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41.新たな地にて、さっそく面倒ごとが発生しました

「な、な、な、なんですかこれはっ!? 王国とはまた違った凄さですね!」


「これがコロッセウム、別名、『闘神の街』ですね」


「そうだ。ここは街のほんの一部に過ぎない。この先にはたくさんの闘技場がある」


 ナタリアの模擬戦から数日が経った。オレたちはヴァルクさんの提案でこの街で行われる武闘大会に出場することになった。と言っても、


『いやいや、私は忙しくてね。いつもはこの王国代表として出場しているからね。私と対等に渡り合えたナタリアなら遅れはとらないだろう。存分に暴れて来てくれたまえ!』


 と言われていた。全く、なんだが押し付けられた気分だ。だが、出るからには勝つ気でやる。それはナタリアも同じだった。だいぶ身体が力んでいるようだ。オレは肩を叩き、


「あんまり緊張してもダメだ。リラックスも大事だ」


「主人様……ですがこの大役、必ずや好成績を……」


「今は練習した成果を発揮することだけを考えるんだ。大丈夫、ナタリアならできる」


「はいっ!」


「ほらほら、ナタリアちゃんもご主人様もはやく行きますよ! 出場登録に遅れたらどうするんですか」


「わかってる」


 いろいろあるが、オレたちは見知らぬ街を歩くのだった。






 街にある闘技場の近くにある受付の部屋で登録を済ませていた。ヴァルクさんったら、人に任せるのなら受付くらい済ませて欲しいものだ。


「お、お言葉ですが、本当に彼女が出場でよろしいのですか?」


 受付員の顔はだいぶ引きつっているようだった。


「問題ない。彼女が大会に出場する。何か問題でも?」


「い、いえ……受理致しました。ですが、この大会に女の子は相当不利になりますが……」


 当然の考えだ。この場所にいる連中の大抵は男だ。それも鍛え上げられた肉体は並の成人男性でも歯が立たないだろう。それらをオレの隣にいるナタリアが相手にするんだ。


「私は大丈夫です。どんな相手だろうと主人様の納得いく結果にしてみせます」


「まあ、そういうことだ。よろしくたの……」


 ドンッ!


「――おお、悪い悪い。ちっちゃくて見えなかったよ。お前たち、死にたくなけりゃ大会から降りるんだな。ここはお遊びの場じゃねぇよ。ごっこ遊びがしたきゃ他の場所でなるんだな」


 急にぶつかり、挑発してきたのは巨漢だった。どうやらオレたちの会話を聞いていたらしい。


「私は本気です。あなたみたいな人にも勝ちます」


「ふっ、威勢だけはいいようじゃねぇか。まあいい、お前と当たれば優勝する確率が上がるだけだからな。ほれ、受付。今年もよろしくな」


「は、はいっ! 2連覇目指して頑張って下さい」


 そう言われるとこの場所を去っていった。この場を騒がせたと思ったら一瞬で帰って行ったな。それにしても……2連覇か。


「――ははっ、災難だったな。まさかいきなりアイツに目をつけられるとは」


 すると1人の男に声をかけられる。金髪の青年でありおそらく出場する選手だろう。


「あなたは?」


「ああ、俺はノア。この街で育った。言わば、この街を誰よりも知っている人物だ。どうだ、少し話をしようじゃないか」


 情報収集も勝つための手段だ。見るからに悪い人ではなさそうだし、ここは相手に乗るか。


「ナタリア、ルナを連れて宿屋に戻っててくれ。オレはちょっと話してくる」


「わかりました。くれぐれも他の女の子に誘われぬよう」


 ナタリアとルナはこの場を後にする。いや、心配するのそこかい。


「ははっ、君は面白いね。いいパーティメンバーだ」


「ああやってからかわれたりされるけど」


「いいや、その程度が一番いいんだよ。中途半端に気を使うパーティなんて本物とは言えないからな。ささっ、近くにカフェがあるからそこで話そうじゃないか」


 ノアに言われるがまま、オレは後ろをついて行くのだった。







「さてさて、君はここじゃ見ない顔だが、遠くから来たのかい?」


「ああ、オレたちは王国からやってきた。この武闘大会に出場するために」


「そうか。まあこの時期に来るのは出場するか観光しかいないからな。それで、ハルトは何が知りたい?」


 軽く世間話を終え、本題に入る。


「オレたちに絡んできた男は誰なんだ? 随分とやる気に満ち溢れているようだったが」


 それに、あの受付員の態度もオレたちとは違った。


「アイツはローガン。この街じゃ有名な武闘家さ。勇猛果敢、猪突猛進、数え切れないほどの2つ名を持っている。大抵はその場の盛り上がりでつけた名前だがな。でも、実力は一級品だ。そこらの冒険者が相手にすればコテンパンにされるさ。レベルで言えばレベル4相当だろう」


 なるほど、だからあそこまで受付員も恐れていたのか。


「それに、去年は優勝をかっさらっていったからな。優勝候補って意味でも注目されている。ハルトたちなんか眼中にもないだろうよ」


 たしかに、ローガンという奴の闘気は他の者とは違った。歴戦を繰り返し作り上げた肉体と言うべきか。


「ノアはどうしてそんなことまで教えてくれる。ノアは出場しないのか?」


「俺か? 俺はしないよ。もう闘技場に立つのはやめたんだ。……それと、どうして教えてくれるかって聞いたよな。それは……」


 するとグラスの飲み物を飲み干し、窓の外を眺めて、


「俺さ、――嫌いなんだよ、ローガンが。いつかぶっ飛ばしてやりたいくらいに」


 それはこの男の過去を垣間見た瞬間だった。

「面白い!」「続きが気になる!」


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