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定義

『ある朝、◯◯が何か気がかりな夢から目をさますと、寝床の中で自分が一匹の巨大なデベソに変わっていることを発見したーー』


 ……ということが起こり得るのが、妊娠後期であります。


 おへその中身が久しぶりに露出!

 自分のお腹の大きさに失笑。

 起き上がって立ち上がるのに、非妊娠時と比べてひと手間ふた手間も重心移動の工夫が必要であります。

 恥骨? 括約筋? 緩んできているのか立ち上がる時、少々痛いです。


 臨月に突入いたしました。


 痛い! と思ってお腹を見下ろすと全体が片側に寄ってたり。

 体内から肋骨をキックされ、うぐ、となったり。

 腕や足がうにょ、と突き出ていたり。

 日常です。


 さて、気になる体重増加ですが。今まででトータル8キロ増! (臨月はほとんど増えない。毎回私は少し減るぐらいです。安心していいでしょう)

 食べづわりで増えたのは3キロぐらいで今回はなんとかおさめられたようです。

 私、頑張った! 気持ち悪かったのに頑張りました!


 ーーと、安心したつい昨日のことです。


 ふと、私は風呂場で自分の背中を見ました。

 今までお腹の出てる前面しか気にしてなかったので、背面をまじまじと見たのは久しぶりだったのですが。


 ……あれ?


 ……な、なんか。

『マダム』って感じの身体になってしもたな……。


 首から肩にかけてのラインとか。

 背中がひとまわり脂肪がのって大きくなったと申しますか。


 私はもともと痩せ型で長女のジャイ子を妊娠するまでは、あばらも浮いてて、肩甲骨もくっきり天使の羽のようだったのですが。


 も、もう華奢な肩まわり、とは言えへんな。

 むしろ少し迫力? ……いや、でも、ブラの紐が食い込んでたり肉が乗っかってる訳でもないし。

 うん、まろやかに肉を帯びたというか。

 これぞ女体、て感じやな。色気は増したんちゃう?

 コレもアリ、やろ? うん、アリやな!


 ……と、主人に電話にて(乗船中)報告しましたら。


 ーーいや、ナイだろ。


 と、速攻の返事。


 ……マジですか?!


 ーーえ? あばら浮いてるより今の方がいい、て言うとったやん(ジャイ子出産後プラス5キロ時)


 ーーうん、あの時がベスト。あれ以上は、ない。


 なんと!


 ーーた、たった3キロ、やで? 前はもっと上半身に肉つけろ、て言うてたで?


 ーー……前はそう思ってたけど。肉がついたらついたで、適正範囲ってものがあることに気付いた。


 適正範囲、狭っ!




 ……こういう、自分の思っていた範囲といいますか定義が、他人とは全然違うということにショックを受けることはよくありまして。


 以前にもありました。


 それは『熟女』の定義。


 ーー熟女、ていつから熟すんやろ?


 と、主人になんとはなしに聞いてみたある日の私。

(職場で一度聞いてみたことがありましたが、「生々しいね」と笑われ、結局答えは出ませんでした)


 主人の答えは。


 ーー……お前ももう『熟女』だよ。


 マジですか?!


 ーーええ?! まだ三十過ぎやで?


 ーー何言ってんの? 三十過ぎたらもう熟女の仲間入りだよ。


 なんと!


 ーーウ、ウチの中では五十歳ぐらいからやと思っててんけど……。まだ、ウチは未熟な方やと思っててんけど。


 さすがに女子中高生のような青い果実までとは言いませんが。(噛んだら固くてまだほろりと渋い感じ?)


 アボカドで例えますとね。

 私の場合は固かった身がほんの少し変化して、指で押さえたらへこむけど、ああ、もう少し待ったらちょうど良いな……ていう程度!


 分かります? この感じ?

 そのくらいだと自分では思ってたんですけど。

 傲慢でした? 傲慢でしたかね?


 まさか、自分がもう熟女の皆さんの仲間入りをしていたなんて……!

 思ってもいなかったので、かなりショック!


 だって最近の方は若いじゃないですか。

 六十過ぎたら昔はみんなおばあちゃん、て感じの外見でしたけど今はそんなこと言えない方ばっかりですよね。

 美魔女とか。

 驚異のプロポーション、くるくる巻いたロングヘア、バシバシ睫毛のフルメイクとか!


 三十で熟女定義は私は早すぎると思うのですけれども。

 皆さんはどう思われます?








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