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恵まれている?

 船乗りの主人は休暇が約一ヶ月あるわけですが、その間ずっと私と子供のもとにいるわけではありせん。

 私たちと一緒にいるのは、その半分ぐらいでしょうか。あと半分、どこにいるかといえば、主人の実家のある神奈川にいます。

 まあ、現在私は子供たちと共に私の実家にいますし、マスオさん状態にある主人にはどうしても居づらいので、その方がいいんじゃないの、と。

 平日の昼間、子供は保育所、私は仕事です。休暇である主人はすることがなく私の両親とずっと家で過ごすことになるので、まあ気が休めないと思います。これはしょうがないでしょう。

 神奈川の実家近くの友人とも会いたいだろうし、気の済むまで残りの休暇は自分の実家の方で羽を伸ばしてほしいと思います。

 お互い気楽な関係で、これはこれでいいんじゃないか、と思います。


 何ヶ月も、ぶっ続けでする仕事ですから、休暇は本当に大事で貴重な時間です。私が仕事してたフェリーは20日間勤務と、主人の貨物船に比べると短期間ですが、それでも休暇の貴重さを身にしみて感じました。休暇中はその間に必死に休んで、遊んで、心の健康を取り戻さねばなりません。


 一番辛いのが、乗船前。これは本当に気が狂いそうになります。陸の人が感じるブルーマンデーの百倍くらいと申しますか。港に着いて船が見えたとたん、胃がきゅう、として逃げ出したくなります。


 ーー話は変わりますが、陸の人が海にきた場合、みんながみんな、海の仕事をしてればどんな仕事だってできる、と口を合わせておっしゃっていました。

本当なのかな、と船に乗っていた時の私は疑っていたのですが、実際、船からおりて陸の人間になって私は思いました。



 大部分の陸の仕事は、海に比べればどう考えたってラクだーーーーーーーーー!



 ……はあはあ。

 思いっきり、叫ばせていただきました。


 いえ、どんな仕事も大変なのは分かっておりますが。

 毎日、帰宅出来るじゃないですか!

 職場から離れられるじゃないですか!


 そういうことです。

(産科医さん、小児科医さん等、または生まれたての赤ん坊がいるママさんなんかは相当キツイでしょうね。職場から離れられないですもんね)ーー



 ですから主人は、以前、横浜に住んでおりました時にも、割と下船中あちこち出掛けておりました。

 一人、もしくは友人と何泊か旅行行ったり、富士山に登ったり。

 私は、そんな主人を特にどう思うこともなく送り出しておりました。

 そういうとき、職場の同僚やママ友に、主人のことを聞かれ、

『あ、今旅行に行ってるんです』

 と答えようものなら。

 皆さん、すごい剣幕で怒ってくださいました。


『なに、それ! 普段いないくせに! ひどい!』


 おお、と面食らったのは私です。

 そこ、怒るポイントだったのか! と。


 ここが陸の人と違う感覚なんだなあ、と思いました。

 どうやら、小さい子供がいる陸の一般的なパパさんは、おいそれと妻や子供を置いて遊びにはいかないものらしいですね。気を使うパパさんは、飲みに行くのも控えるとか。知りませんでした。


 そうかあ、と思いながらも、主人がいない方が普段のペースを崩さずに生活できる私と子供。それからも、そのままでいましたけども。


 この間ママ友から、私の主人は財布も別だし世の旦那たちから見るとすごい恵まれた旦那だよ、と言われまして。


 うーんそうかあ……。

 と、少し複雑な気持ちです。


 まあ、船乗りのヨメである私の立場が一番恵まれてるんですけどね!





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