佇まいと交錯と勘違い。(レイア→ミリィ視点)
今回は短くて済みません。
ところで、本当におんにゃにょこ視点って必要ですか?
つか、女は(人によるけれど)こんな簡単に男に惚れたりしないですよ、えぇ。
『そんな女性が素晴らしくないワケがない。』
その方は私をそう評した。
今迄、女性として扱われる時は見下される事ばかりだった。
どんなに訓練しても、評価された事はない。
手合わせして勝ったとしても、女だから手を抜いてやっただの、長剣使いなんて邪道と戦っても意味がないだの。
正直、うんざりしていた。
この仕事だって、先の剣術指南役の存在が大きい。
双剣が正道のこの国で、唯一の例外が復職すると聞いたからだ。
まさか自分が仕える方、しかも皇族が長剣使いだという事実には心底驚いた。
しかし、同時に嬉しかった。
自分が認められた気がして。
昨夜だって、長剣使いを使う事が誇りや決意ならば歓迎すると仰って下さった。
まさしくその通りだったから。
そして、彼は更に言葉を続けた。
否定などしない、と。
我が主は、私の全てをお認め下さっているのだ。
女性としての私も、髪が綺麗だと褒めて下さった。
勿論、騎士としての私も。
それはつまり私の全て。
あの時に肩に置かれた手の温かさを思い出して、胸が熱くなる。
私は私の全てを捧げて、女として騎士として仕えるべき主。
アルム様を見つけたのかも知れない。
いや、アルム様が本当の私を見つけ出して下さったのだ。
そう思ったら胸どころか身体中、顔まで熱くなってまともに顔を見せられなくなってしまった。
『一番抱き心地良さそうだな。』
抱くって・・・夜伽ですか?!
と、言うとかホリンさんやレイアさん、ミランダさん、シルビアさん。
そういう人達より?!
だって、皆、胸が凄く大きいし、抜群の身体つきだし・・・。
私なんて、ちんちくりんのソバカス娘なのに!
あんなに美人揃いの人達の中で・・・。
私が・・・一番・・・。
て、それって皇子って私を抱きたいって事なのかな?
こんなコトを言うなんて、そうなんだよね?
嫌いじゃないんだよね?
どうしよう・・・本当に頼まれたら。
迫られたりしちゃったら。
あー!!
胸がドキドキするよー。
今すぐにでもジタバタと暴れたい気分。
でも!でも!
よく考えてみたら、クビ寸前の私を拾ってくれて・・・。
未だに失敗だってしまくってるのに、怒らない。
勿論、クビにだってされてない。
・・・大恩人だよね・・・・・・。
皇子が望むなら、その、恩返しって、意味で・・・いいかな?
私、他に返せるようなモノ持ってないし。
皇子が私の身体でいいって言うなら、ね?
でも、想像しちゃったりしたら・・・。
「エヘヘ・・・。」
顔が熱いや。