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この作品は、私が今年初めて見た夢をもとに製作をしています。
そこまで、怖くないホラー小説を目指してますが怖いのが苦手な人はここで引き返してください。
俺のクラスには、月下美人という言葉がふさわしい男がいる。そう、男だ。男のくせに華奢な体は、風に吹けば飛ばされるのではないかと思うほど、細かった。
そんな男……、鏡宮 朋と喋ったこともない俺鶴崎 太陽が鏡宮と共になぜこんな目にあっているのだろうか。
「鶴崎、僕のそばから離れないで。走るよ!」
「なんっなんだよ!これは!」
「うがぁぁぁぁぁあああああ!」
なぜか、1月も終わりだというのに季節外れに咲いたこの町で一番大きくこの町唯一の神社の御神木だった桜が咲いた日、屋上で昼寝をしていた俺が下校時間を過ぎ真っ暗になり急いで帰ろうと思い教室に鞄を取りに行こうと階段を降りたら学校の中に形もよく分からない異形に襲われた。
「は?夢?」
俺の第一声は、これだった。俺は都市伝説、心霊等の怖いものをよく見るほど好きだった。
いわゆる寄付金さえ積めばどんな馬鹿でも入れる高校に入学し、青春?なにそれイラネ状態な俺はテキトーに授業を受けたふりをした後昼食を教室で食べる友人もいなかったため午後はサボろうとして今日は1月にしては暖かかったから自動販売機でジュースだけ買ったあと屋上でジュース飲みながら夜に寝れないほど怖い話をネットで調べてぼーっとしてたらつい昼寝をしたから、これが夢だと勘違いしたわけだ。
「ササゲ、ササゲロ」
しかしそんな甘い考えすぐ裏切られた。目の前で死んでいるのは担任で。その手に持っているのが、担任の腕だったからだ。今にも嘔吐しそうな程噎せ返るほど血の香りが嫌でも俺の脳を覚醒させて警告音とともに告げる。
『今すぐ逃げなきゃ殺される。』
俺は、今すぐにも飛び出そうなほど早くなった心臓を抑え、静かに逃げようとした。月明りだけが頼りだったせいか気がつかなかった。辺りの地面が血の海だということに。そして、俺の左足の近くにだれか分からない脚があることに。
「バキッ。」
俺は一瞬で死を覚悟した。俺に気づいた異形が、何もかもが赤く染まったその顔をゆっくり上げ俺を視線で捉えたあとニヤァっと笑い俺を突き刺そうとし……俺は目を瞑った。
「鶴崎!後ろに下がれ!」
俺は、名前を呼ばれて急いで目を開け後ろに下がった。
「これっでも、くらええええ!」
俺の横をあり得ない速度で通り過ぎたそいつは、体が弱いらしく、いつも体育の日は休んでいた鏡宮朋が、消火器を異形にぶつけた。
「うがああああああ!!」
一瞬の隙ができた。そう思ってると、鏡宮は俺の手を引っ張った。
「鶴崎、僕のそばから離れないで。走るよ!」
「なんっなんだよ!これは!」
「うがぁぁぁぁぁあああああ!」
俺は鏡宮に手を引っ張られながら全速力で走った。走って自分の教室に入った。
窓から見える月は、満月で悲しいぐらい綺麗だったが、なぜか怖く感じた。
不定期で更新していきます