敬虔と微熱とお仕置き。(ミランダ視点)
『ミランダ、あとでお仕置きね。』
「はい。」
お仕置き。
確かに彼はそう言った。
私が連れてきた部下候補の1人が、貴族派。
それも、彼にとっては問題となりうる派の人間だったらしい。
直系ならば、私も気付いたかも知れませんが、所詮は第二皇子付きの侍女。
そこまでの人脈を網羅しているわけではないのです。
彼はすぐにその男を追い返した。
大丈夫。
私もその男の顔を覚えました。
次からは完全に敵と認識致します。
その他の人間は、特にさしたる問題が無かったようで安心しました。
私はこれでも彼の好みは把握しているつもりで、その自負もあります。
ミリィは仕事に関しては今ひとつですが、愛らしく明るい性格で頑張り屋。
案の定、早速からかわれています。
胸も大きい。
基本的に彼も男なので、すべからく好きであろうかと思います。
ホリンは、この国では差別的に扱われやすいダークエルフですが、ざっくばらんな正直さは評価に値します。
まさか、人種的な点が気に入るとは思いませんでしたが、これも彼の心の大きさなのでしょう。
その褐色の肌の美しさを褒めていました。
シルビアはとても清楚で可憐。
私より年上ですが、この城の侍女の中では、一番の巨乳です。
サイズは私よりも確実に上。
当然、彼も気に入るはずです。
料理長は元々が彼のお気に入りですし、その部下も愛嬌があります。
近衛兵のレイアも職務に対する勤勉さと、女性であり長剣使いであるという奇抜さが、いたくお気に入りのようです。
ザッシュは素朴で従順。
また命令のみで動くのではなく、自分で考え迅速かつ的確に物事に対応する能力があります。
ほぼ全員、彼に気に入ってもらえたのだけれど・・・。
【お仕置き】
そう、お仕置き。
私は、彼からお仕置きを受けるらしいのです。
愛しい彼からのお仕置き。
一体、どんな事をされしまうのだろう・・・。
いえ、どんな事でもいいの。
私は何でも受け入れる。
だって、愛しい彼から与えられるモノですもの。
彼が、私の為だけにくれるモノ。
そう考えるだけで、身体が喜びに震えてしまう。
例え、それが罰という形のモノでも。
罰。
その罰だって、私に与えられるのは彼だけ。
世界でたった1人だけ。
どんなことでも、殴られ叩かれようとも痛みと熱が私に与えられるのです。
昨夜なんて、『抱かせて』と言ってくださいましたし、
もしかしたら、本当にめちゃくちゃに蹂躙されてしまうかも。
あぁ・・・身体が熱い。
私が動けなくなるまで、どうぞお仕置きして下さい。
私の愛しいご主人様。
この身体は貴方のモノです。
勿論、心も。
思う存分征服して下さい。
「という事で、解散!」
解散・・・とうとう、この時がっ!
あとは私がお仕置きされるだけ・・・。
もう体の熱と疼きが止まりません。
「ミラ、どうしたの?」
心配そうに見詰める彼。
「あの、お仕置きは?」
彼は呆れ果てたように私を見詰めるだけでした・・・。