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新たなる場所と仲間達  作者: サイレン
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第三十話・朝霧・白砂中編

今回も戦闘シーンがあまりなくてすみません、次回はしっかり入れていきたいと思います。

先ほど金髪のチビ女と渡辺に休戦させるために投げた石ころのせいでこんなことになるなんてな…

ヒュッ! シュッ!

(あのチビに石ころ投げて何か言ってからいきなり襲ってきたということは、俺があのチビに危害を加える奴だと思ったんだろうな、こっちにそんな気はないってことを伝えんのにどうするか考えねぇとな)

ちなみにさっきから当たる寸前で回避か、攻撃の衝撃をずらして凌いでいるが、手がヒリヒリしてきているので手の限界はそう遠くないだろう。

(距離をとって拾った石を投げようにも向こうのスピードが速いから直ぐに距離を詰められるから無理か、ならば!)

今俺のコートの中には二十本程の投擲用(とうてきよう)の木刀が入っている、元々この木刀やコートは妖魔達との闘いの時に非常用に持っている物なので木刀の方は、小型で壊れやすいが、先が尖っているので人に対して下手に当たれば大怪我に繋がる可能性がある物だ、出来れば使いたくはないが、状況が状況だ、向こうは殺気の篭った一撃を腹や顔に対して放つ、こちらも運が悪ければ骨の一本は持ってかれる程の威力が有るだろう、その為牽制、主に動きを止める為に使うとしてコートは色んな武器を収納出来る様したり、衝撃を防ぐ為に固い素材を使ったり、魔力による強化されている改造用具だ、しかしこれだけ有っても止められない、接近戦を挑もうにも手が痛むから防御もほとんどと言って良いほど無理だ。

他に有るものと言えば玩具のエアーガンと渡辺と模擬戦をした後に捨て忘れた二本の木刀、やはり苦手な双剣のスタイルで闘うしかないだろう、エアーガンは弾のセットも調整もしてないから使えない、いや、それ以前にあの速さでは打ち落とされるか、避けられその後の反撃でアウトだろう

(だとすれば、使えそうな作戦は一つだけだな)

それは相手がトップスピードになる前に投擲用の木を投げて足止めしつつ隙を狙って一撃を叩き込む、というぐらいだろう、接近されている時には双剣で防ぎつつ闘うしかないだろう。

(よし、覚悟を決めて…行くぞ!高町瞭参る!!)

まず足に気を溜めて放出する。

高町

「奥義、活足!」

言葉と共に相手の脇を通り抜ける。

即座にコートの内側にある二本の木刀を構える。

高町

「さぁ、ここからだ」

無口な女

「制裁を…」

二本の木刀と拳がここにぶつかり合う。

〜〜〜side高町end〜〜〜

〜〜〜side秋那〜〜〜

渡辺

「うぉぉぉ!」

気合いと共に渡辺は拳を朝霧に叩き込むが、

ギィン!!

その拳は朝霧に届くことなく、朝霧の持つ鉄扇(てっせん)に防がれる。

渡辺

「いってぇ、朝霧汚えぞ、いくら4対1だったとしても自分の武術を活かせる鉄扇を使うなんて反則だろこっちは無手だぞ!」

(いや、それは向こうは悪くないだろう、それにこっちには…)

晶子

「何を言いますの!?貴方達人数が多い上に、徒手空拳の使い手がいるじゃない、それに渡辺と悠子さんは無手でも、麻布さんと無亜に至っては落ちてる石ころを拾ったり、木の枝を持って武器にしている時点で、無手ではありませんわ、貴方達卑怯ですわよ、四人掛かりでこの私に武器を使って闘うなんてせ、せめて1対1にしなさい」

最初こそ勢いが有ったが、私たちが武器を持って勝てないと踏んだのだろう、1対1を要求してきた。

まっとうな人ならばこの要求を飲むだろうが、私はそんなに甘くはない、他の三人は知らないが。

秋那

「ふっふっふっ、私がそんな隙を狙わないと思ったか? 普通に考えてそんな要求飲むわけないだろう、私はそれをわかった上であえてその勝負を受けたんだから」

他の三人が私を見て軽く震えていたのは間違いだろう、そうに決まっている。

晶子

「お、お待ちなさい、4対1なんて…、そうよ、そこのアホ女! 貴方がこの私と1対1で闘いなさい、もし受けないなら私は貴方を永遠に卑怯者と呼びますわ、それでよくて?」

そう言って無亜を指差すが、恐らくいくら短気な無亜でもさすがにこんな手には引っ掛からないだろう。

しかし、そう思ったのが間違いだった。

無亜

「良いわ、受けてやろうじゃないの、アンタなんて小指一本で充分よ」

無亜以外の一同

「なっ!?」

これには挑発した朝霧もビックリしていた、それもそうだろう、まさかこんな手に引っ掛かるとは。

悠子

「な、何言ってるんですか!? まず闘い事態駄目ですよ」

(それを今さら言うか? 言うなら始まる前に言えば良いものを…)

渡辺

「おい、お前なぁ、いくらさっき高町と模擬戦出来なかったからってそんなのひきょ――うぉっ!」

言ってる途中で渡辺の顔を何かが掠めた。

無亜は石を持ちながらニコニコと渡辺を見ていた。

無亜

「なーんのこと? 今何を言おうとしたの? ねぇ、渡辺」

渡辺

「うっあ」

何か反論しようとしているが、恐怖で言葉が出ないのだろう、口をパクパクさせている。

無亜

「何かな? 怒らないから言ってくれない!?」

渡辺

「な、何でもないであります!!」

ビシッと敬礼をして無亜に答える渡辺、無亜、恐ろしい子…

無亜

「秋那ちゃんも悠子ちゃんも問題ないわよね?」

見た感じは笑っているが、あの笑いは何か恐怖を煽るものが潜んでいる、さっきの渡辺の思いが良くわかった。

秋那・悠子

「ああ、(は、はい)問題ないです!」

私たちも無亜に敬礼をして答えた。

無亜

「よーし、皆のオッケーも貰ったし、じゃあかかってきなさい『ちびっこお姫様』」

晶子

「何ですって!? 貴女だって私と身長変わらないくせに、『壁女』が生意気ですわ」

その時、ブチッと何かが切れる音がした。

無亜

「いいわ、少しぐらい手加減してあげようかなぁ、て思ったけど、決めた、アンタは潰す!!」

晶子

「望むところですわ、逆に一秒で返り討ちにしてあげましょう、でもここじゃ迷惑になりますから、向こうでやりましょう、渡辺!貴方は私たちの勝負を見届けなさい」

先ほどの『ちびっこお姫様』や『壁女』は朝霧の場合はちっちゃくて、お姫様みたいに高圧的で偉そうだから着いたあだ名が『ちびっこお姫様』で、無亜の場合は胸の発育が残念だから『壁女』とついた。

そんなことを思ってる内に渡辺は朝霧と無亜に引きずられて、二人は渡辺を引きずりながら黒い笑みを浮かべて笑い合っていた。

そして後には私と悠子が残った、何にもしないのも暇なので白砂さんから逃げた高町を捜すことにした。

秋那

「ねえ、悠子」

悠子

「はい? 何ですか?」

秋那

「私は今から白砂さんが追っている高町を捜しに行こうと思うんだが、君はどうする?」

悠子

「あ、あー!高町さんのことすっかり忘れてました、急いで捜しましょう」

そう言って私たちは高町が逃げた方へ向かった。

〜〜〜side秋那end〜〜〜



―第三十話―

―朝霧・白砂中編―

―完―

こんばんは、次回の投稿は二日後の木曜日にしたいと思います。


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