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運命プリンス  作者:
4/11

王子様と初デート

 流星君、彼のことは、そう呼ぶようになっていた。

 天城君って呼ぶのを凄く嫌がる。付き合うんだからって。


 流星君は悪い人ではないと思う。

 お互いのことを色々話してそう思った。

 自分を私の王子様だって言い張ったりして、強引なところもあるけど。

 流星君が載ってる雑誌も買ってみた。本当にモデルなんだなって思った。

 写真では大人びた表情も見せて、凄く遠い人に感じる。


 けれど、本当は子供っぽい人。

 何考えてるかよくわからないけど、でも、優しくて、おもしろい。だからって全てを許すわけじゃないけど。



「ねぇ、林檎ちゃん。週末にデートしようよ!」


 お昼を食べながら急に流星君が言った。


「デート?」

「うん、デート」

「デート……」


 私だってデートに憧れはある。ちょっと手を繋いだり、帰りに寄り道したり、そんな些細なことだっていいんだけど……

 でも、本当に流星君は私の王子様なのかな?

 流星君の赤い糸の相手って本当に私なのかな?


「ダメ?」


 じーっと見られて困る。

 ど、どうしよう……


「嫌なら嫌、ってはっきりきっぱり断る」


 そう言うのは、バンリ。バンリならそうやって断れるんだろうな……

 でも、バンリがいなかったら私、どうにもできないよ。

 あと、相馬君。二人に悪いけど、いつも流星君といる時には一緒にいてくれて助かってる。

 だって、流星君と二人っきりだったら、どうしていいかもわからない。この前のキスのことだってあるし……


「バンリ達も一緒?」

「じゃあ、ダブルデートにしようね」

「ダブルデート?」

「俺と林檎ちゃん、駈と篠原さん」


 流星君が順に指さした。


「ふざけんじゃないわよ、天城流星。あたしと相馬をセットにするのはやめなさい」

「まあ、待て。デートって言葉は気にくわないが……どうせ、一緒じゃなきゃ、後つけるだろ。保護者だ、保護者」


 バンリを相馬君が宥めて……

 バンリが黙り込んだ。後つける?


「じゃあ、決定! いつにしよっか、どこに行こっか? あ、俺、遊園地がいい!」


 そうして、あっという間に予定が決まっちゃったりして……



*****



 デート当日、私は待ち合わせ場所にバンリと一緒に向かっていた。

 今日の行き先は、遊園地。

 流星君があまり行ったことないから行きたいんだって言ってた。

 なんか嬉しそうだな、なんて思いながら私達は賛成したわけだけど。


 待ち合わせの駅前に先にいたのは相馬君一人。


「天城はまだなの? ありえない!」

「ば、バンリ……」


 流星君がいないことでバンリがいきなり怒り出した。

 でも、待ち合わせの時間にはまだ早い。

 私達が早くて、相馬君がもっと早かっただけ。


「まあまあ、いつものことだ」

「時間にルーズなやつってサイテー」


 ば、バンリ……ルーズじゃない、ルーズじゃないと思う。まだ。

 だって、待ち合わせ時間前だもん。バンリはどれだけ流星君に厳しいんだろう。


「あいつも色々大変なんだよ。付き合うんなら、慣れてやれ」


 相馬君は言うけど、何が大変なんだろう? 慣れるって何のこと?

 流星君のペースってよくわからなくて、まだ慣れられそうもないけど。


「俺もあいつと親友って言っても滅多に外出ないからな」


 流星君は映画に水族館に動物園に、色々行きたいところがあるってはしゃいでたけど……

 うん、あれは私より乙女かなとか思った。

 でも、相馬君はバッティングセンターとか行きそうなイメージだし。


「面倒くさいことにならないわよね?」

「そりゃあどうかな?」


 相馬君が肩を竦めて、バンリが睨む。


「おいおい、あの天城流星だぜ? 覚悟が必要に決まってんだろ」


 覚悟って何だろう。相馬君に聞こうと思ったら、バンリにガシッと肩を捕まれた。


「林檎、今からキャンセルして、二人で遊ぼう? 遊園地なんて女二人でも遊べるわ!」


 それはいくら何でもひどいんじゃあ……遅れてるわけでもないのに。

 と思ったら、周囲がざわついて……



「みんな、待たせちゃってごめんね」


 息を切らした流星君がやってきた。


「今日は早いな。時間ピッタリだ」

「うん、林檎ちゃん待たせちゃいけないと思って、かなり早く家出てきたからね」


 私を見て、流星君はニッコリ笑う。ここに来るまで大変だったみたい。

 モデルやってるんだから私服がお洒落なのは当然なのかな。やっぱり凄く人目を引き付けてる。純粋に格好いいなぁ、って。

 でも、雑誌の流星君を見てるみたいな遠さを感じた。


「じゃあ、行こうか」


 バンリは不満げだったけど、もう文句は言わなかった。

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