朝とオレと女中さん。(序)
あらすじ参照です。
作者、打たれ弱いです。
-朝-
何時もの退屈な朝だった。
どれくらい退屈なのか?
と、問われたら、そうりゃもう何もかも。
こんな日々は、今に始まったものじゃないのだけれど・・・。
ここに至るまでは、本当、紆余曲折あったのだ。
・・・いや、そこまでではないか。
まぁ、それは追々話すとして。
至った結論は2つ。
・第Ⅰ案:自分の国を滅ぼそう。
・第Ⅱ案:諸国を旅して国を滅ぼそう。
・・・。
・・・・・・まぁ、深く突っ込むな。
そういうのも追々話すから。
「アルム様、朝食のお時間でございます。」
ベットから起き上がったオレを呼ぶ侍女さん。
「ありがとう、ミラ。」
濃い赤髪のショートカットに金の瞳、ミランダはオレの乳母姉弟だ。
彼女の母がオレの乳母だった。
その縁で、彼女はそのままオレ担当の侍女になった。
「いえ、私はアルム皇子に仕えるのが仕事ですので。」
恭しく礼をするミランダ。
彼女は昔から生真面目だった。
無駄にオレを第一に考えようとする。
この国では、数少ない思想の持ち主だが、昔からずっと一緒に育ったオレとしては、正直寂しい。
あぁ、皇子というのは、オレはこの国、ヴァンハイト皇国の第二皇子というコトで・・・
一応、名前は【アルム・ディス・ヴァンハイト】という事になっている。
ちょっと周りくどかったな。
この名前は、本人的には余り好きではないんだ。
だって父である国皇が決め、国が決めた名前なんだぜ?
【アルム】は国皇、【ディス】は皇子の冠名で男って意味。
んで、【ヴァンハイト】は国名と。
一応って言った意味は、他にオレ自身が自分につけた名前があるからだ。
その名も【アルム・トウマ・ディス・ディーン】という。
国名もなく、何でこんなにややこしいかというのは、さっきの案に密接に関係してなくもない。
「ミラ、何時か一緒にご飯食べような。」
着替えを終えて部屋を出ようとしたオレは、姉としての親称で彼女の名前を呼んだ。
彼女の名を呼んで、彼女の頬にくちづけをした。
やっぱり、オレの中では彼女は大切な姉で家族だから。
そして、そのまま彼女の返事も表情も見ずにオレは部屋の外に出た。