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episode7 『雑談配信、からの』

episode7

『雑談配信、からの』



[part1]


ミゾレ「引きが弱い!」


テント内に戻り、スヤァのミストとテアの状況に文句を呟く。


<おう……>

<急にどした?>

<どしたん?話きこか?>

<まだ配信やってるのか>

<ミストちゃんテアちゃん映して>


当然、大声で叫んでも観測、認識すらされないミゾレ。


ミゾレ「《龍の眼》使ってもテント周囲には鳥や猫ぐらい……イケメンや美少女魔族の1人でもいりゃいいけど……」


ミゾレ「夜が明けて、街に入って、姉と接して、コーヒースゲェ!そして貴族やなんやら……」


ミゾレ「王道すぎる!」


<王道?>

<いいじゃん>

<テンプレって大事よ>

<疲れた社会にゃテンプレが癒されるんのよ>


ミゾレ「あーダメダメ……オオカミサマがそんな展開許すわけない。あーイケメンコーヒー好き魔王が森を歩いていると元OL女子の転生追放系令嬢美少女とハチ合わせて『この私が魔王の眷属に!?』……みたいなストーリーのほうが刺さったかも……」


<イケメン魔王!?>

<ひでぇ>

<酷すぎるw>

<草>

<なんでイケメン魔王がその辺の森歩いてんだよwww>

<テアちゃん……>


ミゾレ「てなわけで数時間、テントで雑談配信しまーす」


<雑談キタ>

<きちゃ>

<えー>

<百合は?>

<ミストちゃんの寝顔見せろ>


ミゾレはスマホでミストとテアの寝顔を撮影。スースーと寝息を立てている。


<あ〜>

<心が助かる>

<てぇてぇ>

<っぱ百合なんだね>


ミゾレ「同接21人。このまま2人映したほうがいい?」


<いえす>

<ずっと映して>

<ミゾレちゃんの顔もみたい>

<朝まで映して〜>


ミゾレはスマホを浮かせて自撮り。白髮ショートヘアー、虹色メッシュの少女が写る。


<かわいい>

<かわいい>

<かわいい>

<今日もかわいい>

<あー癒される>


ミゾレ「でさー、実際この後どうするん?街に向かわせるのー?」


<うん>

<それしか無いだろ>

<もういっそ帰る?>


ミゾレ「えー」


ミゾレはテント内の端でゴロゴロしている。そして2人を観察。特に変化はないのでまたコメント欄を漁る。


<ミゾレちゃんの武器って名前ある?>


ミゾレ「ある。銃が『雨嵐』。刀が『桜吹雪』」


<おー>

<くっさ>

<黒歴史www>


ミゾレ「治安わりぃー」


ミゾレ「てか、武器も日蝕の一部だし」


<ミゾレちゃん、美味しそう>


ミゾレ「は?」


<うお!>

<変態いる>

<やば>


ミゾレ「モデ(モデレーター)いるんだから発言は注意したほうがいいよー?」


<おい、消されるぞ?>

<オオカミサマ……許して>

<てか銃って弾あんの?>


ミゾレ「あー魔力で撃ってる。一定使いすぎるとリロード必要。魔力チャージね」


ミゾレはリボルバーの短銃をスマホで撮影。


<カッコいい>

<おおー!>

<それいくら?>


ミゾレ「100万マネ」


<ガチ?>


ミゾレ「ウソ。非売品。てか身体の一部だって」


<血も?>


ミゾレ「血がエネルギー源みたいなモンだからね」


<わかる>

<神って身体が資本だからな>

<ミゾちゃんはブッ倒れたことある?俺は昨日やった>


ミゾレ「あー……あるよ。死には死なないけどしばらく気絶やダウンしてる」


<てかミゾレがブッ倒れてる所見たことないな。ぐーたらしてるけどさ>


ミゾレ「『来訪者』ぐらいしかないし」


<あ>

<あ>

<やめろ>

<やばい>

<その話題……>

<ダウンしたらさ、異世界どーなるん?>



ミゾレは少し複雑な表情を迎えて、面倒くさそうに呟く。


ミゾレ「来訪者ンときは……異世界破壊、崩壊……最悪、異世界パージ(追放)」


<(さっき質問してリスナーに対して)お前、新参か?その話題やめろ>

<え?ヤバかった?>

<まずい>

<来訪者はまずい>



ミゾレ「日蝕がさー。身ぃ削って防衛してるんからさー」


ミゾレ「お前らー(下位神)、また前線に行きたくないでしょー?」


ミゾレ「あ、あとリスナー同士の会話は控えてね。疎外感出る人いるから」


<うい>

<前線もーやだ>

<怖すぎ>

<マジで今、平和だよ>




2時間経過。




ミゾレ「あと3時間で夜明けそー」


彼女はあくびをする。


同接は6。


ミストとテアはまだ熟睡中。念のため《龍の眼》を使用、特に魔物等はいない。



ミゾレ「そろそろ終わろっかなー」


<いまきた>←配信よくある

<もう終わるぞ?>

<眠>

<(あくびアイコン)>



ミゾレ「じゃー次枠は……」




『プィーン!プィーン!プィーン!』




ミゾレ「…………?」


G-phoneからけたたましく鳴り響くアラート音。



『プィーン!プィーン!プィーン!』



すぐにスマホを手にする。スマホに文字。





『来訪者が侵入しました』

『推定レベル1』





ミゾレは険しい顔になり、コメント欄を見る。


<どした?>←リスナーにはアラートは聞こえない

<ん?>

<なにかあった?>



ミゾレ「……配信切るよ」



ブチ。



ミゾレはスマホの配信画面を閉じる。そして画面、スクリーンを確認。

画面全体が緑色に変化していた。



ミゾレ「安全(緑色は安全)……でも……確実に……いる」



episode7

END

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