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田舎の特徴

 主人が下船中の時。

 一緒に外出して、帰宅しましたら。


 なんと家には絨毯がありました。

 しかも二枚。


「大阪からオバちゃんと息子の行商さんが来てなあ。絨毯要らんか、て」


 と、説明する母。


 離れ(田舎の農家なんていうのは、無駄に家が広いものです。元、牛小屋とか)に二枚広げてあります。

 3メートル四方のオリエンタルな模様の絨毯。


「あっちは、シルバー。よく見たら光ってるやろ。綺麗やろが」


 とりあえず気になるのはお値段です。


「何円したん?」

「梅阪で売ってるような上等なやつらしいで。残ってるのを、持って売り歩いてるんやって。ペルシャの絨毯や」

「ふーん」


 綺麗でした。毛足は短く、夏にも使えて、シルクも入っていて光沢があります。中東のモスクの壁に描かれているようなあの模様です。


「綺麗ですね。おいくらだったんですか」


 と主人。


「お値打ちもんでなあ。店頭のもんより、かなり安いみたい」


 その行商の方が言ってるだけかもしれませんが。

 鑑定眼なんて私も主人も持っていませんが、良い品物だと二人とも思いました。主人は自分の実家にも一枚くらい買おうかな、と思ったそう。


「◯◯(近所の親戚……田舎は近所中が親戚だらけだったりします)さんとこと、◯◯さんとこも行ってんて。どっちも買いはったらしいわ。それで最後にウチんとこ来て、最後の残りやから安くしときます、て。言うてはるだけかもしれんけどな」

「ふーん、どれくらいすんねやろな」

「◯◯さんに、買ったお値段教えやんといてくださいね、て言われたわ」



 ーー結局、値段はいくらやってんやろね、と後で主人と話しましたが。(今でも分からず)


 後日、この事を思い出して話題にあげ。


「でも、すごいよね。田舎の家、て常にそんなに大金が家に置いてあるの?」


 主人の言葉に、私も考えて驚きました。

 確かにそうですね。普通なら、郵便局や銀行にいってお金をおろしてこないと買えない額ではないでしょうか?

 ウチだけやなく、◯◯さんとこも◯◯さんとこも、そのまま即買いしたってことやな。そう考えるとすごいな。


「この前、俺一人で留守番してるときさあ、どこにそんな大金置いてあるのか、家捜ししようと思ったよ」


 おい!



 ……というわけで田舎の家なんてのは、お金が常にそれなりに置いてあるものなのです。

 狙い目ですよ。

 行商さんはそれを見こして来るんだなあ。





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