隣街
「倒置法か」
なるほど。であれば、下記の通りか。
今日の議題は
・日記には2種類ある。
・それは「不特定多数に見られることを前提とした日記」と「不特定多数に見られないことを前提とした日記」である。
・上記を鑑みるとこの「随筆」はその中間ぐらいであると考えられる。
以上。
完全に報告メールである。
投稿規定の300文字すら満たしていない。
これではトヨタ式A3報告書のタイトルである。ステップ1の「課題の明確化」にまで辿りついていないし、大体あれは思考ツールであって「随筆」ではない。
現在、デジタルデトックス中である。
仮想世界との付き合い方を勉強している。
あくまで「取捨選択する情報」として付き合っていく。とりあえず、情報源を減らす。様々な情報に触れて、距離感がバグると「凶行」に及ぶ以上、慎重さが求められる。
なので、仕事外で読むのは職業作家様のブログと経済ニュースと判例速報だけにした。これならどうやっても「凶行」には及ばない。デジタルタトゥーを残した出来事は、反省すべきこととして心に刻んでおく。
会社から出ているバス路線は3つ。いつも決まりきったルートだが、今日は隣街に行くバスに乗る。まずは同じことを繰り返さないようにして、思考回路を変える。
そのバスの中でブログ記事を読むと「倒置法」について記載されている。先に「答え」から書く方法。
なるほど。確かに読む人には安心感を与えることができる。だが、そうするならば「探偵役」が必要だ。でないと「報告書」になる。
なら、それを「読者」に託すのは面白いかもしれない。そんなことを徒然と思っていると、不意に今書いている「物語」の骨子とプロットを多少変更すれば案外いけるかもと思えてきた。
職業としての作家様は流石だ。お弟子さんに家庭教師に、大学教授と、様々な人に教えながら、毎日「見られる日記」を書いていらっしゃるだけある。こんなところの「読者全員知り合い」みたいな同人誌にすら、影響を与える文章である。「言葉の力」に心底ビビる。
隣街。電車もあまり来ない街であり、自分も来ない。デジタルデトックス中のリハビリもあるが、本屋がある街に行きたかった。
そう。せっかくなので本屋で買いたかった。
「彼」の「代表作」。
メイン職業が作家なら、サブ職業は音楽家なんだろうが、今はもう本当に音楽には触れたくない。「アレルギー」を聞かれたら「植物」と「音楽」。間違いなく「平和」からはほど遠い人物になってしまった。仕方ない。よって、本を買いに来た。
だが、ない。古い本だからか。
「他店に在庫あるので取り寄せますか?」
「あ、はい。お願いします」
次に取りに来れるのは、土曜日か。
どうやら散歩する企画までには読みきれそうだ。
毎日「人に見られる」日記を書き綴る。それができるという「誰か」が書いた「代表作」。一体、どんな気づきが得られるのか。
なんだろう。週末までが楽しみになった。




