第5話 探査機
第5話です。
謎の現象が起きてから約半年経過した2030年12月24日—
今日は、一年に一度のクリスマスの日ではあったが世界中のほとんどの人々は、あるニュースを見ていた。ISDMが、今日、生命が存在する可能性の最も高い惑星オネイロスに探査機を打ち上げるのだ。
探査機の名前は、『NEW WORLD』。
英語で新世界という意味である。突然不可解な現象により不可思議な星系に飛ばされて、そこの探査に飛び出すのだから直球ながら実に丁度良い名前と言えるだろう。2段ロケット式で推進力には、イオンエンジンが搭載されており十分な推進力を得ることが出来る。もっと速いエンジンや推進方法も存在しているもののオネイロスの周回軌道に入ればいいのでイオンエンジンが最も適していると思われた。
そして、遂にその時はきた...
『three』
『two』
『one』
『zero』
0の音を告げると同時にロケットは、大きなエンジン音と光を出しながら今、世界中の人々の期待と歓声を乗せていく。『NEW WORLD』は、どんどん高度を上げながら大気圏外に一直線に飛び出した。何の事故も起こさずに無事地球から宇宙空間へ飛び立っていったのだ。
探査機は、宇宙空間に入りイオンエンジンを使いながら目的地へと向かってゆく。
約20日後、オネイロスが明瞭に見えてきた。(探査機視点です。ISDM側には、見えていません)
雲で見え隠れしているものの大きな2つの大陸と青々とした水であろう海が見える。
26日後、探査機は減速を繰り返しながらオネイロスの重力圏に入ってゆく—メンバーは、慎重にカメラを積んだ探査機を周回軌道に乗せていく。
そして—1月20日、周回軌道に無事入ることに成功しプロジェクトメンバーは、喜び合った。そして、待望のオネイロスの写真が探査機『NEW WORLD』を通してISDMに入ってきた。
そこまでは、何の問題もなかったが、そこには、とても信じられないものが映し出されていた——
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イオンエンジンとは
はやぶさなどで有名になったため、知っている人も多いかもしれないが、イオンエンジンは、電気推進とよばれる方式を採用したロケットエンジンで、マイクロ波を使って生成したプラズマ状イオンを静電場で加速・噴射することで推力を得るものだ。最大推力は小さいが、比較的少ない燃料で長時間動作させられる特徴をもち、打ち上げられた後の人工衛星や宇宙探査機の軌道制御に用いられることが多いエンジンである。
全体的に読みやすさを改善しました。2月3日