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花束と笑顔を皇子達に。  作者: はつい
第Ⅱ章:黒の皇子は立ち上がる。
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明断と激怒と黒姫。【前】

別に前後にしなくても良かったのですけれど、まぁ、森はひとつなぎというコトで。

 イライラしたせいか、意外と緊張がほぐれて身体が動くようになった。

いや、慣れかな?

"林檎効果"とでも呼ぶか?

「慣れてきましたね?」

「多少は。」

 単純に慣れなだけだな。

野山を走り回るなんて、全然した事ないもんな。

もし、この州が平和になって、森にも来られるくらいになったら、鍛錬する事にしよう。

「もうそろそろですよ。」

「意外と頑張れたな。」

 良かった、ホリンの前で潰れるような事にならなくて。

「?!ホリン止まれ!」

 今、一瞬、耳障りの悪い音がした。

絶対にした!

「わっ!」

 ホリンの足元に一本の矢が突き刺さる。

「動くな!オマエ達は既に囲まれている!」

 森の中に声がこだまする。

姿は見えないが、確かに気配はある。

恐らく弓矢を打ってきた方向であろう、右隣のホリンの右前。

オレの前方辺りにも。

後に誰かがいる気配はないが・・・木の上辺りにも気配がするな。

「姿を見せずに囲まれてるも何もないだろ?せめて気配くらい出せよ。説得力ないぜ。」

 わざとらしく言ってみせるも、答えが返ってこない。

やっぱりハッタリだったか。

「そうやって騙すのがエルフのやり方で礼儀ってんなら、いいけどな。」

 エルフに偏見なんて全くないうえに、身近にいるのがホリンだけだから、余計にエルフがどんなものか理解出来てないんだよな。

一応、ホリンとザッシュから軽く説明は受けたが。

はぁ・・・ラチがあかない。

「仕方ないなぁ。オレ、エルフがそんなに警戒心が強いとは思わなかったよ。」

 流石、世界で一番有名な引き籠り。

オレは腰に挿したディーンの剣に心の中でごめんと謝ってから、眼前に放り投げた。

「アルム様?!」

 まぁ、そりゃあ、ホリンさんだって驚きますね。

「おーい、これでオレは丸腰だぞー。これで出てこられっかー?」

 こんな所で足踏みしている暇はない。

「ホリン、君も武装を解いて。なるべくギリギリで取れる距離に置くんだ。」

 後半は小さな声で呟いた。

渋々、武装を解除するホリン。

「これならいいだろ?」

 オレの声が森にこだまする。

「人間風情が我等の森に何の用だ?」

 オレの前方から二つの影が現われる。

一人は女性、一人は男性だ。

「ちょっと話相手が欲しくてな。」

 首を竦めるオレに怪訝な顔する金髪・金眼のダークエルフの女性。

当然、黒い肌だ。

鎧に隠されてはいるが、その女性としての肉感的な線は美しく、色彩の配色は神々しくもある。

「人間がダークエルフを話し相手だと?はっ!」

 閉鎖的というより、排他的逆ギレ?

見下されているのは、ありありとわかる。

まるで、何処かの国の貴族みたいだわ。

何処とは言いたくないけれど。

「そう言われてもなぁ・・・。」

 オレは隣にいるホリンを見る。

ほぼ毎日話してるぞ?

「む?オマエは同胞か?」

 多少は驚きはするか・・・。

「我等の同胞が、人間を森に引き入れるなぞ!」

 何か、イラっと来るぞ。

さっきの林檎のせいじゃないよな?

「あ、あの私は・・・。」

「言い訳無用!下等な人間如きの味方などしおって、一族の面汚しが!」

 心臓の音が聞こえる。

多分、オレの鼓動。

なぁ、ホリンは何か悪いコトをしたのか?

いや、悪い事をしたのかも知れないが、何も聞かずに一方的に他者を切り捨てるのは正しいのか?

この扱いは正しいのか?

「誇りすらも捨て去って、人間社会の世俗に塗れた愚か者が。コイツ等を連行しろ!」

 いきなり連行って、犯罪者扱いか?

誇り?何だソレ?

あぁ、鼓動がウルサイな。

周りの雑音も・・・。

なぁ、何で目の前のこの女は、同族のホリンをこんなに見下してんだ?

ホリンは何であんな辛そうな瞳をしてるんだ?

"オレのホリン"は何で・・・なぁ?

誰か・・・誰か教えろよ。

「うわっ!」

 誰か・・・誰か・・・。

「答えてみろよ!」

 宙を舞う黒剣。

剣に触れようとして、思わぬ衝撃を受け蹲る男。

そうだ、ソレは"オレだけの剣"なんだから。

オレ以外の者が持つ事は許さない!

「フッ!」

 剣を取って、蹲る男を蹴り飛ばす。

「違う!」

 オレは叫んでいた。

ブッ飛ばしたいヤツは、コイツじゃない!目の前の女だ!

剣を鞘から抜き、女の剣を弾き飛ばし、それでも勢いは止まらず身体ごとぶつかって樹の幹に叩きつけた。

「一族の面汚しだ?愚か者だぁ?」

 雑音がウルサイ。

「ホリンはな、安穏な世界を出て差別だらけの人間社会で必死に生きてきたんだ・・・引き籠ってるだけで年食ってるオマエ等とは違う!」

 オマエは喋るな黙れ。

一方的に決め付けて言い放ったのはそっちだ。

今度はオレに喋らせろ。

「下等な人間だ?じゃあ、下等な人間にこんな目に合わされてるオマエは、さぞかし偉くて高貴なんだろうな?あ?」

 生まれは誰にも選べないんだよ!

選べんなら、誰もが幸せを願う。

苦しまない道を選ぶ。

「くっ・・・。」

「下等な人間以下になるのが屈辱か?なら・・・。」

 オレは剣を振りかぶる。

剣を握る手が熱くて痛い。

きっと火傷しているんだ。

わかってるよ・・・わかったから・・・。

「アルム様ッ!」

 ホリンまで、そんな声を上げて・・・過保護だろ?

オレは剣を眼下に倒れている女の首筋スレスレに突き降ろした。

そろそろ疲れてきました・・・そんな作者に皆様の愛の手を・・・いや、合いの手でもヲイ

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