第三十七話・二面作戦前編
今回も戦闘シーンが短いです、もっと上手く書きたいですね、本当に。
〜〜〜side渡辺〜〜〜
渡辺
「さてと、相沢さんさっさと行ってさっさと終わらせようぜ!」
そう言って俺は相方の相沢さんに勢いをつかせる、相沢さんとは戦術などからしてコンビを組んで妖魔を倒しに行くことが多いからある程度扱いにも慣れているからな、相沢さんって強いんだけど、元々戦うことが嫌いだったり、怖がりだから最初のころはびくびくと怯えたりしてたけど、今はだいぶマシになってきたから大丈夫なはずだな。
悠子
「はっ、はひ!」
意気込み過ぎて噛んでるし、本当に大丈夫か…?
とりあえず俺たちは魔力の反応があった付近を散策する、俺は魔力探知は苦手だけど、相沢さんは魔力探知がとても上手いから、ほとんど不意打ちを食らうことはないはずだな。
渡辺
「相沢さん、魔力の反応はどうだ? なんかいる?」
ある程度辺りを散策してみけど、妖魔なんて一匹も見つからないからこういう時は相沢さんの出番だな。
悠子
「ちょっ、ちょっと待っててください」
相沢さんは目を閉じて瞑想する、辺りを静寂が支配して夜の闇も更に深くなる気がした。
悠子
「居ました、私たちの後ろの建物の陰に一体、それと前方に二体居ます、あわわ、私たち、挟まれています!!」
(うげっ、だったら先に数の多い方から倒してやるぜ)
渡辺
「相沢さん、まずは前方の二体を倒して数を減らそう」
さっさと倒せば挟まれてても問題ないだろ。
悠子
「え? そ、それより先に一体の方を倒して挟撃を破りませんか? 集中して戦えませんよ」
(うーん、相沢さんの言ってることは分かるんだけど数を減らした方がいい気がするんだけどなぁ、まぁ作戦を考えるのは相沢さんだから良いか)
渡辺
「じゃあどっちが二匹の方を倒すんだ?」
俺の言葉に慌ててブンブンと首を横に振る。
悠子
「ち、違います、先に挟撃を破るんですから無理をせずに、足止めだけで良いんです、無理に倒す必要はないです、だから私があの二匹を足止めしますから渡辺くんは後ろの一匹をお願いします」
なら俺が直ぐに倒せば問題無いってことか、よし善は急げだ、一気に行くぜ!
渡辺
「わかった、じゃあ先に行くぜ、来い!!アービナル、『ローラーブレイド』ぉぉぉ!!」
ポケットに入っているアービナルの媒体となる小さな小物位のナイフを取り出し構えるとそこから俺のアービナル、ローラーブレイドが現れる。
悠子
「あの、渡辺くんもう少しそのネーミングセンスなんとかなりませんか? 大きな剣にローラーが付いてるからだけで『ローラーブレイド』なんて安直過ぎです、可哀想ですよ」
そんな風に言われるが、どう考えてもこれ以上の良い名前なんてないと思うんだけどな…
そんなこと言ってる内に犬の様な妖魔の一匹が近づいて来ていたがそれを相沢さんがアッパーで顎の部分を殴り、吹き飛ばす。
(こ、恐ぇぇぇぇ、あの威力をアービナル無しで出せるんだから、あれでアービナルが付いたら…)
想像するのも恐ろしいからしないが、出来る限り相沢さんを怒らせないように密かに誓った。
悠子
「ここは私に任せて、向こうはお願いします」
渡辺
「は、はぃぃ!!」
思わず敬礼して背後にいるはずの妖魔に走って近づき、襲い掛かってくる前に首を撥ね飛ばし、それが絶命したのを確認してから相沢さんの所まで戻ると、二匹の内の一匹は死ぬ寸前でもう一匹も少しだがダメージを負っていた。
渡辺
「相沢さん、こっちは終わったぜ相沢さんは死にかけを、俺はあの手負いの方を倒す」
悠子
「わかりました、敵が手負いでも気をつけてください」
う、それぐらいわかってるよさすがにな。
渡辺
「わかってるよ、行くぜぇローラーブレイド、フルパワーで行くぜ!!」
魔力を一気に剣に注ぎ込むと剣に付いてるローラーがキュイインと音を発てながら回りだす、そのまま近づき真上から振り下ろす。
渡辺
「必殺、『泰山崩壊』(たいざんほうかい)!!」
その一撃により、妖魔は真っ二つに切り開かれ、光と共に消えて行く。
悠子
「私も負けません、秘技、『絶翔』(ぜっしょう)」
それにより傷だらけの妖魔は真下から繰り出される衝撃に回避も出来ずに直撃して、宙を舞い落ちると同時に光となって消えた。
渡辺
「よっしゃあ、これで終わりだぜ!」
ガッツポーズをして喜んでいると舘内さんから連絡が来る。
舘内
『渡辺、そちらは終わったか? 終わったらさっさと戻って来てくれ、まだ話の続きがある』
舘内さんはそれだけ言って通信を切ってしまった。
悠子
「じゃあ舘内隊長が言う通り戻って無亜ちゃん達を待ちましょう」
そう提案して来たのでそれに乗り、さっさと簡易転送器を使い、光になりその場を後にした。
〜〜〜side渡辺end〜〜〜
―第三十七話―
―二面作戦・前編―
―完―
次回は後編で無亜達の視点です。