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エリア五 4話『vs終焉の使徒』

ロストナイトの拳が紅く光り輝き、相対するアルマとルビーたちに冷や汗をかかせる。ロストナイトはとある仲間を全てを失った世界線の蠍を元に作られた機械兵を模して作られている。基礎スペックは原種よりも劣るが、その代わりロストナイトには終焉の加護が搭載済み。竜の尻尾に噛まれれば一時的に激痛に悶えるか一時的にどう動くかすら忘れることになるだろう。


ノアを安全なところまで置いてきたジョニーは瞬間移動で戻り、ジョニーも負けじと腕を紅く光り輝く黒の刃に変形させてロストナイトと対峙する。


「何がロストナイトですか、くだらない。貴様如きがこの最上位種に勝てるとでmぐわっはあああああああああああああ!?????」


「ジョニーさん!?」

「…随分お早い退席ね」


ジョニーが黒の刃でロストナイトに攻撃しようとしたその瞬間、ロストナイトの拳がジョニーの顔面にぶちかまされ、いくばくか破片を地面に散らしながらその衝撃でジョニーは宙を舞う。その一瞬の出来事にアルマもルビーも動揺を隠すことができない。


ジョニーが地面へ辿り着くよりも先にロストナイトの追撃がジョニーに直撃し、ジョニーがバラバラの破片へと…


「うりゃー!」

「…!」


アルマがジョニーとロストナイトとの間に割り込み、ロストナイトによる終焉の一撃をなんとか防ぐことに成功した。拳が盾に直撃し発生した硬い音は辺りに響き渡る。だがロストナイトの攻撃は勢いが衰えることを知らない。激しい連撃は防げないことはないが、流石のアルマも焦りを隠せない。ただアルマもアルマで負けてはいられない、その激しい連撃の中タイミングを見計らい反撃を試みようとする。


「あら機械兵さん、そんなに焦ることはなくてよ?」


ルビーが杖からいくつかの光弾を発生させロストナイトへと飛ばしていく。ロストナイトも防御するより避けた方が損害は少ないと判断、右方面に跳ぶことでなんとかその光り輝く魔弾を避けることに成功し、そして反撃として竜の尻尾が伸びルビーに襲いかかる。


「…?」


間一髪で避けられなかったルビーは噛まれても痛くもなんともないことに疑問を抱きつつ、ロストナイトに光魔法での追撃を行おうとした。今ならばロストナイトは体制を崩しており光球も確実に当たるだろう。しかし…


「あ、あれ…!?」


ルビーは杖を構えたが、光魔法をどうやって出すのか、どう発動させるのか、それがなんだったのかが頭から消えていることに気づき混乱。ロストナイトが自分に迫って拳を振り上げていたため、慌てて杖を光の薙刀へと変形させ対処する。拳と薙刀で力が拮抗し、金属音が鳴り響く。だが僅かに薙刀側が力で上回り、ジリジリとロストナイトは追いやられていく。だが、尻尾の竜をお忘れか。


「ギェアアアア!!」

「そりゃさせないっすよ!」


竜がギラリとルビーを睨みつけ今度は激痛を与えようと迫るも、それは高速で割り込んできたアルマによって防がれる。いかなる業も彼の盾を突破することはできない、竜の牙は鈍い音を立てまた戻っていく。劣勢と感じたロストナイトは一度退き、尻尾の竜で地面を刈り取った後それを目眩しとして用いなんとか距離を取ろうとする。しかし…


「あれくらいでこの私を倒せると思わないことです!!」


シャドウロイドのジョニーが戦線復帰し、瞬間移動で背後に回り込み光を反射させながら黒の一閃をロストナイトに繰り出す。いくら最近噛ませとして有名なシャドウロイドでもかつては強キャラ、その攻撃を喰らえば本来ひとたまりもない。ロストナイトはその一太刀を浴び少しばかり怯んだように見えたが、何事もなかったかのように拳を振り上げジョニーを破壊しようと襲いかかる。


「そんなに拳を必死に振り上げて品がないわね」

「瞬間移動はどうやら私の特権のようですね?」


ただそれを擬似終焉の加護の効果時間が切れたルビーが許すことなく、杖を構え光球を発生させ反撃と出る。ロストナイトはそれらを避けることが叶わず光球たちはロストナイトに直撃し黒い煙が上がる。そしてシャドウロイドのジョニーは瞬間移動を駆使し一発だけ竜の尻尾に大きなダメージを与えることに成功した。


「とりゃーっすよ!」

「…!?」


その隙にさらにアルマが突進しロストナイトに多大な損傷を与える。破片が辺りに散らばりながらもまだ倒れないロストナイトは、カウンターとして竜の尻尾を伸びさせアルマに噛み付かせる。ガブリと噛まれたアルマはその小さな竜をなんとか振り払うも…


「ぐっ…」


竜の権能により激痛が襲い掛かり、アルマが苦痛に悶え顔を顰める。それで倒れたりはしないが、その一瞬の隙が命取りとなる。


「排除」

「むぅぅぅ!?」


ロストナイトは紅き拳を振り下ろし、アルマも咄嗟に盾で防御しようとするが間に合わず一発喰らってしまい、さらに追撃に強力な蹴りをお見舞いされる。アルマはその衝撃で宙を舞い、ロストナイトはルビーを竜の尻尾で牽制しもう一発迫撃を加えようとするが…


「ギリギリ間に合いました…!」


なんとかシャドウロイドのジョニーが間一髪で間に合い黒の一閃でその迫撃を一発防禦する。だが一発防ぐので限界、ロストナイトは追撃を加えようとするもジョニーはアルマごと瞬間移動しなんとかその凶拳から免れることに成功する。


