第五十話・平和な日々
今回結構説明を省いている気がするんですがこれぐらいで良いんでしょうか? もしこれぐらいアバウトで良いならこれぐらいで書きたいと思います。
目が覚めて時計を見ればいつの間にか昼の1時になっていた。
高町
「こんな時間に起きたんだったら朝飯を買う意味が無かったな…」
自分の愚かさに苦笑しながらデパートに行く準備を始めて部屋を出て
正面玄関を出て門を潜ってバイクの所まで向かい、エンジンをかけて発車する
バイクを走らせること約1時間、道は前に行った時にある程度覚えていたのでどうにか着いた、館から西に向かって走り、初めて三沢と会い、ゴリラの妖魔を倒した清涼公園、白砂達に会い、犬の妖魔を麻布達と共闘して倒した光風公園を横切ると大きな建物が見えるので、そこが目標のデパート見えた。
高町
「あれがあの時行ったデパートだな、だが名前はなんだったか思いだせん」
フロアや何階建てかは覚えているが、名前までは特に気にしてなかったから何に覚えていなかった。
バイクを駐輪場に停めて中に入る、入る前にデパートの名前を確認するとサイクル佐藤と書いてあった。
高町
「…………」
どうやら別の場所と間違えたようだ、その左隣を見ると今度はサイクル田中と書いてあった。
高町
「……………」
その左隣を見てもサイクル吉田、その左隣はサイクル加藤、その左隣はサイクル木村、その左隣はサイクル山田、とにかくサイクル○○ばかりで何一つサイクル○○以外が無かった。
ふとサイクル佐藤の右隣を見ると、赤い字でアートアンと書いてあった。
少女
「お母さん、アートアンで玩具買ってよー」
子連れの母親
「駄目よ、先週買ってあげたばかりでしょ?」
少女
「えー」
そのままデパートを横切り親子は町の北側に向かって歩いていった。
高町
「どうやらデパートの名前はアートアンで良いみたいだな」
逆にそれを認めないとサイクル○○のどれかになりそうなので無理やりにでもそう認識しておいた。
アートアンに入り、そのままフードコートを横切り真っ直ぐ進み、食料品コーナーに向かうのだが………
高町
「やっぱり予想通りこうなるか………」
辺りを見渡しても人、人、人の大群、食料品コーナーは今まで見た場所より広いが、そこが大量に人で埋め尽くされるということはそれだけここぐらいしか買う場所が無いか、休日だから人が多いかのどちらかだ
高町
「なんにせよ行くしかないということか」
働かざる者食うべからずと言うわけではないが、行動しないと何一つ変わることはない、いくら嫌でも行動するしかないか。
しぶしぶ集団に突っ込んでいき、商品を見ていくが次々に別の買い物かごに入れられゆっくり見て回る暇すらない。
高町
「くそっ、痛てぇ、後で覚えてろよ」
肩がぶつかったり、押されたり最終的には殴られたりしている、子供たちは親が買い物に夢中の様なのでどんどんはぐれていく。
『ピンポンパンポン、○○からお越しの斎藤様、お子さまの勇くんがサービスカウンターにてお待ちしております、至急お越しください、繰り返します……』
そんな感じの迷子を知らせるアナウンスがさっきから流れっぱなしだ。
(まったく、自分が連れてきたんだからしっかり見ておけよ)
次々と色んな商品をかごに入れながら見て回っていると、ふと見たことがある顔を見つけた。
高町
「おい、相沢いったい何してんだ?」
周囲をキョロキョロと見回し、まるで誰かを探しているような感じだったが、俺を見た瞬間『急死に一生を得た』ような顔をして駆け寄ってくる。
悠子
「うわぁぁぁん、高町さん助かりました、どうなっちゃうかと思いました」
涙目のまま俺に飛び込んでくる相沢を避けるわけにはいかずに仕方なく受け止めてから引き離す。
高町
「お、おいいきなりどうしたんだ!?」
このままでは俺が泣かせたみたいに見えてしまう、一旦相沢と一緒に混んでいる食料品コーナーから出てフードコートでゆっくりと話を聞くことにした。
高町
「それで、いったいどうしたっていうんだよ、いきなり飛び付いてきて」
ひとまず落ち着くためにフードコートの隅の椅子に相沢を座らせ、注文したポテトを目の前に置く。
悠子
「ありがとうございます、私いきなり取り乱しちゃってごめんなさい」
2人で買ってきたポテトをつまみながら何故あんな風に泣いていたのかをゆっくりと話し合う。
高町
「それで、お前が泣いてたのは只単に三沢達とはぐれて不安になっていた時に俺を見つけて安心のあまりに泣いたと」
悠子
「ぅぅ、はい」
俺は大きく溜め息をつき、最近溜め息をついてばかりだなと苦笑しながら見失った三沢達を探しに再び食料品コーナーに戻ってきた
高町
「はぐれてないように、しっかり着いてこいよ」
後ろに居る相沢に声をかけると『はい、わかりました』と言っていきなり手を握ってくる。
高町
「なっ、おい、いきなりなにしてんだ」
動揺を悟らせないように出来るだけ平然と言うが内心心臓が高鳴っている、いきなり女性、それもかなり可愛い方の子にいきなり手を握られるのだから、驚くなというほうが無茶だ。
悠子
「え? これなら絶対はぐれないからと思ったからしたんですけど、何か悪かったですか?」
高町・???
「大有りだ、だいたい―(あー!! 高町が悠子ちゃんとラブラブだ)」
言わんこっちゃない、その決定的な瞬間を今一番見られたくない相手の三沢に見られたのだから。
(さて、いったいどう弁解したものか)
未だに手を握って放心している相沢と後からやって来た三沢と渡辺を嫌々フードコートに連れてって夕飯を奢ることになり、結局あまり食料品を買えなかった散々な1日だった。
〜〜〜side高町end〜〜〜
―第五十話―
―平和な日々―
―完―
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