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動画

気持ち悪い。異様な光景。


スマホにイヤホン、マスクの大量な「人」らしき群れが俯きがちに一定速度で同一方向に向かっている。


制服姿やジャケットはあるが、だいたいはモノトーン。体型は服でわからない。


背景はファミコンのような青空。

二股に分かれている道は吸い込まれるように「駅」って名前の建物に繋がっており、群れは一定速度で呑み込まれていく。


「もうちょっと、さ。俯瞰的に考えられない?ざっくりでいいから」

「物事は切り分けて考えてみて」


どっちだよ。俺は占い擬きや陰謀論とかは大っ嫌いなんだ。だからといって数字だけ出せばいい、みたいな資料も嫌いだ。まあ、くじ運はない。


どこまで突き詰めるか、は閾値不明な感覚でしかない。これがあるから現時点では機械に全ての情報を喰わせることが難しい。


そもそも俺は人と話すことが得意ではない。上手く伝えられていない可能性がある。相手が自分を思って言ってくれてるのがわかる分、さらに自分に苛立つ。


ひたすら情報を喰らい、情報を精査し、予測を立てる。予測の確度は「誰が言ったか」。


同じことを言っても「誰が言った」で信頼度が変わる。さらに、どこでいつ発言したかという重みづけが変わっていく。


人は多面的だが、それらを重ね合わせて人物像を作り、それを縦横に複数合わせることで国として、地域としての方向性を見定める。principal探し。


喰らい続ける情報。

作り続ける「シナリオ」。

信頼度による重み付けした仮説を吐き出し続ける。


とはいえ、指摘を貰った以上、考えなければならない。相手もわざわざ苦言を呈したいと思っていない。真面目に考える。


俯瞰的に、第三者として街中を改めて見ると「気持ち悪い」。なんだ、この世界?


ここから何を「切り分ければいい」?


いや、俺は「この中のひとりだ」。

そうだ。俺は単なる誰か。この日常の景色を構成する一部。誰でもない、どうでもいい誰か。


なるほど。視座、か。

これが、指摘されたことかな。切り分けるべきこと。


確かに、大勢の一部。

だが、その流れを見るのは俯瞰的、か。


しかし、あまりにも地獄へ向かう平坦路な「映像」にしか見えない。


せめて、少しでもマシな世界に繋がっていてほしいと、人混みに紛れながら思っている。


まあ、人の夢と書いて「儚い」って読むんだけど。

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