表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野球はスリーアウトから  ラムネシーズン  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/48

ホットドッグ・チャレンジ

 全米ぜんべいあつくなる、そんな二週間の始まりだ。


 年に一度の特別なイベント、『ホットドッグ・チャレンジ』。メジャーリーグに所属しょぞくする各チームの本拠地ほんきょち球場きゅうじょうで、「どこが『一日あたりのホットドッグ売上数』で一番になるか」というイベントである。


 何十年も続いているので、ベースボールファンだけでなく、地元じもとみんの関心も高い。『ホットドッグ・チャレンジ』で勝つのは、非常に名誉めいよなこととされている。


 かつては『ビール・チャレンジ』というイベントも、同時どうじ開催かいさいされていた。『一日あたりのビール売上量』をきそうものだ。


 しかし、「急性きゅうせいアルコール中毒ちゅうどくによる死者が何年も連続して出た」などの理由により、現在ではおこなわれていない。


 さて、この『ホットドッグ・チャレンジ』、商品ホットドッグのサイズや値段ねだんは、一定以上であることがもとめられている。そのため、小さなホットドッグを格安かくやすで売れば勝てる、というものでもない。


 勝つために重要なのは、やはり動員どういんすうだ。どのくらい大勢の人たちをあつめることができるのか、それが勝負の大きなかぎになってくる。


 なので、計測けいそくするのはかならず、その球場で試合が行われる日だ。試合がない日では、それだけで不利になってしまう。


 この二週間に全米各地で次々と計測が行われ、売上数の最も多かった本拠地球場が、チャンピオンになるのだ。


 ただし、各球場には収容しゅうよう人数にんずうがある。それだけで勝敗が決まらないよう、「球場を中心に一平方いちへいほうキロメートル」が計測けいそく範囲はんいだ。このエリアで販売したホットドッグの数を競うことになる。


 球場周辺には、臨時りんじ屋台やたいがいくつも立ちならぶ他、エリア内にある飲食店でもホットドッグを販売して、地元の勝利をあとしする。目指めざせ、全米ナンバーワン!


 とはいえ、この『ホットドッグ・チャレンジ』、基本的には大都市が有利だ。やはり人の数がちがう。


 だが、そうでない本拠地が勝ったことも、過去に数回ある。地元が一丸いちがんとなれば、上位じょういに食いむことは、決して不可能ではない。たとえば、大食い自慢じまんたちをたくさん集めれば、多少の人数差はひっくり返せる。


 こうして今年も、全米中の本拠地球場で次々と、『一日あたりのホットドッグ売上数』が計測されていく。


 例年れいねんだと、雨のために記録がびず、なみだをのむ本拠地が一つか二つは出るのに、今年は順調じゅんちょうだ。どの本拠地も好成績をおさめている。史上まれに見る激戦げきせんとなっていた。


 そして、最終日をむかえる。


 この時点で、未計測の本拠地球場は一つだけだ。


 しかし、すでに勝負は決まっている。


 最後にのこったのは、大都市ではない。過去に優勝したこともない。毎年のように下位かいしずんでいて、最下位になることもめずらしくない。そんな全米で最も小さな本拠地だ。


 さすがに、ここが一番になることはないだろう。


 そのように思われていたのだが、ふたを開けてみると意外や意外、ホットドッグの売上数がものすごいいきおいで伸びていく。


 この快進撃かいしんげきには理由があった。


 とっておきの秘策ひさくを使ったのだ。ソフトドリンク全品を、無料で提供ていきょうしたのである。ホットドッグの値段に規定きてい存在そんざいするが、ソフトドリンクにはない。


 とはいえ、大食い勝負において、まさかの飲み放題だ。


 ドリンクの分、ホットドッグの消費量が落ちるのでは?


 そう思われるかもしれないが、これがものすごい効果を発揮はっきしていた。


 みなさんにおたずねしたい。あなたはドリンクなしで、いくつのホットドッグを食べることができるだろうか。


 これまでは、ほとんどの人がホットドッグと一緒いっしょに、ドリンクを買っていた。それを無料にしたのである。何杯なんばいでもご自由にどうぞ。おかわりのおかわり、大歓迎だいかんげいです。


 飲み物のある状態じょうたいつね維持いじされるので、これに牽引けんいんされて、ホットドッグの消費量も増えていく。


 他の本拠地の記録をあっさりると、そのまま歴代最高記録も更新こうしんした。


 こうして、全米で最も小さな本拠地球場が、今年のナンバーワンを勝ち取ったのである。


 デリシャス!


次回、宝くじ売り場で異変が・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