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死神の秘術とマスターキー  作者: 高須もやし
第一章 カタルシス編
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3話#疑惑

遅くなりすいません。次からバックアップはしっかりとるように気を付けます、、、。

「襲撃者?それは災難だったわね」


「災難だったわねってお前。そこは普通もっと驚くところだろ」


 一夜が明けた。襲撃者の遺体は夜のうちに警察のほうが片付けたらしく、統一された制服に身を包んだ学生たちが何も知らずにその血しぶきがあった上を歩いている。


 佑馬もそんな群衆の一人となり、同僚にして同級生の綾辻由乃あやつじよしのとともに街路樹が植えられた道を校門へと進んでいた。


「あなたのことだから、どうせ返り討ちにしたのでしょう?驚きたくても驚けないわよ。むしろ、容疑者、というかほとんど犯人のあなたがこうして学校に行けていることの方が私には驚きなのだけれど」


「ああ、それに関しては優羽が熱心に証言してくれたみたいでな。詳しい事情聴取は後日また行われることになった」


「優羽って、寝てばかりのあの子が? ……ねぇ荻萩くん、あなたはあの子のこと気にならないの?」


 ひそっと内緒話をするように、由乃は声を潜めた。それにつられて佑馬の歩も自然と緩む。一瞬考え込んだ後、佑馬は昨晩思い当たった一つの仮説を、疑問符を添えて口に出した。


「由乃、お前も優羽が精神干渉系の術の使い手だと思うか?」


「ええ、昨夜のアレはまず間違いなくそうね。横から見ていたけれど、あの子の瞳、というかまばたきの動きが、明らかにあなたの体内周波数を乱していたもの」


「やっぱりあの妙な目眩はそうだったか。でも由乃、精神干渉系のプログラムは開発されていない上に、精神干渉には操る側にも相当の精神力が要求されるって話だ。優羽にそんな真似ができるとは到底思えないぜ」


「それは私も同感だけれど…… もしあの子が原初体ならプログラムがなくても術は使えるはずよ。それに、精神干渉はメインの能力じゃないって可能性も……」


 まれではあるが突然変異的に、プログラムを投与しなくても術を使えるようになることがある。そうした「原初体」と呼ばれる彼らの中には、全く新しい系統の術を発現させる者もいた。由乃は一つの可能性としてそのことを指摘した。が、特に根拠があるわけではない。だから、


「どっちにしろ、優羽に直接確かめるしかなさそうだな」


 という佑馬の結論に賛同するしかなかった。そこへ、


「祐くん、呼んだ?」


「うわっ!ゆ、優羽か、なんでお前がこんなところに!」


 不意打ちだった。噂をすれば、とはよく聞くが、あまりの唐突さに佑馬は思わず叫んでしまう。


「ふっ、ふっ、ふっ。優羽は今日から祐くんと同じ学校に行くんだよ!」


 両手を腰に当て、ない胸を張って得意気な顔の優羽。なるほど確かに、優羽が着ているものと同じ制服が周囲を行き交っている。


 しかしその袖は余って手が完全に隠れているし、男の目を集めるミニスカートも膝くらいの丈になってしまっていた。


 そんな残念な感じの、しかし全く意に留めていない様子の優羽を佑馬は優しく頭をなでながら諭す。


「あのな、優羽。背伸びしたい気持ちも分かるけど、高校は高校生の来るところなんだ。中学校はその道を右に曲がったところにあるから、ちゃんと着替えてから行けよ」


「むー。なでなでは嬉しいけど、優羽は子供じゃないもん!祐くんと同じ高校生だもん!」


「ははは、またまた~」


「むむむ、どうしても信じない気だね、祐くん!優羽は怒ったよ。こうしてやるっ!(かぷり)」


 ぷんぷんと擬態語が付くようにほっぺたを膨らました優羽が佑馬の手に噛みついた。佑馬がどんなに腕を振り回しても犬のように噛みついたまま離れない。


 その時、いつの間にか目前に来ていた校舎の方からアナウンスが聞こえてきた。


『二年六組荻萩佑馬くん、いましたら大至急、職員室のほうまで来てください。繰り返します――――――』


「いててて。ほら、呼び出し食らったみたいだから行ってくるよ」


「ふがふがふがふががふが!(信じるまで離さないよ!)」


「いいから離せって!ほら、こうしてやるから(頭ポン)」


「…………!ぷはっ!」


「そんじゃあ、気を付けて学校行けよ!」


「やっぱりまだ信じてくれてないね!祐くん、逃がさないよ!」


 噛まれた左手を痛そうにぷらぶら振りながら走る佑馬と、それをてってってっと追いかける優羽を由乃はポツンと見送る。


「……ほんと、何だったのかしら」


 そして、始業が近づき辺りに人が少ないのをきょろきょろと確認してから、由乃はそーっと手を自分の頭にポンと乗せた。


「……自分でやっても全然嬉しくないわね」


だいぶ遅い時間帯の投稿でしたが、読了ありがとうございます。

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