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進み続ける異世界の原点  作者: 雲煙模糊
ティエラside
8/32

8杯目~少女の大きな決心~

 初めましての人は初めまして。

 先ほどぶりの方はこんばんは。

 久しぶりの方はご無沙汰しています。


小説作成時BGM:KISSして(輿水幸子カバー)

「オリヘンさん……オリヘンさん……仮面に大きなローブ……うーん……」


 夜、ギルドの酒場。

 冒険者たちがどんちゃん騒ぎを起こす愉快な場所。

 コップがぶつける音、愚痴めいた男の声、皿を落とす音、豪快な笑い声……幾つもの音が重なり合い、指揮も何もない自由な音楽会が今夜も開催されている。


「仮面に大きなローブ……仮面に大きな……ローブ!」


 村娘のような格好の少女は少し汚れた冒険書を握り締め、柱の影から仮面を被った冒険者の様子を伺う。


「座っているから身長は分からないけど……大きなローブに仮面姿の冒険者はあの人しかいない……よし!」


 少女は緊張した面持ちで仮面の男に近づく。

 少し離れたテーブルに着いていた冒険者がギョッとした表情で彼女と仮面の男に目を向けるが、すぐに我に返って葡萄酒を飲み干した。


「あ、あの! わ、わわたし、オリヘン様に助けてもらった、あ、ああのあのあの、ぼうけんしゃです!」


「……そうか、待っていた」


「こ、このたびはた、たすすけ……ぇ?」


「付いてこい」


 ぶっきらぼうに言葉を放ち、そのままギルドから出て行く仮面の男。

 少女は慌てた様子で男の後をついて行く。

 状況の整理及び理解は全く出来ていない状態で。


「あ、あのぅ……?」


「もうすぐだ」


 夜はまだ始まったばかりだが、空には既に星が出ている。

 そんな星空の下、仮面の男は人混みの中をぐんぐん突き進み、やがて街の外に出てしまった。

 少女も必死に後を追うが、街の外は魔物と出会う確率が高い。


「あ、あの! 夜は、夜行性の魔物が活発になります! は、早く街に――」


「着いた。ここだ」


「に戻った方が良い……ってここは……お墓? しかも、四つ……」


「……お前のパーティーだが、俺がダンジョンに入った時にはお前以外、全滅していた。男二人は全身打撲、それと互いに互いの腕を口から胃まで押し込められ、入口で吊るされていた。女の片方は上半身を腫れるまで殴られ、もう片方は逆に下半身の足を折られていた」


「……はい」


「ゴブリン共は孕み袋として女二人を囲む予定だったらしいが、あまりの痛みと精神的ショックにより、俺が二人を見つけたときは既に息は無かった」


 大きな岩を削って作られたような墓標が並ぶ。

 勇敢に敵を切り裂いていた剣、世界の理に干渉した杖、赤い木ノ実で一杯だった雑嚢、味方を罠から守ったナイフ……墓標の前にあるのは全て、彼らが所持していた物だ。


「これ以外の回収出来た物は骸と一緒に全てここに埋めた。俺は天を崇拝する訳では無いが、アンデット化されても困る。お前が祈ってやってくれ」


「……分かりました。ありがとうございます」


 少女は膝をつき、祈りの言葉を捧げる。


「大天使ラフィエル様……どうか迷える魂に癒しと救いを……」


 世界に影響を与える程大きな事が起きた訳ではない。

 何千、何万人といる冒険者の内、四人が命を落とした。

 この世界ではよくある話だ。

 小さな村のごく一般的な家庭に生まれ、幼い時から何をするにも四人一緒、夢は偉大な勇者パーティーとして魔王を倒し、愛する者と子を成し、その後は平和になった世界で命尽きるまで幸せに暮らす。


「ごめんね゛……みんな……ごめんね゛……わだじぃ……だけ……うぅ……ごめんなざいぃぃ……」


 それでも、悲しみが消える訳ではない。

 少女はこうして生き残り、仲間たちは土の中で冷たくなっていく。

 彼女は考えてしまうのだ。

 あの時、仲間を見捨てずに立ち向かっていれば。一矢報いる覚悟で魔法を放っていれば。罠だと気付いた時、すぐに後退する事を、声を大にして主張していれば。



 それ以前に……自分が仲間にならなければ?



