船生活のメリット デメリット
船生活のメリットとデメリットを、お話したいと思います。
メリットについて
1 お金が貯まる
乗船中は、全くお金がかかりません。
下船中に派手に使わなければ、貯まっていく一方です。割とお金を使っていると思っていてもそれなりに貯まります。(同期で通帳残高なんか確認したことなんかない、という派手に遊ぶ子がいました。そんな子でも、やっと通帳を確認した際、貯まっていたから驚いた、と言ってました)
2 休暇が長い
フェリーなら十日〜十六日、貨物船なら約一ヶ月間の休日がありますね。
海外旅行も行けますね。
私は、あんまり旅行に行きませんでした。もったいないなあ。
下船中は疲れて、昼も夜も泥のように眠っておりました。
あ、月曜日が好きでした。
サラリーマンの皆さんがブルーマンデーに出勤するのを見ながら、私今日休みなんですよ、今から映画観に行くんですよ〜、とみんなが仕事しているさなかに遊びまくってやるぜ、という優越感が好きでした。
3 出勤時間がない
朝、部屋で起きて顔洗って制服に着替えれば、そのまま職場まで直行です。
六時半出勤なら、六時十五分に起きれば十分です。
(化粧禁止でしたので。非常にラクでした。客室乗務員なら、メイクする時間、男性ならヒゲそる時間は出勤前には必要ですね)
4 衣服が要らない(乗船中は制服《作業着》+部屋着生活ですからね。主に下船中の話です)
乗船してるうちに、季節が変わってるんですってば。
ワンシーズンに一着、勝負服をもってれば、私はこと足りると思いました。
下船中に毎日同じ人と会うわけでもないし、毎日デートがあるわけでもないんですから。いや、一着で十分でしょう!
……これが陸に降りて一番嫌だった点です。陸の女の人は、衣服に靴にこんなに金をかけなきゃいけないの? とイライラしました。毎日同じ服着て、通勤できませんもんね?
通勤服にこだわるオシャレなOLさんなら、一体、一年でどれくらいお金がかかるのでしょう?
次はデメリットです。
1 プライバシーゼロ!
乗組員の部屋の壁は薄い! 隣の部屋の音が丸聞こえです。
会話や、隣の先輩が観てるAVの声とか。(私が居ないと思い込んでイヤホンしなかったようです)
咳してるなあとか、あ、いまテレビのチャンネル変えたなあ、なんてこともわかります。
ですから、主人(その時は彼氏)と電話で話す時は小さい声で話していました。
いつだったか、A先輩が隣の部屋にいた時、
「○○(私の名前)は、クスクス笑ってる声は分かるけど、何話してるか小さくて分かんない!」
と、文句を言われたことがありました。
……いや、聞いてくれなくていいですから、先輩。
2 ストレスがたまる(公私混同)
陸の人は、帰宅すれば仕事とは離れられますよね?
船だと……食事は職場の人間と常に一緒!
お風呂場で先輩と一緒!
寝起きに上司とトイレですれ違い、朝の挨拶。
就寝前に、またトイレで上司とすれ違い、おやすみなさいの挨拶。
……下船するまで、気が休まらない! 常に仕事モード! なのです。
たまに一人部屋じゃなく、団体部屋に入った時のストレスは尋常ではありません。
3 生活が不規則
これは、私のいたフェリーではなく貨物船の話です。(フェリーでも、貨物船同様のシフト体制のところもあります。)
ウォッチ(シフト体制)は0〜4、 4〜8 、8〜0に分かれます。
一日八時間、例えば4〜8に当たると、朝の4〜8時、夕方16〜20時が勤務時間になります。
4〜8 、8〜0はまだいいのですが、やはり深夜の0〜4 に当たると身体がキツいです。
そして、その間に入港や出港が入ると全員態勢なので仕事はぶっ続けになります。学生時代、アルバイトで乗ったフェリーはこのシフトだったので、はて、風呂に入るのはどのタイミングで? と迷った記憶があります。
4 早死にする
退職まで、船で勤続された男性。
短命な方が多いです。
やはり、空気の悪さが関係してると思います。
潜水艦乗りは、超短命という話を聞きます。
私の知っている中で退職された方々は、五、六十代で亡くなられてましたね。
船では、娯楽が食事や煙草、酒ぐらいしかないですから、煙草を吸う人は多いです。
退職後の生活が一変するというのも、関係するかなあとも思います。
仕事もなく、今までいなかった家にずっと居る。
多大なストレスでしょうね。
主に思いつく点をあげてみました。
この先も、他の点を紹介していきたいと思います。(デメリットならまだまだ沢山出て来ますね)
個人的な意見としましては、若い女性にオススメの職業です。
海外留学とか、何か他にしたいことがあるとか。
そういう女性が、夢の実現のためにお金を貯めようと何年か働くのにはいい仕事かなあと思います。
(私も退職後、専門学校に入りました)
また、結婚資金とマンション購入費を貯めたら退職して、彼氏と結婚して、あとは、少々余裕のあるパート主婦生活を!
という選択もアリかなあ、と思います。
(私の同期は、そのパターンが多かったですね)