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33.追放されたライアンパーティの行方 ①

 時は獣人奴隷を追放する前に戻る。


 あれから数日が経過していた。俺の中には、煮えくり返るほどの復讐心で燃えていた。今でも鮮明に覚えている。


 あの時、俺たちは街から追放されたのだ。この街では最強のパーティとして君臨し、高い名声を上げていた。いつかは世界の頂点に立つといわれるほどだった。


 そんなパーティに唯一いらない存在がいた。名はハルト。セレシアが連れてきた何の役にも立たないレベル0。セレシアが言うのならと仕方なくパーティに入れてやっていた。期待などこれっぽっちもしてなかった。


 結局、アイツは何もしないままだった。その間、俺たちはどんどん強くなっていった。アイツか来てから急速に力の成長が速くなった気がしたが、それは気のせいで俺たちが才能があったからだと思っていた。


 それから3年、荷物持ちなどでなんとか価値を見出していたが、とうとう不必要な存在になった。だから俺は切り捨てた。他の仲間、ガリアとピスカと協力し、徹底的に貶めた。その頃からハルトとセレシアは悪くない関係だったため、セレシアには相談せず、俺はハルトを追放した。


 気分は最高だった。そりゃ、忌々しいヤツが消えたんだ。嬉しいに決まっていた。セレシアにもなんとか納得させ、これからは俺たちの時代が始まるはずだった。なのに、なのに……、


「俺が嫌いな奴は全員復讐してやる。まずはその第一歩、ハルトを殺す」


「ライアン。とは言っても、アイツは今は俺たちより強いんだろ。どうやって勝つんだよ」


「決まってるだろ。今やセレシアもパーティにいない。ムカつくが、今は最強パーティなんぞ言ってられねぇ。だったら、また集めりゃいいだけの話だろ」


 俺は頭のいい提案をする。あの頃から2人が抜けた。当然、役割も1人に負担がかかる。だから今は新たな仲間が必要だ。しかしガリアはまだ言いたいことがあるそうだ。


「でも、街から追放されたパーティに仲間が集まるとは思わないがどうするんだ?」


 ガリアの言う通り、今のパーティだと誰も入ってはくれないだろう。時間が経てば、俺たちの噂も広まる。


「その問題は解決できる。俺たちには逆らえない仲間を迎え入れるんだよ。そうすれば歯向かうことなく、仲間として歓迎できるだろ」


「それはそうだが……そんな都合のいい人なんかいるのか?」


「そうですよライアン様。そんな人なんて」


「いるんだよ。この世の中には金さえ払えば指示を聞いてくれるヤツがな。それは――奴隷だ」


 最も最底辺な存在。レベル0と同等だろうか。行き場をなくした者が奴隷商人によって売り物にされる。こういった売買は王国の裏でも行われている。街にでも行けばやっているだろう。


「合理的な理由だ。前のダンジョンのような私情じゃない。それでもいいか?」


 俺は一応確認をする。まあこれで拒否されても関係ないが。


「ライアンが言うなら仕方がない。それに、俺たちに必要な存在だろう」


「まあ私はライアン様が言うならね」


 これで仲間への了解は得た。


「ここから数キロ先にある街まで行く。そこで奴隷を手に入れる。それでいいな?」


 ガリアとピスカは応じて頷く。


「決まりだ。そうとなればさっさと行くぞ。俺たちには時間がねぇ」


 全ては復讐のため、俺は進むのだった。




 安い宿屋の扉が開かれる。


「獣人……か。また大したものを連れてきたな」


 俺の後ろから現れる小さな影。それはまだ幼い獣人だった。怯えているのか、身体は小刻みに震えていた。


「一番安くてよさそうなのはこれしかなかったんだよ。これでも妥協だ」


 ドレスとの取引は1人で行くのがセオリー。俺はガリアたちを置いて1人で向かったのだ。


「ライアン様、その子の名前とかってあるの?」


「知らねぇな。商人に聞いたら小さい頃に親を亡くしたところを拾っただと.

 そもそも道具に名前なんていらねぇだろ」


 俺は獣人の頭をガシッと掴み、前へ引きずり出す。すると獣人はこちらを見つめ、僅かながら口を開く。


「あ、あの……私は何をすれば……」


 どうやら言語の知識はあるらしい。俺は顔を近づけわかりやすく理解させる。


「簡単だ。お前は俺たちのサポートとして働いてくれればそれでいい。けどな、俺の期待を裏切ったら容赦しないからな」


「……は、はい」


 まあ最初の脅しにしてはよかっただろう。ここから成長し、俺を嘲笑った奴らを全員、ぶっ殺すんだ。


 ここから新たな獣人を加えたパーティがスタートしたのだった。


「面白い!」


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