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呼びかけ
呼ばれた?
目が覚めた。
弊社は明日までだが、事業所は有給取得奨励日。
よって、今日が仕事納め。
さすがに疲れた。
いろいろありすぎる一年だった。
仕事が終わって部屋に戻ってから、そのまま眠っていたらしい。
スーツに皺がよっている。
明日、クリーニングに行かないと。
身体は痛いが、なんだろう。
誰かに呼ばれた気がして目が覚めた。
よくわからないが、気持ちがどこか温かい。
誰かが、そばにいてくれたような感覚。
なにか話をしていた気がするけど、思い出せない。
なんだか、よくわからないが、その人の幸せを願う。
そういえば、食事に関する記載を練習しようと、パンを買ったんだった。僅かな「灯り」の下にあるパン。
想起されるは「陰翳礼讃」。
変わり続けた文豪が書き綴る「美意識」。「多彩」な色合い。作品毎に異なる色にあって変わらない「美学」が一番色濃く表れている随筆。
月明かりが少しずつ戻って来ている。
何故か柔らかな空間。
一体、誰に呼ばれたのか、もう思い出せない。
とりあえず「明かり」をつけるか。
ぼんやりしたまま、少し笑っていた。




