちゃけ、全身鎧に盾持ちが相手だったら鋭利な刃物より、大質量に任せて激突させた方が確実に損傷を与えられる。

「その分、微調整が必要だし、特性の把握は必要なの。」

「勉強になりますわ。」

「と、ミリィとオリエが戻ってきたな。」

「?」

「気配がする。」

「私にはなんとも・・・。」

 ふむ。

もうすぐ足音がはっきりと・・・。

ま、新キャラはあと3、4人くらいですかねぇ・・・。

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