第四話 サイコメトリーコンピューター
「全員、殺すだ? 言ってくれるぜ。俺がいる限りそうはさせないぞ、ベリアル!」
RYOはギラリと青い瞳を照らし鋭い眼光で殺人現場を見遣っている。表情には人が死んだ悔しさもにじみ出ているようだ。RYOは何やら懐のポケットから取り出した
「な、ノート型パソコン?」
「サイバーアイズが極秘に開発した『サイコメトリーコンピューター』よ」
「サイコメトリーコンピューター?」
翔が思わず驚嘆する。コンピューターにはサイバーアイズの紋が入っていた。
「コンピューターから光が出ているでしょ。あれは特殊な光で当たった物のデータを浸透して調べることができるの。検死、DNA、死亡推定時刻も調べることが可能よ」
光が死体の隅々まで当たっていく。一同が信じれない光景に唖然となった。野志穂警視はこれが当たり前なのか、驚いた様子もない。
「黙ってろ、捜査中だ」
パソコンの画面に死人の色々な情報が出てくる。
カタカタとRYOはキーボードを巧みなスピードで叩いていく。
「解読完了!」
一呼吸置いてRYOは重い声で言い放った。画面に解読完了のコマンドが出た。
「検死データが出た」
一同が息を呑む。そして、RYOが話を切り出した。
「死亡推定時刻は昨日の1900~1940分の間だな」
顔を少し曇らし身体を少し後ろの方へRYOは動かす。黙考しているようだ。
なにか直感があるのか?
翔とカナが口を突っ込みたそうな雰囲気だ。
「昨日? 私たちがくる前ね。RYO、ダイイングビジョンはどうなってるの?」
野志穂警視は腕組みをしたままRYOに尋ねる。
「待て、今、サイコメトリーコンピューターで解読している!」
RYOがキーを弄ると画面に何か出た。
「ダイイングビジョン?」
若菜が不思議な顔をして声を漏らした。
「なんのことなのかな?」
カナが続けて不思議そうな顔で見つめながらいった。
「私が説明するわ。サイコメトリーコンピューターで解読できるのは、人間の身体能力や、記憶、殺された時の人間の身体のコンディション、人が死ぬ間際に覚えていた例えば、殺される寸前の記憶をこのサイコメトリーコンピューターで見ることが出来るわ。その死ぬ直前の被害者が伝えたかった記憶のことを私たちサイバーアイズでは、ダイイングビジョンと呼んでいるわ」
野志穂警視が若菜とカナの方を向いて説得力のある声で説明していく。
「要するに死者のダイイングメッセージのイメージ記憶が見えるってことっスね」
翔が閃いたようにポンと手を叩き、暗い雰囲気を一新するような明るい声でいう。
「ま、簡単に言えばそういうことね」
「それじゃ、犯人なんてすぐに判っちゃうジャ……!」
慌てて喋ろうとした翔の口を若菜が手で押さえた。
「(翔君、捜査中よ、黙ってて)」
若菜は黙っててと声に出さず翔に目利きした。
「そう簡単にはいかないのよ」
「ダメだ、人体プログラムを弄られてイメージビジョンが全てブロックされている」
RYOは悔しそうに舌打ちし巧みにキーボードを叩いていく。
「人体プログラム? 何ですか?」
カナが不思議そうな顔で訊いた。
「サイコメトリーコンピューターでいう、人の情報のことよ。人の情報をインフェルノは特殊な技術で人間の海馬をいじくり分からなくすることが可能なの」
野志穂警視は人差し指を差し出し淡々と説明していく。
「そんなことが可能だなんて」
近くにいた櫻井が口を開いた。近くに三日月という女の人もいた。
「(人体プログラムヒート光を使ったのか)かなり、手練れだな。やるな、ベリアル!」
RYOは次々に巧みに叩き、サイコメトリーコンピューターでブロックを解いていく。
「なら、海馬に対抗プログラムネクサス光を送り防御プログラムをいじくるまでだ」
何やら複雑なコードをサイコメトリーコンピューターに入力すると特殊な光が出て死体に当たっていく。
何やら送った瞬間、サイコメトリーコンピューターにイメージ映像が映し出された!
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