第三十九話共同戦線・前編
中々思った通りに書けない作者です、次回こそは戦闘になります。
俺は今日ぐらいは妖魔などが出てこないと思い、出てきたとしても闘いを『銀の牙』に任せて寝ようと思い、実際寝ていた、しかしそれを妨害しやがった奴がいる、そう、その『銀の牙』の隊員の三沢無亜と麻布秋那だ。
今あの二人は俺がしっかりと眠る事の大切さを教えて謝らせたが、完全に意識が飛んでいる。
(木の上で寝てたら風で吹き飛ばされるは、その後ナイフを投げられるはで酷い目に合ったな、いつか必ず復讐してやる、それよりあの女(麻布秋那)はやはりあの麻布か、過去に相棒として組んで、俺と共に『あの男』と同じ部隊に居たあの麻布、ならばこの地にいるのか? 『戦慄の迅雷』)
???
「・・え、ね・聞いてるの!? 駄目だこりゃ、よーし、見てなさいよ!」
(??? 誰が呼んでるんだ、ボーとしすぎたな、さて、とぉ!?)
意識を思考から戻そうとしたら背中に衝撃が走った
高町
「痛ってぇな、いきなり何をする、人に飛び蹴りを咬ますなんて一体どういう教育をされたんだか」
俺が思考から抜け出そうとした瞬間に三沢が俺に飛び蹴りを咬まし、そのせいで激痛に悩まされ、背中を擦っていると麻布が声を掛けてくる。
秋那
「君は何故木の上になんて居たんだ?」
高町
「ああ、その事かそれは渡辺の家で新しい家を借りようとしていたんだが、上手くいかなくてな、それで泊まる場所も見当たらないから仕方なくこの辺りで寝てただけだ」
一応説明しておくが、このままだと質問責めになるのは間違いないので、逆にこちらが質問をする。
高町
「こちらは一応説明したが、次はお前らだ、お前らこそこんな所にこんな時間に、しかもそんな物騒な物を持って何をしているんだ? 全てを話せとは言わんが、ナイフを投げられたのだから、少しぐらい納得のいく説明をしてくれ」
おそらくこの質問は銀の牙にとって答えにくい質問のはずだ、何故なら表の社会に出てこない銀の牙の事を言ってもわかるわけがないし、下手に言ったりも出来ないので、かなり苦しい質問のはずだ。
無亜
「わ、私たちは―」
秋那
「私たちは武術の特訓をしていたんだ」
三沢の台詞に麻布が即座に被せる。
(なるほど、だがその返しをするには状況を考えても少しキツいぞ)
高町
「そんな明らかに人を殺傷出来る物でか?」
その言い訳は苦しすぎた、麻布の手には槍が握られている、もしも昔と同じアービナルならば『バリエース』、三沢の手には五本ほどの投げナイフと思われるアービナルがある。
秋那
「これは緊張感を保たせる為に持っているんだ、無亜は緊張感が崩れると一気に集中力が落ちるから」
無亜
「そ、そうそう」
麻布の説明にブンブンと首を上下させる三沢、確かに説明に説得力はある、これなら信用するだろう、銀の牙を知らない者ならば、しかし俺は知っているし、長くはないが、そこに入隊していた時期も有った、それゆえにそれが嘘だとわかってしまう。
高町
「なるほど、よっぽど大変な事のようだな、これ以上の追求はもうしないから安心しろ」
それを聞くと三沢たちは安堵の表情を浮かべた。
(本当にわかりやすいな)
無亜
「じゃあ、私たちは帰るから、バイバイ」
秋那
「サラバだ」
そう言って走り去ろうとする方向から何かが吠えるような音がする。
無亜
「な、何!?」
秋那
「これはまさか…」
ここには結界が張ってあるから動けるのは魔力に対して抵抗力がある者のみだ、普通人はこんなに吠えたりしない、だとすれば考えられるのは一つしかない。
???
「わぉぉーん!!」
茂みから俺に向かって何かが飛びかかってくる、俺はそれを難なく避けると、それはまた近くの茂みに入り込んだ。
秋那
「高町、逃げろ!!」
その何かとは、犬のような妖魔で、先ほどは俺を食い殺そうとしたようだ。
犬の妖魔
「あぉぉぉーん!」
数が増えて三沢たちを取り囲んでいく。
俺のほうも四体ほど現れて周囲を囲んだ。
高町
「仕方ないな、闘う気はないが挑んだからにはただで終わると思うな」
苦手だが、意外と使える事がわかった木の双剣を腰から抜き構える。
ここに、共闘作戦が始まった
〜〜〜side高町end〜〜〜
―第三十九話―
―共同戦線・前編―
―完―