Discover! 皇子は衝撃にただ苦笑する。【後】
一体、何処へ?
て、まぁ、そんな広い店内でもないが。
「ん?ん?」
数歩、進んですぐに立ち止まる。
何だろう?オレ末っ子だからな、下に妹とかいれば多少はわかるんだが。
「何を見せたかったんだ?」
オレは今度こそしゃがんで、オリエの目線の先に合わせようとする。
「どれ?」
じぃっと数本の剣を見つめたままのオリエ。
「これ?」
首を横へ。
「じゃ、これ?・・・も、違う。」
指をさすオリエに対してアレコレ聞きながら。
手間はかかるが仕方ない。
これをひっくるめてオリエだしな。
「あ、コレ?」
ようやくオリエが首を縦に動かして、一振りの剣に辿り着く。
単純な造りの長剣。
全体的に刀身の幅は、普通の長剣よりやや細い。
年代が古いのか、鈍い銀色をした金属でかなりくすんでいる。
柄は細い長方形の単調なモノで、左右は完全な線対称の形。
剣全体が一本の金属の棒のような鋳造型だ。
「コレ、格好いい?似合う?」
剣と試しに腰にあててオリエに見せると、こっくりと頷いて軽い拍手をも頂けた。
「おし、じゃあ、まずコレだ。」
「そんなに簡単に決めちゃっていいんですか?」
驚き半分、呆れ半分でミリィに苦笑される。
「オリエの女の勘を信じようじゃないか。折角、オレの為に選んでくれたんだしなー?」
オリエに同意を求めるとコクコクと何度も頷く。
「本当に可愛いなぁ、オリエは。」
ダメだ。
もうオレ、ベタ惚れ。
舞い上がってます、はい。
一応、オリエの選んだ剣は、手に取るとしっかりと馴染んだにのは確認したよ、勿論。
「お?」
再びオリエが袖を引っ張る。
「今度はなんだ?」
まだ気になるモノがあるんだろうか?
「コレって・・・。」
次にオリエが示したのは、緩やかな湾曲の線を描く刀身の剣。
が、一対。
「オレに・・・コレ?」
思わずオリエに聞き返す。
だって、オレ、彼女の前で一度も双剣を買うとか、使うとか行ってないよな?
言ってない。
じっと彼女の瞳を見る。
「オリエは、オレに似合うと思ったの?」
首を傾げるオリエ。
彼女自身もよくわかっていないという事だろうか?
「とりあえず、コレがいいと思ったんだね?」
彼女が頷くのを確認すると、オレは意を決してその剣を買う事にした。
「えっと、お姉さん!コレ、明日の朝までに使える様に出来る?」
振り向いて女店主に声をかけると、視界一杯に下着姿のお尻が・・・。
「ん?何だって?どうした?」
「いえいえ、素敵なモノが視界に入ったもんで・・・。」
「ははーん、なかなかどうして珍しいね。アタシの尻に欲情してくれるなんてさ。」
「よ、欲情って・・・。」
ニカっと笑う白い歯が眩しい。
「こんな筋肉質の大女の尻見たって、つまらないだろ?」
確かに大きいな。
お尻がじゃないぞ?
平均より体格は大きいし、筋肉もついてて引き締まってる。
でも、それが格好良いんだけれどな。
「それはそれで格好良くて魅力的かと。」
オレの端的な評価は、そんな感じ。
「物好きだねぇ。抱いてみるかい?」
あぁ・・・女性は皆、時に狩人になるってコレか。
「それはそれで興味がそそられはするけど・・・。」
「ダメです!トウマ様!ミランダさんやレイアさんやホリンさん、シルビアさんにだって言いつけちゃいますよ!」
ミリィ、それ反則。
「ラミアさんや、サァラちゃんにも言っちゃうんだから!」
何故、その二人まで・・・。
名前をトウマと言えただけマシか。
「意外とお盛んなんじゃないか。」
「違います。姉が二名と従者二名と、妹と馬鹿一名です。」
誰が何処に分類されるかは、想像に任せる。
「何だい、そりゃ。んで、お願いするとそこに入れるのかい?」
苦笑しながら、女店主はミリィに問う。
「入れません!」
爆笑された。
「とりあえず、コレなんだけれど、明日の朝までに頼めるかい?」
話を打ち切って、元々の話題に強制的に戻す。
「ん?あぁ、大丈夫だよ。」
それから代金の交渉をして前払いを済ませ、オススメの宿を女店主に聞き、部屋を取った。
一部屋で済まそうと思っていたが、予定外にオリエが入った為に二部屋を取る事に変更。
しかし、思った以上に散財したな。
「兄上の用意したお金だけど。」
・・・大概、オレも酷い弟だよナ。
作者、意外とこの女店主(名前はまた後に)好きです(苦笑)
それもかなり。