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新たなる場所と仲間達  作者: サイレン
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第二十八話・戦士vs剣士

何だかこれで良いのかよくわかりません、何かあっさり終わってしまった感じです。

〜〜〜side秋那〜〜〜

今私たちの目の前で高町と渡辺の模擬戦が繰り広げられている。

渡辺

「くっそ、これでも、くらいやがれ!」

フォンッ!

渡辺の攻撃は先ほどから風を切る音しか聞こえていない、一方高町はその攻撃を避けているだけだ。

(おかしい、先ほどから渡辺は隙ばかりあるというのに、何故攻撃をしないんだ…? あれではまるで剣との打ち合いを嫌がっているようじゃないか)

そこで一旦思考の海から抜け出し、再び闘いを観戦を続ける。

無亜

「いけー渡辺、高町なんてぶっ飛ばして星の彼方まで飛ばしちゃえー!」

無亜はどうやら、自分は模擬戦を断られたのに、渡辺との模擬戦を承諾したことに、腹をたてているのか渡辺の応援ばかりしている

悠子

「わわっ、だ、駄目ですよ無亜ちゃんそんなこと言っちゃあ」

無亜のブーイングを必死に止めようとする悠子だったが、無亜が相手ではどうしようもないだろう。

秋那

「無亜」

無亜

「何よ、秋那ちゃん、私のブーイング活動を止めようっていうの?」

そう言って私を睨み付けるが私の要件は違う。

秋那

「そんなことじゃない、それより私をちゃん付けで呼ぶなと言ってるだろう、まあ、そんなことより高町は拳士ではなかったのか? あれでは拳士ではなく剣士じゃないか」

無亜

「私にもわからないわよ、アイツチンピラと喧嘩みたいなのになった時は確かに素手だったのに」

(無亜の言ったことから考えると高町は拳士ではなく本当は剣士と言うことになる、無亜が今朝言っていたあの黒衣の男は剣を使っていた、その点高町は黒衣で剣士、それにかなり腕がたつ、まさか高町があの黒衣の男なのか…? いや、まさかな…)

そこまで考え思考を閉じる、明らかに考えすぎだ、もし高町が黒衣の男だったら、無亜の前で武術を行使する訳がない。

そう自分に言い聞かせてまた闘いに目を向けた。

〜〜〜side秋那end〜〜〜

(渡辺の動きをしっかりと見極めろ、ふっ、よっと、はっ、甘い!)

渡辺の攻撃を避けつつ、少しずつ体が渡辺の動きに慣れてきたのか、攻撃の予測も当たってきている。

だが、まだ攻撃はしない、いや出来ない何故なら今俺が使っている木刀は強化しているとはいえヒビが入っていて、渡辺の攻撃は遅いが、威力は強力だ、防がれたあとに反撃でもされれば確実に剣は折られる筈だ

それ故に一撃必殺を狙うしかない。

渡辺

「いつまでも、逃げんじゃねえ!!」

ゴウッ!

ものすごい音と共に大剣を一閃させる。

こんなものをヒビが入った、剣で受け止めれば確実に折られるだろう。

高町

「ふぅ、どうした、俺ごときにも当てることが出来んのか? そんな事ではまだまだ甘いな」

ここでとるべき策は敢えて渡辺を怒らせる、怒りは人の動きを単調にさせる、単調な動きは隙が出来やすく大振りになる、そうすればこちらにも勝機が出来る

渡辺

「何だとぉー!」

予想通り怒ってくれた、だが勝負はここからだ、相手の太刀筋を見切り、一瞬の隙を活足なしで近寄り、剣を弾くか、一撃を叩き込む、こちらに打つ手が有るとすればそれだけだ。

(だが、剣が折れればまた別の闘い方が出来るんだがな…、これはある意味秘策と言える戦術だからな)

先ほどより、剣の太刀筋が荒くなり、だんだん隙が見えてきた。

(そろそろだな)

一旦地面を蹴り、大きく後退する。

高町

「さて、そろそろ終わらせてもらう」

渡辺

「お前の敗けでな!」

一気に加速して、接近してくる渡辺だが、その行動は既に予測済みだ。

渡辺

「うぉぉぉー!」

気合いと共に突っ込んでくる、その一振りを紙一重で避ける事に成功したので即座に反撃に転じる。

高町

「これで―っつ!?」

しくじった、そう思った時にはもう遅く、渡辺に突きを放とうと踏み込んだ時に地面に有った微妙な段差に足をとられてしまった

渡辺

「俺の、勝ちだ!!」

言葉と共に一閃する、当たれば確実に大怪我か、大怪我の一歩手前だろう、回避しようにも、今からでは間に合わない。

(ならば一か八か、ヒビが入った剣『これ』で防ぐしかない!)

高町

「はぁぁぁ!」

ガギンッ!

