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2.イージーに隠しダンジョン攻略を目指す予定です

 さて、オレがパーティ追放されてから一夜明けた。泊まる場所もお金もないので洞窟で過ごしていた。片手には魔法書を離さない。これがないとオレは生きていけないだろう。


「オレのスキルならなんとかやっていけるだろう」


 この世界にはそれぞれ特殊な力、『スキル』を持って生まれる。そのスキルにも当たりハズレが存在する。しかしオレはほかの人とちょっと違う。神様から直接スキルを授かったのだ。そして力を使い、


『誰かを救うために、助けるためにその力を使え』


 と言われた。実際、スキルを使うこともパーティはダンジョン攻略していたから、オレがスキルなど使う暇などなかった。


 ちなみにそのスキルというのは『創造(クリエイティブ)』。この世のあらゆる魔法を使用、武器を召喚、さらに使いこなせる、というスキルだ。また組み合わせてオリジナルのスキルも使用できる。まあほとんど使ったことはないけど、このスキルを発動させるためにはこの魔法書が必要だ。逆に言えば、これさえあればなんとかなるのだ。


 今までバレなかったのはこのスキルの性質だ。神様から授かったため、人間が発動する鑑定魔法ではステータスが表示されない。だからいつまでたってもレベル0というわけだ。全く。こればかりには困る。


「まあ、オレがいなくても大丈夫でしょ。だって『剣姫』もいるし」


 レベルとは、この世界における強さの指標だ。スキルを持ったレベル1、2が普通であり、レベル3ともなれば自慢できる。そして、レベル5は世界に数人しか存在せず、その力は絶大であると言われている。『剣姫』セレシアはレベル5だ。


「それに、支援魔法だってしてんのに、気付かないし」


 ほんの少しだけではあるが、スムーズにダンジョン攻略ができるようにライアンたちには支援魔法を使用していた。オレがいなくなったことでバフなどその他もろもろのことをする人がいなくなったが、オレがいなくてもやっていけるという判断で追放したのだろう。


「とりあえず違う街を目指そう」


 独り言を呟き、オレは歩き出す。このまま野宿するわけにもいかないため、新たな拠点を探すべく旅をするのだった。




「なんだろうこの道……?」


 左右が森になっている街道を歩いていると、ふと不気味な一本道を見つけた。けもの道になっており、その先は森の木々で見えなくなっていた。普段はパーティと一緒に冒険していたからこんなところに来ることはなかった。どうしても気になってしまう。すると、ちょうどすれ違う冒険者パーティに聞いてみることにした。


「君たち、この道ってどこに続いているかわかるかい?」


 男女で構成された3人パーティのようだ。


「いいや。お前たちも何か知ってる?」


  パーティメンバーに聞くが首を横に振る。しかし1人が思い出したかのように口を開く。


「そういえばさ、ここって昔、妖精族が暮らしていた場所だよな。ひょっとして隠し通路の入口で、進んで行くと妖精族の村があったりして」


「バカを言え。妖精族は何十年も前に消えたって習っただろ。つまりそういうことだ。……っておい、あいつレベル0だぞ」


 どうやら鑑定魔法でオレのレベルを確認したようだ。街を出て変わると思ったが、どこまでいってもこの待遇だけは変わらなかった。


「ほんとだ。さっさと行こうぜ」


「レベル0と関わるとろくな事がないんだから。親切にしなきゃ良かったわ」


 不満を残しながら冒険者パーティは去っていく。今になって気にすることではない。結局、収穫はなしか。それにしても気になるな。


「妖精族ねえ……」


 この世界には様々な種族が存在する。その中でも妖精族は今じゃ見ることはない絶滅危惧種。オレも見たことはない。もしこの先に妖精族の村があるのなら……


「どうせ暇だし行ってみるか」


 オレは道外れた場所へと足を踏み入れるのだった。





「だいぶ奥まで来たけど……何もないな」


 すでに20分は歩き続けている。しかしただ道が続くのみ。引き返そうかと思ったがここまで来たからには行くしかない。諦めずに歩くとついにハルトは何かを発見する。


「ほこら……?」


 それは古びた(ほこら)があった。石のブロックが積まれてるその祠はオレの身長ほどあった。


「なんでこんなところに?」


 興味本位で祠に触る。すると、



 ゴゴゴゴゴゴゴ……



 突如、ブロックが動き出し、なんと地下へと続く階段が現れる。えー、マジ?これってまさか隠しダンジョンってやつですか。旅の序盤でまさかこんな展開になるとは。


「せっかくの隠しダンジョンだ。クリアでもしよう!」


 とりあえず地下へと進むのだった。光はなく暗いのでここは魔法を使う。オレは魔法書を手に取り、


「スキル『ライト』!」


 シュウウウウウウウウンン。


 オレの目の前に光の玉が現れる。辺りを照らし足場を確認する。


「よし、これでなんとかなるだろう」


 こうやってオレは魔法書を通すことでどんな魔法でも使える。今までもこんな感じでサポートしてきたなぁ。オレがいなくてもやっていけるか不安になってきた。いつも不便なことがあるとオレのせいにするし。少しは褒めてくれてもいい気がするけど。


 不満をこぼしつつ、奥に進むと、魔法陣が記された門がハルトの目の前に立ち塞がる。門は不気味げに光っていた。


「結界か。どうやって突破するんだっけこれ」


 たしか魔力を込めて触ればいいんだっけ。まあやってみるか。オレはとりあえず魔力を手を込め、門に触れる。


 バリンッ!


 魔法陣が解け、音が鳴ると同時に門が開かれる。


「案外あっさり開いたな……」


 思っていたより簡単なのかこれ。ともかく突破できたならいいや。光で照らすと奥はさらに続いていた。


「ここからはペース上げてくか!」


 なんか時間がかかるのも嫌だし、さっさと終わらせよう。ひとまず1人でのダンジョン攻略は順調です。

「面白い!」


「続きが気になる!」


「早く読みたい!」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] >どうやら鑑定魔法でオレのレベルを確認したようだ。 この世界には、他人に勝手に鑑定魔法をかけるのはマナー違反とかはないのでしょうか? あと、主人公には他人の鑑定魔法をレジストできる魔…
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