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守護霊になった気分

こんばんは。


本編でサナレスとアセスが散りじりになって、また転生先の番外編の章に突入しております。

一人称で遊んでみようっ♪

って思っていたのに、三人称がクセ付いていて、なんかまだ乗らないなぁと思いながら滑り出しています。


もっと一人称では弾けたいのになぁ。

完全楽しみで書いています。


が。来週からフランスに行く。

フランスで小説の投稿はできるのかなぁ??


できなかったら悲しい。少しお休みになるかも。

あっちで書き溜めます。

        ※



 燈子が生まれたのは、二千年間際に世界が滅びるとか何とか、胡散臭いことを予言した時代で、国は日本。

 日本という狭い世界では関西といい、関西の中でも都心ではなかった。


 和歌山。

 歌かーー。


 歌という漢字の意味を知って、自分がここに望んで転生したのだろうなぁと自覚した、


 一応中心地、和歌山市という市街地だったけど、特に何もなく海と山しかない。

 県内の人口は減る一方。

 不思議なことに学力社会だった。


 いい大学を出ればそれで将来安定するという、若者もその親も、かなり極端な思考に傾倒している状態だった。

 学力と将来安定がイコールではないことを知る私にとって、異世界はかなり異常だった。


 その中での田舎である県、和歌山では更におかしな事態になっている。

 親は子を離したくない。できれば近くにおいて和歌山で働いて欲しいと願っているのに、子供をいい大学に進学させたい。

 進学するなら他府県に出るのが当たり前という県民性だった。


 そうなったら最後、子供って田舎の和歌山に戻ってくるのか?

 いや。それは無理だ。(最低賃金ですら格差がある。いい時給を知ってしまったら、若者は田舎に戻らない。ちょっと疲れた中年にでもなったら、もしかしたら考えるかもしれないけどな……)


 矛盾していた。

 私はーーまさか。

 この県の若者流出問題を何とかするっていう人生じゃないよな……。

 私は目の前の状況をずっと冷静に考えていた。


 サナレスが居候することになった燈子は、なぜだかちゃんと燈子としての意識を保っていて、サナレスは完全に燈子として生きることさえ許されなかった。

 割と肩身が狭い。


『生まれ変わるって不自由……』

 アセスはそんなこと言っていなかった。私とアセス、条件が違うことについて、考えてしまった。


 でもこの状況、前の世界で経験したことがあり、窮屈に思いながらも、馴染むところもある。


 一つの身体に複数の魂。

 主導権は、どの魂が優勢になるかってことだな。

 私は理解していた。


 しかしまぁ、燈子って女子の人生の、何とも言えないほどパッとしないことと言ったら、やはり転生前の性分で私は行儀が悪いとわかっていても舌打ちを繰り返した。


 ある時は、泥まみれになった。

 腹が立ったけれど、燈子にとっては過去のことだった。


 燈子に腹が立つ。でも燈子は何もできなかった。同年代の童が燈子を取り囲んで、彼女を泥まみれにし、友人の誕生日を祝う日から締め出した。「お前が来る場所じゃない!!」そんな過去が、彼女の記憶に刻まれている。


 この世界ではいじめって言うらしい。

 燈子は良くいじめのターゲットになる女子だった。


 ある時は、担任から矢面に立たされた。

 燈子は授業中、大多数の者ができない問題に当てられて硬直した。「お前ら、こんな問題につまづいているようじゃ、高校受験だって推薦は出せないぞ」と燈子の担任は言っていた。


 この世界では多分弱い者を「みせしめ」にする。

 まああっちの世界でも同じようなことはあったけれど、サナレスからすれば、全てが腹立たしい。

 「みせしめ」、そんなことに燈子は良く利用されていたと思う。


 高校生になった頃には、燈子は完全に目立たず騒がずを処世術だと勘違いして、全ての才能を平凡に落とし込んでいた。


『確かに平凡。でもこの平凡って能力』

 それに気になることは山ほどあった。


 燈子を取り巻く連中は、陰口を言っても本音は相手に言わないらしい。全てが陰口、それも本人に何となく伝わるような微妙な匙加減さじかげんだったので、燈子は石のように黙ったままボロボロになっていた。


 16歳の誕生日。

 ラーディア一族では成人年齢を15歳として祝うけれど、一年遅い燈子の誕生日に、私は贈り物をした。


 それは行動力という強さだ。


 燈子と意思の疎通はできないでいた。

 でもせめて、彼女の行動が変容するように、私は神の加護があるように願っていた。


『異世界転生って、こんな守護霊みたいな感じなのか……』

 退屈だったけれど、この頃にはすでに燈子に対して、私は何かしら肩入れをしてしまっていた。

偽りの神々シリーズ紹介

「自己肯定感を得るために、呪術を勉強し始めました。」記憶の舞姫

「破れた夢の先は、三角関係から始めます。」星廻りの夢

「封じられた魂」前・「契約の代償」後

「炎上舞台」

「ラーディオヌの秘宝」

「魔女裁判後の日常」

「異世界の秘めごとは日常から始まりました」

「冥府への道を決意するには、それなりに世間知らずでした」

「異世界で勝組になる取説」

シリーズの9作目になります。


 異世界転生ストーリー

「オタクの青春は異世界転生」1

「オタク、異世界転生で家を建てるほど下剋上できるのか?(オタクの青春は異世界転生2)」


 異世界未来ストーリー

「十G都市」ーレシピが全てー


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