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花束と笑顔を皇子達に。  作者: はつい
第Ⅱ章:黒の皇子は立ち上がる。
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報告と明道と指針。【前】

一話にするには長くて、前後にするには短い・・・ダメだ、自分。

別作品【いつ君】も宜しくです。

 エルフの森は四つの集落に分かれているそうだ。

そのそれぞれを現族長・長女・次女が治め、更に族長の母が治める特別区がある。

この城から一番近いのは、娘達の集落だ。

奥の森に単独で忍び込んで行くのは、至難のワザらしい。

よって、接触するのは娘達。

特に次女の集落が堅いらしい。

何故?とホリンに聞いたところ。

『次女のサァラ様が一族内で、一番人間に友好的だからでっす。』

 だそうだ。

話している間にシルビアが帰還し、了承の旨を伝えられ、次にミランダが帰還した。

彼女の用意した防具は、行き先が初めての森という事もあって、軽装用のモノばかり。

勿論、ホリン用の短剣と弓矢も購入してあった。

流石、よい判断です。

「あとは・・・ミリィとザッシュとレイアか・・・。」

 夕食までにと強気の発言をしたはいいが、レイアはとっもかくザッシュの仕事内容は厳しいな。

エルフの森からの帰還後までを期限にしても良かったんだが・・・。

余りの人手の少なさと、人材の優秀っぷりに思わず強気発言をしてしまった。

大体、こんなのオレの仕事じゃないんだからねっ!

「ふぅ・・・思わず、現実逃避しちまったい。」

 明日はオレがしっかりしないと、ホリンの命の危険性があるんだ、気を抜かないようにしないと。

正直、"生殺与奪の権利"という言葉が、頭からチラついて離れない。

周りの皇侯貴族はよくこんなの振りかざしたり出来るな・・・はぁ、ヤダヤダ。

「アルム様。」

 そのうちにレイアが帰還した。

「どうだった?」

「交代の時間まではわかりませんが、兵員と配置はバッチリです。」

 ほら、優秀だろ?

優秀な彼女が、今まで一兵卒で埋もれているってんだから、我が国の人物評価制度はどうなってんのかね、全く。

「アトで兄上に告げ口したろ。」

「は?」

「いや、レイア、何でもないよ。それじゃあ、兵員数の割り当てと配置を図にして、五人分作っておいてくれ。」

 バルドの分が間に合うかは別として。

「レイア、ザッシュ、ミランダには、一両日中に頭に入れておいてもらうからね。」

 大丈夫、大丈夫、優秀だから皆。

きっと、覚えるのが一番遅いのはオレ。

あ、ますます現実逃避したくなってきたわ。

「さて、ザッシュは別としても、ミリィが遅いのは怖いなぁ・・・。」

 ひっじょぉ~に心配だっ!

信じてないワケではないが、その・・・迷子とか・・・お金を落としておろおろとか・・・。

考え出したら、キリの無いくらい不安要素が出るわ、出るわ。

「シルビア、ミランダ、ちょっと半時程、様子を見に町へ出てくれる?」

 うぅ・・・人手不足のハズなのに・・・。

バルドがいない、ダークエルフのホリンは外をうろつけない。

料理人達は、調理場から離れられない。

・・・ぐぬぬ。

絶対に、この先、人員不足で事に当たるなんて事はしないからな!

「ん?つか、そもそもこんな事をやる予定自体無かったんだよな?」

 あれ?

「意外と、オレ、頑張れてる方?」

「いやはや、何というか、そこがアルム様らしいっスよ。」

 パチパチと拍手でもしそうな笑顔のザッシュがそこにはいた。

「だから、こんな事になってるのにねー。」

 にこやかにホリンも笑っている。

「何だ、ソレ?」

 確かに発端は些細な事だったが・・・。

「結局、なんだかんだで、こうなった確実の要因は君達なんだけれど?」

 まぁ、だから何だと言われたら、そこまでなんだけれどね。

選んだのは自分だしな。

「愛ですネ。」

「愛っスね。」

 こらこら、何時の間に共通な反応を起こせるようになったんだ、二人共。

「んで、帰ってきたという事は収穫はあったのかい?」

 ザッシュの帰還は、予想以上に早かった。

ザッシュならば出来ないとは思わなかったが、これは余にもだ。

別に無理だったのならば、それはそれでいいとは思っていたし、もう少し時間を与えてもいいくらいだったんだが・・・。

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