異世界へ
俺は「今日の夜ごはんは何にしようかな」と考えてると
「おーい!るむー!!」と後ろから声がする。この声を聞くと1日が始まるんだなと感じる。
「おはようっ!るむ!今日も元気に行くよー!」
「んーおはようーそれはどうだろうなー」とあんまり乗る気のない声で返事をすると、
「もうっ!つれないなぁー、まぁ朝はしょうがないか、るむは朝弱いもんねー笑」とすかさずいじってきた。
「うるさいー!そういうるみなだって朝から騒ぎすぎで夕方にはもう眠そうにしてるじゃねぇか」
「それはそれ!これはこれなの!」とかわけのわからないことを話しているうちに学校が見えてきた。
「よしっ!るむ!学校まで競争ね!あ、るむは私がスタートしてから20秒後にスタートすること!」
と、勝手にルールを決めて、俺の返事も聞かずに走り始める。
「あ、おいっ!ちょっと待て!まだなんも言ってねぇぞ!」
「負けはジュースおごりだからね!」この言葉を聞いて、一気に覚醒した。1ー、2ー、3ー、
あ、この間にるみなを紹介しよう。るみなは瑠美奈と書く。俺の家の隣に住んでいる幼馴染だ。身長は153㎝とやや小さい。また、俺ほどではないが身体能力も高い。おっとこの辺にしとく。そろそろ20秒だ。
1つ息をして俺は走り始める。学校までは400mほど、もちろんリミッターは外す。るみなの後ろ姿がどんどん大きくなってくる校門に入る直前一気に追い抜く。
「よっしゃー!」
「また負けたぁー!」
「ジュースがかかってるかな笑」
「もうー食い意地はりすぎーっ!」
「いいんだよ別に、てかジュース忘れるなよ!」
「はいはい」
こんなことを話しながら教室に入る。俺の席は窓側の1番後ろの席、るみなはちょうど教室の真ん中の席だ。俺もるみなも勉強はそこそこできる学年の10分の1には入っている。眠気と戦いながら授業を聞きお昼になった。
「るみなー!ジュースー!」
「はーい」2人で教室を出て自販機に買いに行く。
「今日の夜ご飯はなーにー?」 いきなりるみなが聞いてきた。
「んーまだきめてないけど、、、じゃあ久し振りに一緒にスーパーに食材買いに行くか!?」
「うん!行くー!何にしようかなぁー!」
「安いのにしろよ笑」 「もーるむのケチー!!!」
そう!言い忘れていたが、るみなは毎日夜ごはんはうちで食べるのだ。まぁ作るのは俺なんだが、、、
しかし、俺は一人暮らし、ご飯を食べるのに1人は流石に寂しい。るみなが来てくれるのは正直有難い。
こんな風に思ってることは絶対本人には言わない。言ったら最後、調子に乗っていじられるのがオチだ笑
奢ってもらったジュースを飲んでると、
「一口ちょうだい」と、るみなが言ってきた。
「ほいっ」と渡すと、なんと!こいつ全部飲みやがった!
「おいっ!何してんだよ!」
「え?ジュース飲んでる」ってにまーってしながら答えてきた。
「今日の夜ご飯にはトマトたくさんいれよっかなー」そう言った途端るみなの声が急変した。
「ごめんなさい!私が悪うございました。どうかお許しください!」
そう、るみなはトマトが大の苦手なのだ笑
平凡な学校生活を終えてるみなと買い物に行く。
「今日のご飯はハンバーグにしますか!」
「まじ?やったー!!!今のうちにたくさん動いてお腹ペコペコにしよ!」るみなは俺の周りを走り回ってる。
スーパーに入ってひき肉を買ってる時、いきなり!!!!
パァァン!
乾いた音が鳴り響いた。すぐ近くで怒鳴り声がする。
また、パァァンっと賑やかなスーパーにこだまする。るみなは動揺を隠しきれてない様子だったが、俺はすぐに現実に引き戻された。「テロだ」しかもこんな街中のスーパーで。
シャッターが閉まる音がする。犯人らしき人物が何か叫んでいるが、パニックになってる人の声で何も聞こえない。
最後の言葉だけ聞こえた。爆破する、だ。
そう聞こえた途端
ドカァァァァンンン!!!
スーパーは木っ端微塵に吹き飛ばされた。同時に俺の意識も吹っ飛ぶ。
しばらくすると声がする。聞き覚えのある声だ。
「大丈夫、大丈夫、きっとあなたたちなら大丈夫、信じてますから!」
そう!思い出した!いつも夢に出てくるあの、女性の声だ!
「あなたたち2人ならどんな試練にも乗り越えることができます。困った時は2人の絆を確かめ合って!そしてきっと私を助けにきて!」
だんだん意識が遠のく。
「あなたの能力は身体能力のさらなる進化です」
ふと目がさめる。あれ?俺は死んだんじゃ、、、
そう思っていたが、そんな思いは一気に吹き飛んだ!
「なんじゃこりゃー!!!」目の前にはモンスターがたくさんいるではないか!