第十八話・シリアス?
無亜達と買い物の予定でしたが、都合により変えることになりました。 申し訳ありません
〜〜〜side高町〜〜〜
なんだか変な事になってしまった。
町について聞いて帰るはずが渡辺と言う男の代わりに何故か荷物持ちに付き合わされてしまった。
高町
「はぁ、」
悠子
「あの、やっぱり迷惑でしたか?」
ああ、こいつだけだよ、まともな考えの奴は、他の奴と言ったら・・・
無亜
「大丈夫よ、こいつは暇だとか言ってたから気にしないほうが良いわよ」
秋那
「うむ、それに彼も今更さ言ったことを覆したりはしないはずだ、そうだろう? 高町」
くそっ、麻布の奴めアイツは絶対ドSだな、しかも俺に拒否権って物は無いみたいだしな。
高町
「ああ、覆さねえよ」
こうなりゃヤケだ後の事なんかしったことじゃない、今はこの状況をどう切り抜けるかが問題だ。
本当なら今頃物件を見て手頃な場所を借りるつもりだったのにな、はぁ。
俺は今度は心の中でため息をついた。
今更ながら現在の状況を説明すると俺はバイクを押しながら歩き、他の三人は俺の近くで何を買うか等を話している。
端から見れば良くてあの渡辺という奴と同じに見られ、悪くて修羅場だろう。
どちらにしてもろくでもない事になるだろう。
無亜
「そうだ、ねぇ高町」
三沢が思い出したように言ってくる。
高町
「なんだ?」
無亜
「アンタって何処の学校に通ってるの?」
高町
「いや、今は何処にも通っていない」
この言葉に三人が硬直し、三沢が電柱に顔をぶつけ、麻布が足を石ころに引っ掻けて転けそうになり、相沢が転けた。
悠子
「痛たた、高町さん学校に通っていないってことは転校届けを出していないってことですよね?」
相沢が真面目な顔で聞いてくる。
高町
「いや、まず最初から通っていない」
俺は相沢の期待を根本的に打ち砕く。
無亜
「ちょっ、それじゃあアンタ何年生まで学校に通っていたのよ?」
高町
「最後に学校に行ったのは確か、小学六年の五月三十日だったな」
そう、忘れもしない父さんが吸血鬼化した母さんに殺され、その母さんを俺が殺した日だ。
その言葉にまた三人が硬直した。
秋那
「本当か?」
いち早く硬直から回復した麻布が聞いてくる。
高町
「ああ、俺は小学六年で学校を辞めて、まあ色々あってな今は学校に行かず、いや行けずだな、町から町を放浪しているんだ」
一旦言葉を区切り、
高町
「金はあるからな」
そう言って俺は手で金の形を作り笑う。
無亜
「何で? 家族とか何にも言わない訳?」
高町
「いや、言いたくても言えないだろうな」
悠子
「どうしてですか?」
その言葉に少し苦しくなるが答える。
高町
「俺の家は父親、母親、、俺の三人家族でな、俺の親は五月三十日に、とある事件に巻き込まれて死んだんだ、そして残ったのが俺一人って訳だ」
悲しみを悟られぬように出来るだけ明るく言う。
高町
「だから俺の親は俺に対して言いたくても何も言えないんだ」
そこまで言って三人の顔を見ると三人とも、しまったと言うような顔だった。
秋那
「すまない、辛いことを思い出させたな」
高町
「気にすんなよ、もう八年も経ってんだ、いい加減一人にも慣れるさ」
それに、今は辛いことばかりじゃ無いからな、と付け加える。
悠子
「では、どうしてこの町に来たんですか?」
高町
「それはさっきも言ったとうり町から町を放浪しているからだ、此処に来たのもたまたまだしな」
無亜
「じゃあ、今は何処に住んでるの?」
答えにくい質問だな、いっそのこと本当のことを言うか? だがそれはそれでまた面倒だしな。
高町
「家が無いから適当な物件を借りて暮らすつもりだったんだが」
無亜
「だが?」
高町
「いや、実はなこの町に着いたのが昨日の深夜で、しかもそのせいで店が一軒も開いてなくてな、おかげで公園で野宿をするはめになったんだ」
悠子
「そうなんですか、あの一つ良いですか? 今ちょっと不思議に思ったんですけど、お金ってどうしているんですか?」
まあ、これが疑問になるのは当然のことだろう。
俺は財布から通帳とカードを出す。
高町
「八年前に家を出るとき金が無ければ生きて行けないと思って親から通帳を貰っていたから、それを持って家を出たんだ」
それに三人とも下を向いてプルプルと震えていた。
高町
「どうした? そんなに面白かったか?」
その言葉に三人揃って爆発した。
秋那・無亜・悠子
「私たちのあの凄くシリアスな空気を返せ『して』ー!」
と三人同時に叫んだが俺には何のことかわからなく、一人空を見上げた。
〜〜〜side高町end〜〜〜
〜第十八話シリアス?〜
完
セリフの前と?の後に少し開けるというのを実践してみましたが上手くいったでしょうか? 自分なりには出来た気がするんですが