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くろねこ
深夜、とはいえない時間。
北関東のとある都市。
住んでいる方からすれば、別に何もない都市のそんな市役所にあるEV充電ステーションの片隅の車止め。
そんな場所に座っている土曜日の夜。
満月の夜は疲れて寝てしまった。
今夜こそ月を見ようとしたら、厚い雲に覆われて月が見えない。
この方にまつわるデータとはすれ違いばかり。
見つからない、言葉探し。
ガッカリしながら散歩していたら、くろねこに誘われて何故か駐車場に座って、通りゆく自動車を眺めている。
周囲は公園。植物の圧力が強い匂い。
肝心のくろねこさんは2mからは近寄ってくれない。
ずっと、うにゃうにゃ話してくれるし、なんなら伸びているし、寝転んでずっと話しかけてくれるから、微妙に立ち去りにくい。
夜闇をぼんやりと力強く打ち消す街灯の下で、見えない月を思っている。




