第十五話・悪夢後編
自分なりには頑張ったのですが、思いの外手間取ってしまい更新が遅れました。申し訳ありません(何か毎回謝っている気がする・・・気のせいかな?)
〜〜〜side雲月〜〜〜
俺は声が聞こえた方へ走り由之を探す。
少しの間走っていると俺を呼ぶ声の正体の人が居た
そこには身体中血まみれの由乃が倒れていて、俺の名前を呼んでいる。
由乃
「修也くん」
雲月
「由乃、今手当てをするから待ってろ」
俺は服を少し裂き、包帯代わりに傷口に当てるが、
雲月
「くそっ、傷が深すぎて出血が止まらない」
由乃
「修也くん、もう良いよ充分だよ」
雲月
「まだだ、まだ諦めない絶対に諦めない」俺は必死で傷口を止血しようとする。
しかし運命は残酷で血が止まらず、それどころか逆に出血が激しくなっている
雲月
「くそっ、何で止まらないんだよ由乃、由乃ー!」
俺は涙を流しながら必死に呼び掛ける。
由乃
「修也くん、私ね楽しかったよ。修也くんがここに来てからいっぱいお話して遊んだり、戦ったりしたよねそんな日々は私にとって、ううん私だけじゃない、晃くんも、学くんも、他の皆も修也くんが来てから最高の日々を送ることができたんだよ」
雲月
「由乃、頼むから喋らないでくれ、俺を一人にしないでくれ頼むよ」
俺は泣きながら必死に懇願する。
由乃の声はだんだん弱々しくなっていく、それでも由乃は話を続ける
由乃
「私には・・ね、双子のいもうとがいる・・んだ」
その言葉は少しずつ途切れたりしてゆく
由乃
「その子にね、わたし・・はずっと、てがみを出し続けて、いるんだ・・返事、なんてこんな・・・ところだから・・かえってくるわけ、ないんだけどね」
由乃は自嘲的に力ない笑みを浮かべた。
雲月
「わかった、わかったからもう喋らないでくれよ」
由乃
「もしも・しゅうやくんがわたしのいも・・とをあったら・・つたえて・・ほしいことが、あるんだ」
雲月
「嫌だよ、由乃も一緒に来るんだよ、諦めんなよ!頼むよ諦めないでくれ」
だけど由乃の出血は酷くなる一方だった。
由乃
「わたしね・・もう、さっきから・・ねむいんだ、いま・・だってね、きを、ぬいたら・・ねむっちゃいそう・・・なんだ」
雲月
「ここを生き残ったら一緒に学校に行って普通の生活しようって言ったじゃないか、俺は由乃が居ないんじゃ嫌だよ」
それは俺と由乃にとって最も欲しい未来、だけどその願いはもう届かない
由乃
「ごめん・・ね、やくそくやぶっちゃったね・・でもしゅう・・やくんは、つよいからだいじょうぶ・・・だよね?」
雲月
「俺は由乃がいたから強く生きることが出来るんだよそれなのに由乃が居なかったら俺は弱いよ」
由乃
「だめ、だよ・・・もう、すぐ、おわかれ・・なんだから、わたしは、しあわせだったよ、いっしょに、がっこうにいけないのが、ざんねん、だったけどね」
俺はそこで悟ってしまったもう由乃の命は長くないということを、そんな由乃に俺が何ができる?
何もできやしない、俺にできるのは由乃の最後の願いを聞き入れて安心させて逝かせてやるだけだ
雲月
「由乃、妹さんの名前は何て言うんだ?」
由乃
「わたしの・・さいごの、おねがい、きいてくれるんだありが、とね、わたしのいもうとの、なまえはね咲川無亜だよ。」
雲月
「その子になんて伝えれば良いんだ?」
由乃
「わたし・・は、しあわせなまま、じんせいを、おえる・・・ことができたよって、つたえて・・・く、れるかな?」
由乃の言葉はとても弱々しいかった、何時途切れるかもわからないそれほどまでに弱い言葉だ、だけど声は弱くてもその声に秘められた想いはとても強かった
由乃
「さいごに、いっておく、けど、・・・ふくしゅう、なんてしようと、なんて、しようと、おもわないで・・・ね、あと、いちばん、いいたかった、ことなんだけど・・・しゅうやくん、だいすき、だよ・・・」
雲月
「ああ、俺だって由乃のこと、大好きだよ」
そう言うと由乃は笑顔のまま瞳を閉じて動かなくなった
雲月
「由乃、由乃ー!!」
俺は何度も由乃を起こそうとするがもう眼を開ける気配はない
雲月
「由乃、悪いけど俺は由乃の未来を奪った奴等を許すことなんて、できはしないよ、だけど、これは復讐なんて立派なものなんかじゃないよ、これはただの俺自身のエゴだよ」
雲月
「俺はここに誓うよ、俺は必ず父さんと母さんが吸血鬼化した原因を突き止めてその犯人を殺す!そして俺の第二の家族と由之を殺したシルバーファングのあの男『戦慄の迅雷』を必ず殺してみせる!!」
俺はそこで一旦言葉を切り続ける
雲月
「俺は、なにもできなかった自分と決別するために『雲月修也』と言う名前を捨て、これからは『高町瞭』と名乗る、俺はこれからも必要最低限の殺し以外はしないことも誓う!」
そこで俺の景色にノイズが走る
どうやら記憶の旅はここで終わりのようだ。
高町
「この日から俺は『高町瞭』と名乗り、シルバーファングには『アヴェンジャー』と名乗ってるんだよな・・・記憶の旅は終わったが、最後のアレがあるか」
そう言ってから少し経つと急に空間が変わり、俺の目の前に人が現れた
真っ白の何も無い空間の中に俺とよく似た人がいた
高町
「よお、もう一人の俺、また現れたな元気にしていたかよ?」
〜〜side雲月end〜〜
〜第十四話悪夢・後編〜
完
はい、ネタバレみたいなものですが、雲月修也は高町瞭の過去です。よって、今の高町瞭は偽名で、本名は雲月修也ということになります。えーと後はもう一つ次回の話は投稿するまで時間が今回以上かかると思いますこの小説を読んで、続きを読みたい!というかた居りましたら本当に申し訳ありません。(まあ、多分居ないと思いますがとりあえず言っておきました)では、暫くの間失礼します