「おかえりなさい!」


「あぁ」


「……ただいま、戻りました」


 ギルド内の酒場の夜は長い。

 毎日がお祭りだ。


「俺は宿に戻る。お前のパーティーについてはさっき言った事で全てだが、詳しく聞きたいなら受付に言うと良い。報告書が出来ているはずだ」


「……はい、ありがとうございます」


「うむ」


 仮面の男は二階にある宿へと向かった。

 少女も自分の部屋に戻ろうとしたが……階段を登り切る自身が無かった。

 仕方なく、部屋の隅っこに置かれた椅子に腰掛ける。


「私が……皆さんのパーティーに入らなければ……」


 ―――私が……私なんかが……冒険者をやるなんて……弱い私なんかに……冒険者なんて出来なかったんだ……院を卒業して……天使の加護を受けて……少しは強くなれたと……思ったけど……やっぱり……私は弱いまま……


「ティエラさん、お久しぶりです」


 突然降りかかる大人びた女性の声。

 少女は不意に顔を上げた。


「あ、貴方は……最初に冒険書を作って頂いた……」


「どうも、冒険書発行、初心者冒険者へのアドバイス兼三等級以上冒険者の報告書作成を担当させて頂いている、リヘル・ノーヴァです。隣良いですか?」


「あ、はい、構いませんが……」


「それじゃ遠慮なくー」


 私服姿の受付嬢はそっと少女の隣に座る。

 初めて見た時も感じたが、冒険者とギルド内を見渡しても指折りに入るほど綺麗な方だ。


「オリヘンさんには会いました?」


「は、はい……お墓を……私の仲間のお墓を……作ってくれていました」


「そうですか。パーティーの方々については本当に残念に思っています。ソレイさんが薬草だけを買いに来た時、もっと釘を刺しておけば……っと思いました」


「……受付さんは、私たちがダンジョンに向かうのを知っていたんですか?」


「うーん……確証が有った訳では無いけど……彼等が前にお金について困っていたのは知っていたよ? ダンジョンと言えば財宝や魔道具、それにスロールもあるからね、一つでも見つけて上手く売る事が出来れば、銀貨五十枚はくだらない筈だから」


「……スロールと言うのは?」


「魔術が込められた巻物の事だよ。開くまで何が入っているのか分からないから、相場の変動が激しいっていうのが特徴なんだけど……上手く交渉すれば銀貨数百枚程度で売れる時もあるっていう代物」


「そ、そうだったんですね……だから、グレットさんは……」


「まあ、それだけ危険が伴うので、ダンジョン攻略は四等級冒険者……本音を言えば三等級以上の冒険者に行ってほしいクエストなんだけどね」


「……すいません」


「いやいや、別に怒ってる訳じゃないんだよ? 私たちに出来る事はあくまでアドバイスだから、こうして傷心している女の子にもアドバイス……ってね」


 受付嬢は急ぎ足で駆け寄ってきた犬耳の下女から蜂蜜酒と料理を受け取る。

 ここに来るまでに注文していたのだろう。


「ティエラさん、肉とお酒は大丈夫?」


「あ、は、はい、大丈夫です」


「それは良かった。さぁさぁ、乾杯といこうじゃないか」


「え、あ、えっと……」


「お金の心配ならいらないよ? 今日は私が奢ってあげるからね」


「あ、え、えっと……はい……ありがとう……ございます……」


「それじゃあ、かんぱいぃぃい!」


「か、かんぱい……です。自然の恵に感謝して……頂きます」


 甘い香りに誘われて蜂蜜酒を口に含み、食道へとゆっくり垂れ流す。

 ほのかな蜂蜜の甘さが口いっぱいに広がり、食欲が増していくのを感じた。


「まあ、この仕事をしているとね? 昨日まで笑って話していた……私よりも幼い冒険者たちが突然ギルドに来なくなるの。難しいクエストでもやってるのかなぁーなんて思ってね?」