互いの得物がぶつかり合いものすごい音がなり、同時にかなりの衝撃が伝わってきて俺は吹き飛ばされる、だが剣はなんとか耐えてくれたが、今は吹き飛ばされて直ぐに折れてしまった

(こうなったら、アレを使うしかないか)

折れてしまったもう一本の木刀の片割れを拾い、即座に二刀に構え直す。

渡辺

「え? お前剣士じゃないのか?」

俺の構えに対してそんな反応を示すが俺は剣士でも拳士でもない俺は―

高町

「俺は拳士でも剣士でもない、当てはまるとすれば俺は戦士だ!」

そう宣言する。

渡辺の顔は多少の驚きは見られたものの、

渡辺

「剣士だろうと戦士だろうと勝つだけだぜ!」

そう言い返した直後ダッシュでこちらに接近する。

高町

「甘い!」

こちらにも考えなく二刀に持ち変えた訳ではない、しっかりと考えが有って持ち変えたのだ。

気は使えないが、こちらも渡辺に接近する、渡辺は驚愕の表情をするが、直ぐに気を取り直して、剣を振り上げる。

渡辺

「うぉぉぉー!」

気合いと共に振り下ろされるが、今度は先ほどまでとは違い、二本を十字にして防ぐ、衝撃は来るが、一本の時とは違い、二つの方向に衝撃をずらしているのでたいしたことはない。

高町

「はぁぁぁー!!」

渡辺が驚いている隙に渡辺の剣を弾き飛ばし、一本を渡辺の首もとに向けて、こう宣言する。

高町

「これで終わりだ!」

渡辺

「参ったよ、俺の敗け、降参だよ! あー、敗けたー! 惜しかったんだけどなぁー」

そう言って渡辺は地面に倒れ込んだ。

渡辺

「くっそー、だいたい何だよ!? 一刀流も使えて、二刀流も使えるって反則だろ、ほんと」

高町

「そんなこと言われてもな、一応二刀流はかなり苦手な闘い方なんだがな」

そこまで言った所で、観戦していた三人組がくる。

無亜

「アンタって思ってた以上に凄いのね、今度模擬戦する時がすごく楽しみになってきたわ」

(俺としては、あまり楽しみではないんだがな)

そう思うが、決して口には出さない、出してはいけない、出せば何を言われるかわかったもんじゃない。

高町

「ああ、一応楽しみにさせてもらうが、そう易々と勝ちは譲らんがな」

悠子

「高町さんって、素手でも闘えて、一刀流や二刀流でも闘えるんですね」

相沢が少し驚いたように言っていた。

だがそれは当然の反応だろう、普通武術では沢山の武器を極めることはせずに一つの武器のみを極めるのだから、その点では俺の武術『雲月流』は一つの武器ではなくありとあらゆる武器や手段を用いて相手を倒す武術なのだから異端な武術と言っても過言ではない

高町

「ああ、俺が昔習った武術は何か一つを極めるのではなく、あらゆることを習い、沢山の手段を用いて相手の戦力・戦術を凌駕する武術だからな」

俺の一言に納得したような顔で見ている相沢だった

秋那

「すまない、ちょっと良いか? 高町」

先ほどまで黙っていた麻布が急に聞いてくる。

秋那

「君の武術…それは単なる才能だけではなく、大量の訓練と鍛練を今まで怠らずにやってきた『努力の剣』なのか?」

高町

「っつ!?」

無亜

「秋那ちゃん!?」

悠子

「秋那さん!」

渡辺

「麻布!?」

他の奴等は気づいてなかったが、まさかほんの少しの模擬戦を見られただけで才能の有無を正確に当てられるとは思わなかった。

(くそ、やはり三沢たちに模擬戦を見せたのは間違いだったか)

高町

「確かに俺には才能はほとんどない、有るのはひたすらの鍛練や幾度となく繰り返した模擬戦だけだ」

秋那

「君はそうまでして何故力を求めたんだ?」

高町

「俺には…、それが何かは言えないが、俺にはやるべき事と償わなければならない罪がある、それを果たすために力を求めた」

今ならそうはっきりと言うことができた。

秋那

「そうか…」

そう言って麻布は喋らなくなり、沈黙が訪れた。

そんな嫌な空気を破ったのは渡辺だった。

渡辺

「あー、高町、そろそろ俺の家に行かないか? 親父が待ってるし」

その発言は俺にとってありがたかったので即座に乗ることにした。

高町

「そうだな、渡辺木刀を返してくれ、ついでにバイクを取ってくる」

渡辺

「わかった、ほらよ」

俺に向かって自分が先ほどまで使っていた木刀を下投げで投げてくる。

俺は難なくキャッチしてバイクの下まで歩いて行く

〜〜〜side高町end〜〜〜



―第二十八話―

―戦士vs剣士―

―完―

次回の投稿は来週の火曜日になります。

誤字・脱字・要望などがありましたら、感想欄に書いてください。

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