だがロストナイトも負けじと竜の一撃を彼らに与えようとするが…


「私のこと、忘れては困るわね」


光の薙刀による強力な一撃で竜の尻尾を斬ることに成功。竜が声にならない悲鳴をあげ地面に零れ落ちる。だがロストナイトはあえて退くことをせず前に出ると決断、ロストナイトはありえない速さでルビーに急接近し殴りかかる。


ルビーは光の薙刀でロストナイトを迎え撃ち激しい攻防戦が繰り広げられる。竜の尻尾を削ぎ落とされだいぶ弱体化したロストナイトであるが、それでもまだ侮ることはできない。


音すら掻き消す異常な暴力性がルビーに襲い掛かり冷や汗が地面に流れる。


「そろそろ決着と行きましょうか?」

「うりゃーーー!!」

 

ルビーがロストナイトを足止めしている間アルマとジョニーがそれぞれ背後から強力な一撃を披露する。黒の一閃と重たい突進…


流石のロストナイトもこれには堪えたようで大量の破片を辺りに散らしながら、それでもまだ機能を停止することなく一度退き体制を整えようと…


「やれやれ…まさかこんなに強いのが雑兵だとは思いたくなかったが」

「!?」


突如背後からアルマでも、ルビーでも、シャドウロイドでもない声が聞こえロストナイトは驚きを隠せない。


計算では勝てないにしても『粘液の執行人』ガルセドールが来るまでの時間稼ぎは十分可能だったはずなのだが、この第三者の参戦でその任務は不可能となる。


「そら、これはもうキツイだろう!?」


ロストナイトの計画を狂わせた彼の名はノア。先程まで洗脳されておりまだしばらくは意識を失っているはずだった勇者である。


予想外に早く戦線復帰したはいいもののまだ堂々と参戦できるほどは回復できていない彼はロストナイトが隙を晒すまで潜伏し、そして今こうして現れたわけだ。


ノアは光の剣でロストナイトを突き刺し、活動に必須の回路が潰される嫌な音が鳴りつつもついにロストナイトの目から光が消え、完全に機能を停止した。ロストナイトは力をなくしだらりと地面に倒れる。

これにて、ロストナイト攻略戦終結である。


だが、まだ安心してはならない。


「まずいわね、この機械兵さん1人倒すのに時間をかけすぎたわ!今すぐ隠れないと」

「と言ってもどこに隠れればいいっすか…!?」

「ここは地面を切り取り隠れるか…!?」


そう、ロストナイトは戦闘開始時位置情報を共有していた、そしてロストナイトを倒すのに時間をかけすぎた…


つまりもう増援がすぐにやってくる、恐らく、今の彼らでは太刀打ちできないほど凶悪で、あえりえないくらい強いのが。


ノアも何が起きるかわかってないながらも危機迫った状況であることを察知、三人でどうするか考えつつも焦りもありいまいち効果的な案が出てこない彼らを横目にシャドウロイドのジョニーは思案しそしてこう結論を出す。


「わかりました、みなさん私のすぐ近くに…ここなら安全なはずです」


「おわ!?」

「これは…なるほどな」

「こんなこともできるのね」


シャドウロイドのジョニーは無理やり彼らを抱えそして三人ごと影に引き摺り込む。本来シャドウロイドは影に隠れ奇襲をすることもできる身だ、だからこうやって隠れることも可能というわけだ。


「おや、ここら辺だと思ったんだけどな…む、ロストナイトがやられてるね。ということは…あー、撒き餌候補もいなくなってるし当然だけどモノセラたちもみんなやられちゃってるな。一足遅かった、と言うべきかな?」


彼らが影に隠れてから刺客がこの地にやってくるまでそう時間はかからなかった。少しでも遅ければ捕捉され全員彼女の粘液に飲まれたことだろう。現れたのは『四ノ厄災』ガルぜドール。見た目は弱そうなスライムだが彼女を侮ってはならない、その粘液は万物を破壊する最強の攻撃力の持ち主だ。


「まあロストナイトを持ち出されても困るし、これは処分だね」


「残骸とはいえ、あの機械兵を一撃で消し炭…っすか」

「ずいぶん厄介なのがこの街にはいるようだな」

「……アリス、大丈夫かしら」


ガルぜドールは一撃でロストナイトの残骸を完全に破壊し、第三者に勝手に持ち出され利用されることのないよう完全に処分する。酸がとびきり硬いはずのボディーをあっという間に溶かし終え、それを見た勇者たちは酷く困惑する。


ロストナイトもかなりの強者であったが…それをあっけなく破壊することができるほどの強さの持ち主が、この街には数多くいることに。


「んー、まだ近くにいるかもしれないね。一応連絡だけとっといて、ボクもこの辺りを探してみるとするか」


ガルセドールはそれだけ言い残すと、その粘液の体をうねらしどこかへと去っていった。


「しばらくはこの影の状態で進みます、よろしいですね?」


「ああ。その方が安全だろうしな」

「あんなのと鉢合わせるなんてまっぴらごめんっすからね」

「今の私たちじゃすぐにやられちゃいそうね〜…」


死の街の保有戦力はまだ未知数、ただし一つ言えることとしては…この街は、平凡な者たちが踏み入れていい場所ではないということだ。


もし踏み入れてしまった場合、すぐに淘汰され、このエリアの名前の通り死を迎えることとなるだろう。だが、彼らはこの街に贖う決意をそれぞれ胸に宿している。そしてそれが、この街の突破につながるということをまだ知る由もない。


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