第二十六話・家
今回も短くてすみません
あの後俺たちは全員お腹が減ったということなので近くの店屋食べ物を買うところだ。
無亜
「私たちが頼みに行くけど、アンタ達は何にするの?」
渡辺
「えーと、俺はこの大盛カツ丼にするぜ」
メニューに指を指しながら渡辺は言った。
高町
「俺は…そうだな、きつねうどんだな」
少し考えるが、一番近くにあって、悪くなさそうなのでそれにした。
悠子
「じゃあ、頼んでおきますね」
秋那
「君たちは席の番でもしててくれ」
渡辺
「おいおい、俺が行かなくて良いのか?」
何故かはわからんが渡辺は少し焦った様子で言う
秋那
「料理が来てから呼ぶ、じゃあ私たちは行くぞ注文し忘れはないな?」
高町
「待った」
麻布が確認を取るが、それとは関係無しに、俺は呼び止める。
無亜
「注文し忘れ?何にすんの?」
高町
「違う注文のし忘れじゃない、これを持ってけ」
財布から一万円札を取り出し、三沢に渡す。
無亜
「え?何これくれんの?ありがとー、今月厳しかったのよね、これで欲しいもの買えるわ」
悠子
「ええ!? 良いんですか高町さん」
高町
「そんなわけあるか、それはこれで払えという意味だ、だいたいあげるか? 普通に考えて」
渡辺
「ははは、そりゃそうだ、あげるわけねえな、でも良いのかよ俺たち結構、いやかなり食べるぜ」
高町
「それも想定済みだから一万円渡したんだろ?」秋那
「高町、先に言っておくが多分後悔するぞ」
何故か麻布が忠告、いやこれは警告だろうか、ともかくそれをしてるが一万円も使う料理なんてそうそうないだろうとタカをくくる
高町
「大丈夫だ、一応言っておくが三沢、釣はちゃんと持ってこいよ?」
微妙に怪しげな三沢に釘を刺しておく。
無亜
「い、嫌だなぁ、いくらなんでも私がそんなことするわけないでしょ?」
明らかに動揺しているがあえて何も追及しないでおく事にした。
悠子
「それじゃあ、行って来ますね」
そうして三沢たちは注文をしに、店へ向かって行く
このまま何もせずに待つのも良いのだが、渡辺に聞いておく事があった。
高町
「なあ、渡辺」
渡辺
「何だ?」
高町
「お前の家が不動産屋って本当か?」
渡辺
「ああ、俺んちは不動産屋をやってるけど、それがどうかしたのか?」
高町
「いや、後でそっちに客として行こうと思っているから一応な」
渡辺
「だったら親父に先に言っておこうか」
高町
「頼めるか?」
そんなことが出来るなら、手間が省けてありがたい、俺が聞くと渡辺は笑いながら、「OK」と了承の言葉を返してくれた。
渡辺は携帯を取り出し、話し出す。
渡辺
「ああ、もしもし? 俺だけど、誰って俺だよ俺、アンタの息子の渡辺慧だよ!ああ、ようやくわかったかまったく、後でそっちにお客さん連れて行くから物件用意しておいて、うん、うん、え? 資金? わかった聞くからちょっと待ってて」
そこで渡辺は一旦電話を切った。
渡辺
「なあ、どれくらいの値段なら払えるんだ?」
高町
「そうだな…」
自分が使っても大丈夫そうな値段を考えると三十万ぐらいだろう。
高町
「大体、三十万ぐらいだが、家じゃなくてアパートの一室とか、曰く付きの場所にしてくれないか?」
(出来るなら曰く付きの場所のほうが人が寄り付かなくて楽で良いんだがな)
渡辺
「わかったそう伝えておくよ」
そう言って渡辺は相手に話を続ける。
渡辺
「三十万ぐらいだって、うん、うんわかったよ、じゃあ後で」
そう言って渡辺は電話を切った。
渡辺
「中々の数を出せそうだってさ」
高町
「そうなのか、ならば期待させてもらおう」
渡辺
「なあ、高町も武術を使えるんだよな?」
高町
「ああ、少しだがそれに子供を助ける時には使ったしな」
渡辺
「じゃあ、頼みがあるんだけど良いか?」
次に言う言葉がなんとなく予想出来るが、一応渡辺には世話になっているので一回ぐらいは聞いてやることにした。
(どうせ、射撃を教えてくれぐらいだろうしな)
高町
「お前には世話になるからな、良いぞ」
そう言うと笑いながら俺にとって、とんでもないことを言った。
渡辺
「じゃあさ、俺と模擬戦みたいなのをしてくれないか?」高町
「はあ?」
俺は驚きのあまり、固まってしまった。
注文から約十分未だ料理は来ない。
〜〜〜side高町end〜〜〜
―第二十六話―
―家ー
ー完ー
次回こそはもう少し長くしたいと思っております