20.ライアンパーティの行方とその結末 ⑨ 〜北門・南門防衛戦〜
俺たちは王国のヤツらと合流していた。
「よぉヴァルクさんよ。そっちの森でドラゴンなら死んでるぜ」
「ああ。さきほど報告があってね。これから我々は始末に取り掛かる。君たちも同行することは可能だがどうする?」
ただ解剖して持ち帰るだけだろう。そんなのはいらない。
「いいや、俺たちは帰る。モンスターの群勢でだいぶ疲れているからな」
「そうか。それはご苦労だ。あとで報酬はギルドを通して払おう」
軽い挨拶を交わし、俺たちは帰路に着くのだった。
「結局、誰があのドラゴンを倒したんだろうな」
「そうよね。少なくともあれを倒せるのは私たちか、セレシアだけだと思うけどね〜。あ、あとライアン様!」
みんなが疑問に思っている。その答えを俺だけが知っている。ハルトはあそこにいた。だが、その確証はない。今は黙っておくのがいいだろう。
「わからない。だが、雑魚モンスターをたんまり討伐したんだ。俺たちの評価が下がることはないだろう」
今はこれでいい。今は。それから俺たちは街へと戻り、それぞれ休息するためにしばらくの休みを設けたのだ。
「報酬はこんな感じでいいか?」
みんなが頷き、分配が決定する。あれから数日後、ギルドでこの前の討伐報酬を分けていた。
「ドラゴンは別の冒険者が討伐したのか。残念だがレベルを上げることはできないが、私から本来の2倍の報酬だ」
王国だけではなく、シモンズからも多額の報酬をもらっていた。これでしばらくの生活は楽に暮らせるだろう。
「これでまた武器やアイテムも調達できる」
「ああ、そうだな」
金を使って豪遊するつもりだったが、しかし、その予定もすぐに崩れる。街のいたるところに備え付けてあるスピーカーから、
「――民間人は今すぐ避難してください! 街の北門、南門にモンスター多数集結! ギルドは冒険者に緊急クエストを提示、 街を守ってください!」
それは突然訪れたのだ。こんなことは生まれて一度もなかった。運が良かったのは、たまたまパーティメンバー全員がここにいたってことか。他の冒険者は慌てているのか、ギルドに詰め寄っていた。
「おい、これはどういうことだよ!」
「モンスターって聞いてないわよ!」
「ギルドがなんとかしろよ!」
「そ、そう言われましても……」
レベル2以下の冒険者が抗議を立てていた。そりゃ安全だと思われていた街がモンスターに囲まれたら安心できない。ギルド嬢では対応できず、奥からシモンズが現れる。
「我々はここにいる民間人の避難を優先する。冒険者は北門と南門を防衛してほしい。これは緊急であり、一刻を争う。やる気がない者は避難しろ。……ただ、お前たちが持っているそのギルドカードはなんの証だ? モンスターに怯え逃げる者に冒険者の資格などない!」
その言葉に、騒いでいた声が止み、冷静になった。
「安心しろ、そこにレベル5とこの街で最強のパーティがいる。恐れることはない。今こそ立ち上がるのだ!」
「や、やるか。この街を守るために!」
「えぇ、やってやるわ!」
「くっ、怖いのは嫌だけどやってやるさ!」
不安げだった冒険者たちが、みんなこちらを見つめ、声を上げる。全く、やってくれたなシモンズは。俺たちを利用して士気を上げたか。それほど俺たちに期待しているのだろう。
「だとよ。お前たち、覚悟は最初からできてるよな?」
今一度、確認する。だがその必要ならいらなかったようだ。
「ああ、俺たちはここで育った。あとはやるだけさ」
「ま、まあ、ライアン様が言うならだけどね」
「……私は、剣が振れるならそれでいい」
やってやるさ。ここで俺たちが守り、最強パーティだと知らしめるのだ。
「よし、俺とガリアは北門、ピスカとセレシアは南門だ。必ず防衛するぞ!」
俺たちは気合いを入れ、ギルドを飛び出したのだった。
その顔は希望に満ち溢れていた。しかし、この後、絶望が待ち受けることを彼らはまだ知らなかったのだった。
〜北門防衛 ライアン&ガリア〜
「この前の大群と似ているな」
「ああ。だがぶっ飛ばせばいいんだろ。この前は1人だったが、今度は違うからな!」
俺とガリアが先頭に立ち、その後ろに他の冒険者たちが構えていた。みんな俺たちが最後の希望ってわけか。これはやりがいがありそうだ。
スライム、アンデッド、ゴーレムたちが多数の群勢となってこちらへ向かってくる。
「これもあのネビルドラゴンが動き出した災害だとしたら、とんだ迷惑をしてくれたもんだ」
「ライアン、俺たちはここで功績を上げて、レベルを上げるんだろ?」
「そうだ。ほら、もうすぐ目の前にいる。叩き斬る、それだけだ」
俺は大剣を構え、後ろの冒険者へも聞こえるぐらいの大声を上げる。
「――いいかお前ら! 俺についてこい! 必ず、この戦いを勝ち抜くぞ!」
「うぉーーーーーーーーーー!!!」
北門、モンスターVSライアン&ガリアの戦いの火蓋が切られた。
「面白い!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
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