プロローグ 少女はいつもキララかに
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この世に自分好みの女の子は、たしかに存在する。
ただし、彼女は元から女の子だったわけではない。そうではない状態で産声を上げ、そうではない人生を歩んできた。なのに、いわゆる「ひょんなこと」から、もう一つの人生にシフトチェンジしてしまった。
たとえば「起きたら女になっていたり」。
たとえば「転校生と入れ替わってしまったり」。
たとえば「変な薬をかけられてしまったり」。
たとえば「元から仮性半陰陽だったり」。
パターンはさまざま。
だけど、シフトチェンジによって「困惑したり」「試したり」するのは、全てに共通するお約束だ。ここにとてつもないロマンが詰まっている。ハンバーガーの包み紙を引きちぎった時のようなワクワクがここにある。
包み紙の中に入っているのは、たぶん析出された女性らしさだろう。主体が男であるからこそ、求める女性をかみしめることができるのかもしれない。
もちろん……彼女なりに手を尽くしたり、あるいはその姿で他者と関わっていく中で、自分が女性であることを思い知らされる彼女は、次第にその状況にも慣れてしまう。当然ながら、ただの女になってしまえば、私の好みではなくなる。
だが、まだロマンは残されている。
むしろ、ここに一つの「絶頂」があると主張したい。
女性であることに慣れた彼女は、きっと恋をする。
今までなら、ありえなかったはずの恋。
心と記憶と人生が決して許さない恋心。
それらと折り合いをつける中で、戸惑い続けるであろう、多感な彼女。
人の悩みを愛するなんて我ながら後ろめたいことである。
だけども、我々はそれを希求してやまないのだ。
仕方ないのだ。
いいじゃないか。
許してくれたまえよ。
二次元なんだから。(大和路快足拝)