 受付嬢が注文した料理は色とりどりのソーセージとチーズの盛り合わせ。

 パリッと音を出しながら豪快に頬張る。


「でね? ギルドの決まりで、特に期間が定まっていないクエストは受注されてから五日が過ぎると“破棄”っていう扱いになっちゃって、また再依頼って形で掲示板に上げるの。勿論、別の冒険者さんが受注して、クエスト達成っていう事も多いんだけど……」


「前にクエストを受けた……冒険者さんですか?」


「そう。私たちは冒険者さんがその後どうなったのか……別の場所で冒険者をやっているのか、それとも辞めて農家とかになったのか、自分の村へ帰省したのか……生きているのか死んでいるのかさえも知る事が出来ない」


 少女も受付嬢に釣られてソーセージにかじりつく。

 溢れんばかりの肉汁は予想以上に高温であり、すぐさま蜂蜜酒のコップに手が伸びた。


「だから、私たちギルドが冒険者の安否を知る方法は届けてもらう冒険書だけなの。いつ、どこから敵が襲ってくるか分からない状況で、命を掛けて他人の冒険書を回収する事が難しいのは知ってるんだけどさ……彼らの家族にとって“待つ”だけってのは、かなり酷だからね」


「……そうですね」


 グレットたちは小さな村の出だと言っていた。

 勿論、それぞれに帰りを待つ家族がいるのだろう。

 居間で馬鹿げた大きな夢を両親に話し、半分呆れられた様子で村を出発したのかもしれない。


「んんっ……ぷぅ、そういえばティエラさん、これからどうする予定?」


「これから……ですか?」


「そう。冒険者なんて危険な道は諦めて、地元に帰って平和に暮らすのも良し、他のお仕事を探すのも良し、別の街で心機一転するのも良し……私が言うのもおかしいけど、別に冒険者だけが生きていく道じゃないからね」


