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東西南北

 東と西には、相容れない深くて暗い溝がありますね。


 関西人の私は、横浜に住んで実感いたしました。


 いろいろありますが、まず味覚。

 これほど違いを見せつけられ、受け入れられない、と思うことはありません。

(NHKのマッサンのエリーさんとか、すごいと思うのです。ごはんとか、味噌汁とか作っちゃって。わたしなんか、海外に行ったとしても日本食しか作りませんよ!)


 関東は、関西に比べて味付けが濃い。

 というのは分かっていたのですが。


 それに加えて。

 なにもかも甘い。

 これが受け付けられないんですね。


 お菓子じゃないんだから!


 卵焼きに始まり、野菜の煮びたしとか煮つけとか。

 すべてに砂糖もしくはみりんが入っている!


 一度、名古屋のある店で出てきた茶碗蒸しが甘くてですね。

 茶碗蒸しが甘い!? プリンじゃないんだから!?

 ショックのあまり、しょうゆをかけて食べました。

(名古屋の茶碗蒸しは甘いのでしょうか? それともその店だけ?)


 野菜の煮びたしなんかは、ダシと油揚げと薄口しょうゆだけで、いいんじゃい! 

 なぜ、そこに甘みを投入するのか? と思ってしまいます。(切り干し大根とかもそうですよ。甘い切り干し大根を食べてショックでした)

 ひじきの煮つけも、肉じゃがでも、やっぱり関東は甘めなんですね。

 主人はハマっ子ですので、私の料理には甘さが足りない、と申します。(無視しますけどね。身体には甘いより私の味の方がいいでしょう)


 一番地域の違いをしめすのは、卵焼きなんじゃないかと思います。


 関西は、ダシと塩もしくはしょうゆで味を決めるのが普通ですね。


 名古屋から向こう、東は必ず甘みが加わります。

(甘い卵焼きはお寿司の上だけで勘弁してください、と私は思ってしまいますが)

 これが東北に行くと、あまじょっぱいんですよね。

 そして九州になると、またあまじょっぱい卵焼きになるんですね。不思議です。


 船に乗っていた時のお話をさせてください。

 約50名の乗組員のみなさんの食事を日々提供するのが私の仕事でしたが、乗組員は日本各地出身の方々ですから、大変。

 好き嫌いもそれぞれありますでしょうし、そもそも全員の味覚に一致する食事なんて出せるわけがないのです。


 東北の方が多かったですから、味噌汁は関西人の私にはびっくりするほどの味噌の濃さでだしておりました。(これも次第に舌が慣れていくのですが)


 刺身がメインメニューのとき、関西では刺身やお寿司のときの汁は赤だし、という認識でいましたのでそのメニューのときに赤だしを出しましたら……みんなにヘンな顔をされました。(あれって、関西だけなのでしょうか?)


 高野豆腐を出したら、みんな食べないし!

(関西人にとっては給食にも毎月バンバン出てくる定番家庭料理ですよ。嫌いな方が多くてびっくり。なんだか食感が食器洗いスポンジのようで嫌だとか)


 酢を使った料理が多すぎだと言われるし!

(やはり関西では酢を多く使うみたいですね。でも、身体にはいいはずです)


 ショックなのは小鉢で出した、しし唐!

(私にとってメインをはるぐらいの野菜だと思っていたのですが、他の地域の方々は彩としての添え物やてんぷらの中の一本ぐらいの存在でしか思ってなかったようで。皆さん手を付けず、撃沈でした)


 《※しし唐は夏のビールのお供の一番の野菜ですよ! 袋買いして、ヘタをとって、ぎゅーとフライパンで押し付けて空焼きして、そばつゆと鰹節をかければ。毎日食べたくなる一品です。どのつまみよりも、イケてるのに! たまに当たる辛いしし唐にスリルを感じます。》


 そんな感じでして、万人向けの料理を出すのは本当に大変だなあ、と日々身に染みて感じておりました。(そうなるとカレーライスとかハンバーグとか焼きそばとかお好み焼きとか、本当に優秀なメニューだなあと思うのです)


 さてさて、横浜に住んでおりましたときにもこのような味覚の文化の違いに戸惑い、関西の味が懐かしい! と思っていた私でありますが。それでも地元の関西より関東の方が美味しいな、と思ったものもあります。


 それは、お寿司とお蕎麦。


 やっぱり、江戸前寿司ですね。これは本当に関東の方が美味しい。

(そういえば、関西のスーパーなら必ず置いてある巻きずしは、関東のスーパーには置いてありませんね。あれは、不思議でした)


 お蕎麦はやっぱり、江戸っ子の食べ物なんでね。江戸のものが美味しいと思います。(饂飩はやっぱり関西の方が好きです)


 それ以外はどうでしたでしょうかねえ。


 鰻。これは、やっぱり関東の味付けは私には濃すぎでしたー。


 おでん。

 わたしの実家では牛スジを必ず入れますが、関東はそうでもない。(実家で入れるのは硬いスジのほうですよ。九州の方だと、ぶりぶりしたコラーゲンたっぷりのアキレスを入れますよね)

 はんぺん。

 はんぺんなんて、実家では入れたことも見たこともありませんでした。でも、関東に来てはんぺんを食べて美味しいとおもいましたね。

 そして関東では人気のちくわぶ。皆さんがおススメされますが、すみません、私の好みではイマイチ。


 ところで関西人が避けるとよくいわれている、納豆について最後お話をいたします。


 関西ではあまり食べられないと言われる納豆。

 私の実家ではよく食べました。大好きです。


 でも、私の実家では定番の食べ方しか知りませんでした。

 納豆に附属の調味料の味をつけただけのものをご飯に乗せて食べる方法しか知らなかったのです。

 それを。

 静岡の専門学校に居たとき、他の寮生がしている食べ方をみて、カルチャーショックを受けました。


 卵を混ぜるの!?


 卵ご飯のように、といた卵に味を付けた納豆を入れたのをご飯にぶっかけて食べる。

 友達がそうしていたのをみて、おそるおそる私も試してみましたら。


 美味しい!

 なんだ、この、卵ご飯と納豆ごはんのいいとこどり! みたいな。

 今では大のお気に入りの食べ方です。


 ……今回はつらつらと食べ物に関して書き散らかしてしまって申し訳ありません。


 生まれ育った場所によって好みのちがいはあるけれども。

 東西南北、美味しいものはどこにでもあるので、いろんなものを食べたものがちですよ。

 食わず嫌いはいけないですよ。

 ということにさせてください(笑)

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