究極頭脳戦略バトル
初夏、桜が散った木の下に人が立っている。
髪の長いのを見ると多分女性だろうと思う。顔は見えない。もちろん相手が誰なのかはわからない。
しかし、その女性は何か一生懸命に叫んでいる。
「助けて。助けて。どうか、どうか私を、この世界を助けてください。待ってますから。」
まだ何かを叫んでいたが、何を言っているのかよく聞き取れない。何を言っているのか聞こうと耳を傾けた瞬間、、、
ジリリリリリリリリリリリーーーーーーッ!!!耳がつんざくような音で一気に現実に引き戻される。
「またこの夢かぁーー!」
もうこの夢を見るのは何回目だろう。「くそー目覚まし時計めー!」っと思いながら眠たい目をこする。
今の季節は冬だ。しかも例年に増して寒さが異常だ。「寒いなぁー、布団から出たくないなぁー」と思いつつ布団から起き上がる。
「さむっ!さむいさむいさむい!」
言わないって意識していてもついつい出てしまう。温度計を見ると10度と表示されている。これは寒いわけだ。さて、朝ごはんでも食べようかなっと思い、さっむいさっむいって変なリズムで口ずさみながらドアを開ける。
ガチャッ!
目の前に広がる広大な草原、草原を飛び跳ねているスライム、空には竜が火を吹いている。そんな光景があるわけはなく、、、普通の台所だ笑
あ、言いそびれていたが、俺はるむ、瑠夢って書いてるむだ。この家に一人で住んでいる現役高校生だ。
俺はいつも通り、ニュースを見ながら朝ごはんを食べ、制服に着替え、家を出る。こんな平凡な日常に飽き、何か非現実的なことが起きないかなと思っている今日この頃だ。
こんな俺が他の人と違う事と言えば、身体能力が異常に高いということだけだ。身長は170㎝とそこまで高くはないが、ダンクシュートを軽々決めるし、50mは5秒台、ストレートは160キロ、サッカーなんて、俺がボールを持つとゴールネットが揺れるまで誰もボールに触れられない。
なんでこんなのか?ってそれは俺も気になってたくさん病院を回って調べてみたんだ。そしたらある病名が見つかった。それは、「リミットブレイク」だ。普通人はどんなに頑張っても身体に負担が残らないようにどこか動きを制限してしまっている。その制限をかけないと人は普段の5倍以上身体能力があがるんだそうだ。そのかわり反動ですごく身体に負荷がかかるらしいが俺の身体は特別らしく負荷を一切うけないらしい。