箸休め~バレンタインデー~
初めましての人は初めまして。
リアルタイムでお読みになっている方はおばんでございます。
久しぶりの方はご無沙汰しています。
小説作成時BGM:斉藤朱夏 『パパパ』-Music Video-
あれ、そこねぇちゃん、冒険者じゃないよね? しかもその荷物……もしかして商人の人か!?
ねぇちゃんねぇちゃん!
おねぇちゃん、行商人だよな!? もしかしてだけど、チョコなんて売ってたりしないか!?
ん? どうしてチョコが欲しいのかって?
そんなの、今日はバレンタインのお祝い日だからだよ!
いや、本当はさ?
昨日冒険から帰ってきた時に準備しようかなって思ったんだよ。だけど、あいつが「飯だぁ! 酒だぁ!」ってさ。そりゃあ、あいつは前衛だから動き回るし、魔物相手によく頑張ってくれていると思うけどさ。
そのくせ酒が弱いのなんのって……
まあ、そんなこんなで準備なんて出来なくてよ。村にいた時は姉さんと一緒に作ってたんだけどよ。
だけど折角のお祝い日じゃねぇか? 柄じゃねぇのは知ってるけど……日頃の感謝を込めてって意味でも渡してやりてぇなってな。
優しいね、って?
いや、まあ、一応建前はさっき言った理由だけどよ……ここからはぶっちゃけた話をするぞ。
あいつ、周りの連中が貰っているのをすっげー羨ましそうな目で見てんだよ。しかも俺の方をチラッチラ見て、俺が「どうした?」って聞くと「チョ、チョコって非常食にどう思う?」なんて聞いてくるんだ。普段、肉だ酒だって言ってる奴が非常食にチョコって……もう少しマシな振りは無いのかよ。
ぶっちゃけ、可哀想だったってのが率直な感想だな。
村にいた時もあいつは親くらいからしか貰えなくて、同年代の他の奴が貰ってるのを羨ましいそうに見てたなぁ。
いや、俺は一応あいつの幼馴染だから、面倒をみてやる義理ってのがあるからな。それに目的の物を手に入れると、小さくガッツポーズするあいつは中々可愛いぞ?
「バレンタインのチョコレートって……男の人から女の人にあげるんですか?」
当ったり前じゃねぇ……って、そうか。村によってそういう風習が無い所もあるのか。確かにこの国でもあまりそういうお祭りムードはねぇからな。一部の冒険者同士や仲間同士でって感じだしな。
けど困ったな……あいつ、貰うまで粘るからなぁ。
え、チョコは無いけど売ってる店なら知ってる? 東大通りに馬車でお菓子を売っていた商人がいた?
まじか! 助かる!
あいつが来るまで残り六十グルくらいだから……やべぇ急がねぇと!
助かったよねぇちゃん!
今度会ったらねぇちゃんの店利用させてもらうぜ!
じゃあな!
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