「そう……ですね。今は……あまり……考えてないです」


「そっかぁーまぁ、時間は幾らでも有るからね。一応、明後日の日中まで宿は取ってるから、街に出るなり部屋でゆっくり考えるなりすると良いよぉ」


「……そういえば、私、宿代を払っていなかったんですけど……確か、三日寝ていて、今日と明日を合わせて五日分になるんですよね?」


「あ、それなら大丈夫だよ? 先払いって事で、オリヘンさんが払ってくれてますから」


「……ぇ?」


「ついでに言うと、気付け薬に食事代、宿泊代、クリーニング代、看病代、チップ代……合わせて銀貨十七枚の支払いを受けているよ?」


「え、えぇぇぇぇ――!?」


 笑い声と罵声で騒がしいギルドの中でも一際目立った声を上げる少女。

 周囲からの視線に顔を赤らめ、ペコペコと頭を下げる。

 冒険者たちは顔を見合わせ、笑いながらコップを掲げてくれた。

 気にするな、そういう意味だろう。


「どうしたの?」


「ぎ、銀貨十七枚ですか!?」


「うん、そうだけど?」


「銅貨にして千七百枚ですよね!?」


「うん、そうだね」


「あ、あわわわぁぁぁ……ど、どうしよぉ……」


 崩れ落ちるように椅子にもたれ掛かり、懐に仕舞っていた雑嚢に手を突っ込む。

 一枚、二枚、三枚……どう数えても銅貨二十枚ほどしかない。


「あ、そういえば、スライム討伐の報酬、まだ受け取って無いよね?」


「あ、は、はい……」


「確か、今回のスライム討伐は……銅貨四十枚くらいじゃなかったかな?」


「四十枚……私の全財産と足しても……六十枚くらい……た、足りないよぉ……」


「あはは、そりゃあ新米冒険者には厳しいよねぇ」


「ど、どうすればぁ……院に戻って……でも、院にもそんなお金なんて……」


「ふふふっ、困ってるねぇ――……そんなティエラさんに良いこと、教えてあげよっか?」


「え? い、良い事ですか?」


「そっ、その借金をどうにかする方法だよぉ?」


「お、教えてください!」


 少女は前のめりで受付嬢に迫る。

 先ほど同様、周りの冒険者の視線を釘付けにしているが、本人は気付いてないようだ。


「ふふふっ、それはねぇ……」


「そ、それは……?」


「このまま……トンズラするの」


 耳元に囁かれる妖艶じみた悪魔の声と酒場を駆け巡る黄色い叫び声。


「と、トンズラ……ですか……」


「そう、トンズラ、よ。よく考えてみて? 新米冒険者のティエラさんが銀貨十七枚、合法的な方法で返すのにどれくらい掛かると思う?」


「そ、それは……」


「正直言って、ヒーラー一人じゃあ、スライム討伐どころかオオネズミ駆除だって難しい。討伐以外ってなると、ペット探しや薬草拾いってなるけど……相場的に良いところ、銅貨二十枚ってところね。三日で一つ、クエストを達成するとして……ざっと二百五十日は掛かる。あ、衣食住にお金を掛けずにっていう条件での試算だけどね」


