表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/48

ビデオ判定中に

 プロ野球やきゅう試合しあいちゅうに、判定はんていむずかしい場面ばめんがあった。


 セーフか、アウトか。得点とくてんにかかわる状況じょうきょうだ。


 審判しんぱんすこまよってから、「セーフ」をげる。


 が、すぐさま片方かたほうのチームから、「ビデオ判定はんてい」の要請ようせいがあった。


 りょうチーム得点とくてんでの、きゅうかいうらツーアウト。ここで相手あいてチームに得点とくてんはいれば、試合しあいわってしまう。


 試合しあい勝敗しょうはいにかかわることなので、くつがえせるものならくつがえしたい。そうかんがえるのは当然とうぜんだ。


 審判しんぱんたちが一旦いったん、グラウンドのそとていく。これから別室べっしつで、「ビデオ判定はんてい」をおこなうのだ。セーフか、アウトか。映像えいぞうながら判定はんていする。


 このとき審判しんぱんたちはかんがえていた。もしかしたら、いつもよりも時間じかんがかかるかもしれない。そのくらいきわどい場面ばめんだ。


 審判しんぱんたちの姿すがたえると、バックスクリーンのだい画面がめんに、リプレイ映像えいぞうながはじめる。


 そんなときだった。


 グラウンドでいきなり、乱闘らんとうはじまったのである。


 球場きゅうじょうにいるおきゃくさんたちのほとんどが、バックスクリーンに注目ちゅうもくしている最中さいちゅうだった。なので、乱闘らんとう原因げんいんはわからない。


 しかし、事実じじつとして、りょうチームの選手せんしゅたちがなぐっている。


 いつもなら、審判しんぱんころいをて、乱闘らんとうめるのだが・・・・・・。こまったことに、いま不在ふざい


 しかも、こんなときかぎって、乱闘らんとうがエスカレートしていく。グラウンドのあちこちで、りょうチームの選手せんしゅたちがみだれてたたかっている。普段ふだん使つかわないような、派手はでなプロレスわざ使つかっていた。


 次々とたおれていく選手せんしゅたち。


 仲間なかまかたきとうと、ほか選手せんしゅたちはさらにちからをこめる。


 そのうえ、コーチや監督かんとくも、このたたかいにくわわった。


 そんなたたかいをにして、おきゃくさんたちの一部いちぶこころなかさけんだ。


審判しんぱんはやもどってきてくれー!)


 しかし、今回こんかいの「ビデオ判定はんてい」は時間じかんがかかっているようだ。


 乱闘らんとうつづく。審判しんぱんがいないためか、悪役ヒールレスラーのような反則はんそく攻撃こうげきまでした。


 さらにおおくの選手せんしゅたちがたおれていく。


 そして、三〇ぷん経過けいかした。


 審判しんぱんたちがようやく、グラウンドにもどってくる。


 もどってくるなり、審判しんぱんたちは唖然あぜんとした。


 グラウンドのあちこちでは、りょうチームの選手せんしゅたちがたおれている。よくると、コーチや監督かんとくもまざっていた。


 審判しんぱんたちは動揺どうようしながら、たがいにかお見合みあわせる。自分じぶんたちがここにいないあいだに、いったいなにがあったのか。


 とはいえ、まずは「ビデオ判定はんてい」の結果けっかつたえないと。


 選手せんしゅたちがたおれているグラウンドにかって、審判しんぱん一人ひとりさけんだ。


「アウトー!」


 延長えんちょうせん突入とつにゅうである。


次回は『二つの市にまたがる野球場』というお話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