平行線
目の前の男性は歩きタバコ。
咄嗟に「嫌だな」って思ってしまった。
そのあと、思った。
なんで「嫌」なんだろう。
別に「彼」は歩きタバコをしているが、器物破損や暴走行為をしていない。
子どもの目線というが、道幅もあるし、見通しはいい。周りは自分だけ。時折、クルマが通るが、それだけである。
遥か昔は、喫煙所なんてなくて机でタバコが吸えたと聞いたことがある。新幹線の車内で吸えたとも聞いたことがある。真偽不明だが。
今は喫煙所すらなくなってきているが、それこそ15年ぐらいで、みんなの「常識」が書き換えられた。
「受動喫煙」を考えてもほぼ無風。
かつ、こちらはマスクして道路挟んで10mぐらい斜め後方を等間隔で歩いている。
ポイ捨てによる街の景観を汚すなどは考えられるが、まだ、そうだとは限らない。
道路を走るクルマは「流れるウインカー」を出している。考えてみれば、これだって輸入車が法規に適合しないからと法規が書き変えられた。
「常識」も「法」も、誰かにとって都合よく変わり、それが「当たり前」に書き換えられる。
今、自分が「正しい」と思うことは「正しい」のだろうか。判断するのは、こんなにも困難だ。
さっき学生時代に覚えた判例を思い出していたが、そう考えると裁判官や政治家って大変だな。判断する重さが違う。しかも、政治家にいたっては相手へ理解を求める必要がある。
伝わらないことの責任は発信側にあるという考えには同意しますが、会社ならまだしもどうやっても理解してくれない方もたぶん、います。特に匿名だと。
まあ、少なくとも、今持っていると思う考え方は変化してきたし、するものだとは、意識しよう。相手を尊重する、自分を蔑ろにしない。そのために話をする。とりあえず、話がわからない人にあったら、その時に考えよう。
目の前の男性は、火のついたタバコをそのまま投げ捨てた。おい。
今、言いたかないが「これだから」である。
万が一、火事になったらどうするつもりだ?
ため息吐きながら、靴裏で、火を消した。