「二百五十日……」


 コップを握る手が震える。

 クエスト報酬を全て負債返済に当てたとしても二百五十日、食料や飲料を木ノ実と雨水で凌いでも……たぶん、現実はその二倍の日数は掛かる。


「……ノーヴァさん」


「リヘルで良いよぉー」


「……リヘルさん、ちょっと考えたいので部屋に戻っても良いですか?」


「大丈夫だよぉ」


「すいません、気を遣って頂いたのに……」


「ぜんぜんー」


「お酒とお食事、美味しかったです……あ、オリヘンさんのお部屋って……」


「ふふふっ、心配しなくても、オリヘンさんの部屋はティエラさんの部屋の一番反対側だから、同じ時間に部屋を出ない限り会わないよぉ」


「……そうですか。では、お先に失礼します」


 まだ疲れが残っているのか、フラフラした足取りで二階に上がっていく。

 彼女の姿が二階に消えたのを確認した受付嬢は、残りのお酒をグイっと飲み干し、軽い足取りでカウンターに戻った。


「あ、リヘル先輩! 突然いなくなっ……ってお酒飲んでるじゃないですか!」


「ふふふっ、サラちゃんも一杯どう?」


「だめですよ! 今勤務中ですよ!」


「ルナ君みたいな固い事言わないのぉ」


「か、固い事って……」


「それに、少しのお酒は身体にも精神的にも良いのよ? 勿論、仕事も捗る」


「えぇ――……ホントですか?」


「ホントよぉ? だから、サラちゃんも一杯だけ!」


「え、えぇ……でも……」


「じゃあ、コップの半分だけ! もう半分は私が飲むから! ねぇ! これ、蜂蜜酒だから甘くて美味しいよ!」


「うーん……ま、まぁ、一杯だけ……なら……」


「せ・ん・ぱ・い?」


 カウンターの前で引きつった笑顔を見せる非番の受付嬢。

 眉間に寄っているシワが怒りを隠しきれていない。


「あ、ル、ルナ先輩……」


「ルナ君じゃないぃーどうしたのぉ?」


「どうしたのぉ……じゃないですよ!」


「あ、今のモノマネ似てt」


「ぁ?」


「クエスト報告のある冒険者さんは並んでお待ちください――! あ、厨房係さん! リヘル先輩に水をお願いします!」


 さっと身を翻し、手元にある報告書を奥の棚に並べに行く若い受付嬢。

 額には変な汗が浮き上がっていた。


「ルナ君、後輩をイジメちゃだめだよぉ?」


「別に虐めてませんよ」


「サラちゃん、変な汗出てなかった?」


「知りません。それより、その酔ったフリをいつまで続ける気ですか?」


「……ふふふっ、バレちゃった?」


「バレバレですよ。だいたい先輩、普段は蜂蜜酒なんて優しいお酒、飲まないじゃないですか」


「おぉ、よく憶えてたね。さてはルナ君、私の事好きだな?」


「……まだ酔っているようですね。川で水浴びでもしてきますか?」


「この時間に水浴び? 風引いちゃうよ?」


「大丈夫です、馬鹿は風邪ひかないので」


「先輩を馬鹿呼ばわりしないでよ。お姉さん、悲しくなっちゃう……シクシク」


「……確か、裏口にハンマーが……」


「うわぁー、ルナ君大胆」


「……はぁ、もういいです」


 下女から受け取った水をカウンターに置き、二階に視線を移す。


「……ヒーラーの彼女に何か言ったんですか?」


「えぇ?」


「とぼけないでください。さっき、窓際のテーブルで二人で飲んでましたよね?」


「よく見てるねー」


「……確かあの冒険者のパーティーは」


「全滅したよ。それもあの子の目の前でね」


「……そうですか」


「うん。まぁ、運が悪かったって言うのも有るけど……ダンジョンだからね。仕方無いって言えば仕方無いってレベルだね」


「先輩の報告書を見るに推奨等級は……四等級以上でしたっけ?」


「探検するだけなら五等級の五人パーティーでも大丈夫だけど、ダンジョン内の魔物全滅と生存者の確保なら……四等級冒険者が五人か、三等級冒険者でも三人は欲しいかな」


「三人……ですか」


「そう、三人。罠などを潰す斥候、魔物撃退用の前衛職、援護専門の後衛職かな?」


 年長の受付嬢は水を一気に飲み干し、カウンターの端にコップを寄せる。

 本来、ダンジョンに関する魔物全滅の依頼など来ない。

 理由は簡単であり、ダンジョン内の魔物は外に出て人を襲う事が無いからだ。

 ダンジョンに関する依頼が有るとすれば、金持ちか貴族がお宝目的で発注するくらいだろう。


「まあ、あの人は一人でやっちゃったけどね。さて、私もそろそろ仕事に戻ろうかな」


 甘い香りを漂わせた受付嬢はいつもの制服に着替えるため、仕事部屋へ姿を消す。

 酒場の夜は長い。

 むしろ、盛り上がりはこれからだと言っても過言では無い。


 そんな中……一人の少女は大きな決心をする。

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 お待ちしております。


******

2019.3.4

見直しによる修正


(修正前)

「あ、あの! 夜は、夜行性の魔物が活発になります! は、早く街n」


(修正後)

「あ、あの! 夜は、夜行性の魔物が活発になります! は、早く街に――」



(修正前)

 それでも、悲しみが消える訳ではない。

 少女はこうして生き残り、仲間たちは土の中で冷たくなっていく。

 彼女は考えてしまうのだ。

 あの時、仲間を見捨てずに立ち向かっていれば?

 一矢報いる覚悟で魔法を放っていれば?

 罠だと気付いた時、すぐに後退する事を、声を大にして主張していれば?



 それ以前に……自分が仲間にならなければ?



「おかえりなさい!」


(修正後)

 それでも、悲しみが消える訳ではない。

 少女はこうして生き残り、仲間たちは土の中で冷たくなっていく。

 彼女は考えてしまうのだ。

 あの時、仲間を見捨てずに立ち向かっていれば。一矢報いる覚悟で魔法を放っていれば。罠だと気付いた時、すぐに後退する事を、声を大にして主張していれば。



 それ以前に……自分が仲間にならなければ?



「おかえりなさい!」



(修正前)

「そう、三人。罠などを潰すシーフ、魔物撃退用の前衛職、援護専門の後衛職かな?」


(修正後)

「そう、三人。罠などを潰す斥候、魔物撃退用の前衛職、援護専門の後衛職かな?」

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