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新たなる場所と仲間達  作者: サイレン
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第五十四話・決闘

健二と清水さんとの闘いが終わったというのに光に包まれて現実に戻ったはずだというのに、俺と健二だけは戻れずに只単にさっきまでの森林とはうって変わって闘技場の様な場所に変わっているだけだった。

高町

「健二、これは一体どういうことなんだ?」

状況から考えてシステムの異常というわけでは無いようだ、何故なら場所が変わっているし、視界的にも聴覚的にもバグが見当たらないし、最初に倒した清水さんも居ない、ならば考えられる答えは1つだが。

高山

「いや、俺にもわからねぇな、そもそも編入試験のテストを手伝う事自体初めてなんだよ」

(まさか本当にシステムの故障かバグなのか?)

いくら編入試験を手伝うだけの生徒とはいえ教えられている情報が少なすぎる、これではまともな予測や脱出方法が思い付かない。

???

『お前たち、これはシステムのバグでも故障などではなく、これは試験の第二段階だ、第一段階では二対一と不利な状況下でどれだけ動けるかを試し、この第二段階では奇襲も作戦も取れない何もない場所での一騎討ちで純粋な実力を図るテストだ』

完全に脱出に手詰まりだった時に不意に耳元の通信機から真田先生から急にタイマンでの勝負をするように言われたが、その相手の健二は何も聞かされていないらしく事の成り行きを理解していないらしい。

高町

「健二、どうやら今度は俺たち一対一で闘わなきゃいけないらしい」

そう言うと漸く健二は理解したらしく得物の鉄球を構えだした。

高山

「へへ、さっきは油断しちまったけど今度は負けねえぜ!」

高町

「フッ、望むところだと言っておこう」

俺もトリックブレードを抜き放つ。

(大見得切って言ったもののどう闘ったものか、これ以上奥義を使って自分の手の内を曝すのは得策ではないしな)

かといって二度も同じ技を受けることはないだろうし、こちらが攻め手を考えている間に健二は目と鼻の先に居た。

高山

「すきありぃぃ!」

咄嗟にトリックブレードを盾にして防ぐが、力負けをして吹き飛ばされる。

高町

「ぐうっ!」

壁に叩きつけられた直後に痛みを堪えてさっきの闘いではほとんど使わなかったナイフを投げる。

高山

「へっ、そんなの当たってたまるかよ」

それを難なく回避して更に距離を詰めてくる。

高山

「おらぁ!」

さっきの打ち合いでこちらが力負けをしている事はわかっているのでひたすら回避に専念する。

(違う、)

健二の猛攻を回避しながら考える、この言い表せない違和感の原因を。

(違う、これは俺の闘い方じゃない)

感じていた違和感の正体は自分の闘い方だった。

(駄目だ、やっぱり全力を出さなければ俺の様な奴では相手を倒す事は出来ない、手を抜いたり、技の出し惜しみをしたりするわけにはいかない!)

高山

「くそっ、さっきから避けてばっかりかよ、いい加減当たれぇ!」

地面をも砕く一撃を剣で受け流す、直接ガードすると威力が凄まじいが力が逃げるように剣の向きを変えれば高い威力の武器でも勝つことが出来る。

高町

「見せてやるよ、トリックブレードの真の姿を」

一旦距離を取って剣の柄の部分のスイッチを押し、西洋の剣の様な太さの剣は真っ二つになるように別れ双剣に姿を変える。

高町

「これがトリックブレードの真の姿だ!」

健二は一瞬呆気にとられていたが直ぐに調子を取り戻し振りかぶる。

高町

「させるか!」

鉄球を振り上げた瞬間即座にナイフを投げて鉄球に当てて攻撃のモーションをストップさせる、その間に懐に飛び込み、氣を限界まで放出する。

高町

「これが奥義、轟波十文字(ごうはじゅうもんじ)と言うものだ!!」

斬りつけてから間もなく光に包まれたのでどうやら即死するぐらいのダメージだったらしい。

真田

『高山健二、討死!』

その言葉を聞いてあまりにも疲れていたので今度は自分から意識を手放した。

〜〜〜side高町end〜〜〜



―第五十四話―

―決闘―

―完―

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