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ひみつの小部屋

こんばんは。

仕事でもプライベートでも書くことが多いなぁと、日々思いますが、なんていうか書いている時は別世界に行けるのが「作文」です。思考回路の整理にもいいですが、全く違う世界観も味わえる。


しかもタダです。

なんて素晴らしい。

以前から読むのは好きですが、読み始めるとすぐに書いていました。


以下昨日も書きました。


この物語だけ読んでもわかるように、と考えて書いていましたが、ここでサナレスの過去にがっつり関係する内容に突入してしまいました。(ため息)


長編の中の一部なので、お許しいただきたい。

興味がある方は『破れた夢の先は、三角関係から始めます』

https://ncode.syosetu.com/n8247gl/

でご覧ください。


注意※その当時は、一回の分量や、読者の読みやすさなど、今以上に考えずに書いていましたので、読みにくいかもしれません。

        ※


 珍しく必死になった。

 橙子との言霊により、この世で人格が消えるかもしれないと知り、サナレスはやはりもう一度リンフィーナに会いたいと思った。


『すまない、リンフィーナ』

 仕事のために、何度も彼女との約束を反故にしたことがあり、今回も本心で首を垂れて彼女に謝る気持ちはある。


 会いに行くと言って会えないことを、リンフィーナは幼い頃には泣いていた。けれどいつからか、物心つく年齢になった彼女は、それがサナレスの役割だから自分がわがままを言っては行けないと、最終的に笑って許した。


 今回もそうして許してもらおうという気持ちと、今帰らなければきっと彼女との縁は途絶えてしまうのだという焦りが交錯していた。


 けれどサナレスは、死んで転生し、その後もサナレスに対してのメッセージを残した、かつての親友の形跡を追いたくなった。


 赤い絨毯が弾かれた部屋だった。サナレスはその部屋の何処でモナリザが描かれたのかを特定していたので、観光客はそれ以上入ってはならないと張られたロープを一跨ぎで飛び越えた。

 赤い絨毯に手をかける。


 日が暮れかけていて、サナレスと橙子以外には観光客はいなかった。

「ちょっとっーーサナレス!!」

 それでも城内には従業員が数名いて、見つかっては大変だと慌てた橙子は、サナレスを制止しようとする。

 だが大丈夫だとサナレスは判断している。もしここに騒動を聞きつけた従業員が駆けつけてきたとしても、サナレスは見えない。ポルターガイスト騒ぎという、別の騒動になるかも知れないけれど、世界ではそんなニュース真意だろうと虚偽だろうと後を経たない。


 いっさい躊躇することなくサナレスはホコリのたかった赤い絨毯を引き剥がした。

 フロアリングの床の継ぎ目が不自然で、すぐに地下通路に続く扉を見つけた。ただわかりやすい取って等がないので、隠し箱と同じ原理だ。いくつかの床板に圧を掛ければ、扉が浮き上がる仕組みだった。


「サナレスってば!」

 気でも狂ったのかとサナレスの行動抑制することばかり考えていた橙子は、地下に続く扉が出現すると、じっと黙った。


『どうしてここの主人が、天井裏を改装させなかったのか。それは当時のままの彩光を、私に知らせるためだと思う。絨毯は後で戻す。ーーおまえも行くか?』

「ーーそれってサナレスの過去ってこと? 神様の世界??」


 サナレスは笑いながら、橙子に手招きする。

『私はーー』

 神なんて存在しないと一刀両断してしまいそうになったが、サナレスは束の間黙って言い換えた。

『神は人の弱さが作り出した、尊いもの。だから、こんな神の所業のような……、悪戯に出会うのだな』


 サナレスが地下通路に降りるのを急いだので、橙子はそれに付いてきた。

「サナレス、偶然は確率の外れ値だって、あなたならそう言いそうなのにね。変なの」

 そうだな、とサナレスは納得していた。


 外れ値、得られた観測値の中で真の値の推定値からの残差が異常に大きい値のことを指すのだけれど、異世界を超えて移動し、この世界に存在する人口を考えたとき、その外れ値で行き当たる確率は、「運命」と言ってもいいかも知れない。

 サナレスはらしくもないことを思っていた。


 レオナルド・ダ・ビンチに心惹かれたサナレスは、彼が開発した研究の全て、異世界ですでにサナレス自身が研究した内容だった。こっちの世界でも同じことを考えた人物がいるのかと強く興味を持つことになった。芸術ですら、緻密な計算で表現する。モナリザという人の顔を、死ぬ間際まで他の絵画の一点も生み出すことをやめ、上半身のみで「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」として世界に宣伝広告を打った人物。


 まるでサナレスがいずれここに来ることを予期して、晩年を過ごした彼を、サナレスは知っている。

『知っているんだ、私は。彼以外がそこまでのことを企むことができない』

 天才だと言われたサナレスが、唯一叶わないと思った存在は、別世界でもずっと偉才を放ち続けていたらしい。


 地下通路の先には、扉があった。

 何年も開かれていないその扉は、湿気のためか歪み、開けようとしても最初とても硬かった。念入りにも扉には滅多と人が出入りできないよう、あっちの世界でのみわかる呪布が貼られていたけれど、サナレスが近づくとそれはあっさりと燃え尽きてしまった。


 ギィィーー。

 重い扉が開いた。

 サナレスと橙子がカビ臭い部屋の中を確認した。


「お宝?」

 金儲けを第一優先にしている橙子なら、まずそれを想像しただろう。

 サナレスは安直な彼女の思考回路に頭を抱えたけれど。


 サナレスの想像通り、中には、とても質素な小部屋だけがあった。

『残念だったな。ーーお宝とか、そういうことじゃないんだよ』

そういえば、シリーズに入れるのを忘れていると、本日気がついた。


シリーズに含める設定とか、あったような気がしてきました。


偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝ち組になる取説」

シリーズの8作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー


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