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読み間違い

思うようには進まないのは、職種を変えた以上は当たり前なのだが、周りの方々の時間を割いてしまっており、自分自身への苛立ちが増す。


同じく法律を扱う仕事ではあるが、前職は開発の上流工程で、現職は下流工程である。


前職はミスをしたところで、別に物理的に事故発生はない。開発手戻りもあるにはあるが、最悪、お金で大体はどうにかなる。


現職のミスは大惨事である。文字一つの解釈で洒落にならない。言語学も苦手だが、見えないプレッシャーをいつも感じている。


長年、この職種の方は感じないようだが、解釈ひとつでお客様の安全に関わるからか、部署の方々自体は前職より穏やかな方が多いのに、かなりひりついた空気感が伝わってくる。


「なかなか元気にならないね。体調大丈夫?」


上司の優しさが伝わってくる。この職種特有かと思う空気感になかなか慣れない。小さくて可愛いお饅頭をくれた。イライラが顔に出ていたと反省。とりあえず、深呼吸。


会社は変遷したが13年同じ仕事。博士後期課程も知的財産権を専攻しており、ほぼその職種の専門家に近かった。


「人のために」


口でいうのはなんとでもなる。同じく法律を扱う仕事ではある。だが、落としたら物理的に終わる、となると全員の真剣度は段違いである。たかが半年ぐらいの自分が好き勝手にやれない。


会議前後のアイスブレイクでさえ、下手したら硬い話題。明るい口調で「毎日お酒を飲んでしまう」とか話をされている。いや、常習的な飲酒は依存への第一歩である。


ご自覚されていたから問題はないのだろうが、話したことがない上役なのに、思わず声を掛けてしまった。ご自愛くださいと思っている。


仮想世界は間違いなく怖い。物がない、確かめられないのがこんなにも怖い。自分の知覚出来る範囲は超えている。知らないことが怖い。


現実世界も怖い。自分の考えで間違っていたら。事故が起こる前にリコールが出来れば幸いだ。万が一があったら、本当に怖い。


無知の知を体感した半年だった。


今の部署は不思議と「ありがとう」という人が多い。また小さな事でも、疑問があれば結構言い合うが、議論が終われば結構、それでおしまい。


仕事量に対するぼやきは皆様変わらないが、手を抜くとかサボるとかは見かけない。効率化できないか、と考えている人は多いが、そういう人ほど大体は忙殺されている。仕事は出来る人に集まる。なるほど、わかりやすい。


『これ、どう理解しています?』


うぐ。英語の解釈間違えたか。よく見つけて・・・あー、まあ、でっこみ引っ込みはあれど建設的な議論だ。飛び交うメール見ながら、とりあえず、自分の考えを打ち込んだ。

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