第三話 第二人格!? サイキックトランス
「潜伏って、一体、どういうことなんですか?」
「私は、インフェルノの一員がこっちに向かったと訊いて追いかけてきていたの」
その時だった! 翔が何かを見て腰を落とし大声を出した。
「ぜ、全員殺す!」
「キャァ!」
カナが悲鳴を上げた。
発見してからしばらく経ち室内温度が上昇したせいか、なにやら『全員殺す』という赤い文字が壁から浮かび上がってきた。
「みんな、慌てるな」
涼は浮かび上がってきた文字を注視する。いつもとはなんだか違う様子だ。言動が力強い。
「ちぃ、くそッ。予告状か、やってくれるゼ」
涼は拳をぎゅっと握った。
「首が掻っ切られてる」
死体の首もとの切り傷がよく見えるように涼は、しゃがみこんだ。一同が言葉を濁した。
「傷口からして鋭利な包丁みたいな刃物だろうな」
涼は切り傷をよくみて、判ったようにいう。後ろで野志穂警視が注意深く顎に手をつけ見遣っている。
「許せねぇ、人の命をなんだと想っているんだ」
涼は憤り手を振るわせた。
その時だった。涼の様子が変わった。
「あぁぁっぁぁぁ!」
なんと雄叫びを上げると同時に涼の髪の色が銀色へ変わり瞳の色が薄い青に変わった!
「りょ、涼、師匠!」
翔がびっくりし、頓狂な声を上げた。
「か、髪の色が変わった? そんな嘘でしょ?」
涼の身形が激変したことにどうしていいか判らずカナは口をポカンとあけたままだ。
野志穂警視以外、面食らい唖然となり沈黙が続いた。
「上等だ! 俺がこの謎を解いてやる」
声が少し変わり、青髪、蒼目に変身した涼は若菜の前を闊歩していく。
「どいてろ、若菜!」
「涼が変わった(鋭い眼光、涼じゃないみたい)」
涼の闘志みなぎる眼光をみて、不安そうな顔を若菜はする。
「驚いているようね。これはサイキックトランスよ」
野志穂警視がそういうと一同が息を呑み静まり返った。
「サイキックトランス? 野志穂警視、どういうことなんですか?」
「ディヴァージュ覚醒したのよ。サイキック・ディヴァージュ薬を投与され、もう一人の意識が体内に生まれた時にできる特殊能力よ」
警視は淡々と説得力のある声でいい、変身した涼に目利きする。
「もう一人の意識? 涼の中にもう一人、違う誰かがいるってこと?」
若菜は怪訝な面持ちで信じれないといった感じだった。
だが、現に髪の色と瞳の色が変わり、変身しているではないか。今あることが真実だ。
「彼はサイバーアイズのサイキック捜査官、コードネームRYO。通称『蒼き竜』よ」
野志穂警視はかなり大きいグラマーな胸の辺りで腕組をし、プルンと震わせた。綺麗な声で涼のことを話していく。
「蒼き竜?」
「りょ、涼先輩!」
若菜が心配そうな顔で涼を見遣る。続いてカナが口を開いた。カナの前を堂々とRYOは歩いていく。
「もう一人は天使か悪魔か。彼の瞳が蒼く光るとき、IQ推定値は250を超えているわ」
野志穂警視が上司として軽く褒めた。
瞳の色が確かに青に変わっている。眼光が鋭い。どんな謎でも解き明かすかのようだ。
☆☆
第四話につづく。up予定。




